こんにちは、20年以上スノーボードしている元イントラの、らくスノです。
形状やデザインはもちろん、グラトリボードで一番気になるのが”板の重量”ですよね。
キッカーやパイプと違い、自身の筋力のみで跳ばなければならないグラトリは、板の重さも大事なスペックです。
今回は知り合いのショップ店長やプロライダーの中で評判が良かったグラトリ板のみを厳選してチョイスしました。
最後までお読みいただければ、きっとあなたにぴったりの軽量グラトリボードに出会えるはず!
目次
グラトリにおすすめの軽量ボード12選
形状/フレックス | ソフト | ミディアムソフト | ミディアム |
キャンバー | ヨネックス イロドリ(フラットキャンバー)※ | ノベンバー デザイア※ | ヨネックス スタイラーホリック |
ダブルキャンバー | FNTC CAT※ | デスレーベル デスマシーン | |
ハイブリッドキャンバー | 011アーティスティック ダブルフライ※ | ヨネックス アクセ※ | キャピタ ウルトラフィアー※ |
※印はレディースモデルあり。
いずれのモデルも私が試乗会やショップで触れたものなので、軽量・高反発でグラトリとも相性抜群です。
ヨネックス ACHSE(レディースモデルあり)
軽量ボードの代名詞といえばヨネックス!
そのヨネックスが本気で作ったグラトリボードがACHSE(アクセ)というわけです。
そもそもヨネックスというブランドは、カーボンボードとして有名になりました。
それまで、剛性を上げるにはボードを厚くする必要がありましたが、それでは板が重くなってしまいます。
そこで、スノーボードと同じく、剛性・重量が大事な飛行機の素材で使用されていたカーボンに注目が集まったわけです。
ヨネックスはカーボンをサンドイッチのように重ねることで、軽量化とバタつきの軽減に成功しました。
出典:ヨネックス
また、2020シーズンからはテール・ノーズに配置されたXカーボンリボンが延長され、さらに反発力が上がっています。
出典:ヨネックス
形状はキャンバーベースで、テール・ノーズがフラットになっています。
オーリー・ノーリー時のタイミングがつかみやすいので、上級者はもちろん、グラトリ初・中級者でも扱いやすい板に仕上がっています。
さらに、ノーズ・テールがミディアム、センターがソフトフレックスなので、よりオーリーが弾きやすいうえに反発が強い。
グラトリ中心のスノーボーダーには激押しの1枚です!
ヨネックス STYLAHOLIC
続いては、同じくヨネックスのSTYLAHOLIC(スタイラーホリック)です。
「またヨネックスかよ!」なんて言わないでくださいね。
だって本当に軽いんだもの…
ヨネックスがカーボンボードだってことは前項で説明済みですが、スタイラーホリックも同様。
出典:ヨネックス
じゃあ前述のアクセと何が違うのかというと、さらなる軽量化のためハニカム構造を採用しているのです。
要はコアを軽くするための肉抜き。
蜂の巣が正六角形の形状をしていたことから名付けられたハニカム構造ですが、強度をあまり損なわずに重量を軽減できることから、航空機などで採用されています。
そのハニカム構造を配置することによって、ただでさえ軽いボードが、剛性を失うことなくさらに軽量化してしまったのです。
出典:ヨネックス
19-20シーズンモデルよりさらに軽量化されました。
特にボードのチップ部分が軽くなっているので、スピントリックで威力を発揮します。
※ボードはノーズ・テールが軽いほうが板を回しやすくなります。(スイングウェイトと言います)
出典:ヨネックス
しかし、クセのないアクセとは対照的に乗り手を選ぶボードです。
ノーマルキャンバーでオーリーのポイントが難しいうえ、フレックスもやや固めのミドル。
安易な気持ちで購入すると、「なにこれ、ぜんぜんグラトリできない…」ってなります。
「今シーズンはマジで上達したい!」なんて向上心のある方や、「今年は720回したい」なんて上級者におすすめしたいボードです。
FNTC CAT(レディースモデルあり)
FNTCは、人気youtubeチャンネル「スノボー先生」のタッキーこと、瀧澤憲一プロ所属のブランドとして有名です。
そもそも、FNTC自体グラトリを意識したブランドですが、既存のTNTは遊びやすいものの重量に難がありました。(めちゃくちゃ重いってわけではないですが…)
そこで「もうちょっと遊びやすくて軽量なモデル出ないかな」と思ってたらCATを出してくれました(笑)
出典:FNTC
なんといっても、FNTCもノーズ・テールにハニカム構造(肉抜き)を採用しているのでめちゃくちゃ軽い!
フレックスはソフト〜ミドルとグラトリには最適。
さらに、センターとノーズ・テールが薄くシェイプされているので弾きやすく、プレストリックも簡単にできる。
Wキャンバーを採用しているので逆エッジしづらく、さらに、スイングウェイトの軽量化と相まって540も簡単に回せるポテンシャルを秘めています。
低速でもトリックしやすいボードに仕上がっていますね。
ファナティック トリックマスター(レディースモデルあり)
ファナティックのトリックマスターをご紹介します。
ファナティックといえば、ハニカム構造!
「またハニカムですか…」なんて失礼なこと言ってはいけません。
むしろ、スノーボードにハニカム構造を取り入れたのはこちらが元祖。(FNTCの親ブランドでもあります)
出典:ファナティック
ファナティックも前述のモデル同様、ノーズ・テールを肉抜きすることによって、既存のボードより55%もコアウェイトを軽減しました。
出典:ファナティック
またビス穴からノーズ・テールへ伸びる位置にもハニカムを使用して、オーリー・ノーリーの反発力を高めています。
さらにVロッカー形状は足元がキャンバー、センターがロッカーになっており、荷重によって接雪面が変化します。
高くオーリーしたい時はしっかり踏み込むことができ、エッジの切り返しが多いトリックでは逆エッジしづらい構造なんです。
フレックスはソフト〜ミドルと、これまた高速・高回転グラトリにぴったりの程よい硬さ。
グラトリだけでなく、キッカーやカービングでも優れた能力を発揮します。
そんな、バランスの取れたボードが、ファナティックのトリックマスターです。
デスレーベル DEATH MACHINE
デスレーベルからはデスマシーンを紹介します。
そもそも、デザインや所属ライダーの外国人の多さからアメリカあたりのブランドだと思っている方も多いですが、れっきとした純国産メーカー。
デザインもめちゃくちゃカッコイイですが、ボードの信頼性も抜群。
2007年にスタートしたデスレーベル史上、最軽量と銘打ったデスマシーンの軽さの秘密はバンブーコア。
ほとんどのスノーボードは木材で作られていますが、デスレーベルは軽量化と剛性を両立させるためポプラとバンブー(竹)をブレンドしました。
さらに、芯材の上からカーボン貼り付けることにより、ブランド史上最軽量を実現したのです。
※バンブーは強度・弾力性があり、衝撃吸収能力にも優れています。
出典:デスレーベル
軽量以外のメリットとしては、外にせり出したエッジがあります。
これは、雪面をスパイクのように掴んでくれるので、高速・高回転のグラトリでもブレることなくアプローチ&ランディングできます。
出典:デスレーベル
形状はデスウィング3と呼ばれる、Wキャンバーに近い構造。
ミディアムフレックスではりがあり、乗りやすい仕上がりになってます。
ノベンバー DESIRE(レディースモデルあり)
ノベンバーDESIRE(ディザイア)といえば、アルペン・テクニカルボードで名高いオガサカ工場が本気で作ったグラトリボード。
出典:ノベンバー
ノベンバーの全モデルの中でも最軽量を誇るディザイアの秘密はFM2コア。
軽さを追求するために、とうとうブランド初となるウッド以外のコアを採用したのです。
FM2コアの採用により、軽さはもちろん、反発力が格段にアップしました。
またフリースタイルボードには珍しく、ビンディング下にプレートを採用。
衝撃吸収に優れたノベンバー独自のプレートは、荒れたバーンでも安定したトリックをサポートしてくれます。
無骨なオガサカらしいハイキャンバーですが、センター〜足まわりのフレックスを柔らかめに設定しているので弾きやすい。
逆にノーズ・テールのフレックスを硬くしているので、高速時の安定感は一切損なわれていません。
かなり乗り手を選びますが、いったん乗りこなすことができれば720も夢ではないです。
モス TOTO BLACK SF(レディースモデルあり)
日本のスノーボードシーンを黎明期から支えていた、歴史あるモススノーボードからはTOTO BLACK SFのご紹介。
モスもオガサカ同様、パウダーボードやテクニカルボードを愚直に作るお堅いイメージのブランドですが、グラトリボードもしっかりラインナップしてくれてますね。
トトブラックSFのコアは、桐をベースにバンブー(竹)を配置しています。
実は、この桐とバンブーがポイントなんです。
桐は日本国内でもっとも軽い木材とされていますが、剛性と反発力を向上させるためバンブーをミックス。(バンブーについては、デスマシーン項で話しましたね。)
またボードのノーズ・テールにカーボンが配置されており、剛性と安定感は抜群。
出典:モススノーボード
キャンバーベースのやや柔らかいフレックス。
ただし、キャンバーの長さが短いので、低速時のフラットバーンでも取り回しが良いです。
シェイプはテクニカルやビッグジャンプでも使用可能なTOTOをベースにしているので、ラントリやパークランでも活躍すること間違いなし。
011アーティスティック ダブルフライ(レディースモデルあり)
日本のグラトリシーンを語るうえで外すことのできない011アーティスティックからは、ダブルフライを紹介したいと思います。
そもそもグラトリボードの代名詞というくらい有名な011ですが、けっして他のメーカーと比べて軽量だったわけではありませんでした。
そのイメージを根底から覆したのが、フライシリーズの登場です。
実際私が展示会でチェックしたときも、フライシリーズは群を抜いて軽量でした。
軽さの理由は、超軽量芯材を使用していることです。
フォームコアと呼ばれるサーフボードに使われている素材を使用することで、011史上最軽量化に成功しました。
フライシリーズといえばXフライが有名ですが、こちらは若干張りが強いため中上級者向き。
この辺は好みの問題もありますが、個人的にはソフトフレックスでクセのないダブルがおすすめですね。
フラットツインキャンバー、レディースのラインナップもあります。
グラトリ初級者から、720回せる上級者まで対応してくれる安定の一枚です。
グレイ TRICKSTICK(レディースモデルあり)
続いては、アルペンボードで有名なグレイが手がける、軽量グラトリボードのご紹介です。
出典:グレイ
トリックスティックは軽量なスーパーライトコアをベースにグラスファイバープレートを組み合わせる事によって、軽量化はもちろん、高い剛性と高速時の安定性を実現しました。
とにかく7500シンタードソールは、ベチャ雪でも板が走る走る(笑)
この辺の滑走性能はアルペンに強いグレイらしいですね。
出典:グレイ
そして、面白いのがこのアクティブキャンバーと呼ばれるシェイプ。(要は可変キャンバーですね。)
通常は接雪点が小さいのですが、加重すると接雪点が広がり安定感が増します。
特に、高速時のグラトリで威力を発揮するシェイプ。
高速でのキレッキレのリバースや、地形を使った低難易度だけどスタイル出まくりなグラトリを得意とするスノーボーダーにおすすめの板ですね。
キャピタ ULTRAFEAR(レディースモデルあり)
キャピタのウルトラフィアーをご紹介します。
このウルトラフィアーは、キャピタのラインナップの中でも最軽量のP2スーパーライトコアを使用しており、軽さと衝撃吸収性は抜群。
また、中央に軽量チタン素材、両脇にケブラー素材を配置しており、軽さと強度の併せ持つボードに仕上がっています。
出典:キャピタ
そもそもケブラーは防弾チョッキなどに使われる素材で、耐久性・弾力性に優れており、グラトリでも安定したアプローチと反発を提供してくれます。
出典:キャピタ
また、フラットキックもキャピタの特徴と言えるでしょう。
図を見るとノーズ・テールのチップ部分が、接雪点から急角度で反っているのがお分かりいただけると思います。
ウルトラフィアーのキャンバー形状は、操作しやすいもののエッジングしづらいので、デメリットを補うために角度を付けて雪面に刺さりやすいようにしています。
ミドルフレックスなので中上級者向きの板と言えるでしょう。
スプレッド LTA-F
最後は、グラトリで有名な尾川慎二プロが立ち上げたブランド、スプレッドLTA-Fのご紹介です。
なんといっても、フラットバーンで900やロデオをメイクしてしまう尾川プロが、何度も試作を重ねて完成させたボードなので性能は間違いありません。
グラトリボードは重量が大事ですが、剛性とのバランスを取るのに苦労したそうです。
実際に取材して軽さやフレックスを体感してきたので、気になる方は下記の記事も参照ください。
→最強グラトリボードスプレッドの魅力やトリック上達のコツを尾川慎二プロに聞いてみた!
ヨネックス(イロドリ)レディースモデルあり
ヨネックスからとんでもないグラトリボードが販売されました。
イロドリはなんと長さ135cmの超ショートレングスボード、今回紹介したボード中でも最軽量のモデルになります。
これだけ短いと板が圧倒的に扱いやすい、特に回転系の技では無敵の軽さです。
プレスやソネ、シャッフル系の技とも相性抜群なので、初乗りからメイクできちゃいます。
ただし、短い分安定性が失われるので、高速や荒れたバーンに弱いのがデメリット。
低速グラトリがメインの初級者や、上級者のセカンドボードとしておすすめです。
まとめ
形状/フレックス | ソフト | ミディアムソフト | ミディアム |
キャンバー | ヨネックス イロドリ(フラットキャンバー)※ | ノベンバー デザイア※ | ヨネックス スタイラーホリック |
ダブルキャンバー | FNTC CAT※ | デスレーベル デスマシーン | |
ハイブリッドキャンバー | 011アーティスティック ダブルフライ※ | ヨネックス アクセ※ | キャピタ ウルトラフィアー※ |
※印はレディースモデルあり。
文中でもさんざんお話しましたが、ボードの重量で大事なのがコア部分。
軽量化するには異なる素材同士ミックスしたり高品質な木材を使用しなければならないので、やっぱり高額になってしまいます。
だから少しでも節約したいなら、昨年モデルを狙うのもアリですね!
ぜひ、今年は軽量ボードで540や720を目指してみてはいかがでしょうか?
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