こんにちは、20年以上スノーボードしている、らくスノです。
先日メールでこんなご質問をいただきました。
■板の幅について
大きめの足の人は板の幅をどの程度気にした方がいいのか、ということです。
私は普段、28もしくは28.5(メーカーによっては29)cmの靴を履いています。
おそらく足の大きい方に入ると思います。
今までは160cm以上で、ある程度太さのあるものを使っていたのですが、今シーズンはちょっと短めを買ってみようかなと考えています。
ただ、短めの板を使うと、幅の関係でターンのときに引っかかっちゃうんじゃないかと不安に思ってしまいます。
そこで上記の質問なのですが、ブーツのサイズと板の幅ってどの程度考慮するべきものなのでしょうか?
私も初めて板を購入するとき、ブーツが横幅からはみ出しているのがとても気になりました。
だってターンするとき雪面に引っかかりそうじゃないですか…
でも大丈夫!結論から言えば、前後2cm程度ならはみ出てもOKです。
- では2cm以上はみ出している場合は?
- カービングするとき雪面に引っかかる場合は?
もちろん解決策はあります。
今回は前半部分でブーツがはみ出しても良い理由を、後半部分でドラグを防ぐ方法についてお話したいと思います。
この記事を最後まで読めば、ドラグの疑問がすべて解決します!
目次
ブーツはボード(横幅)からはみ出してもOK!

冒頭でお話した通り、ブーツは板のウエストからはみ出してもOKです。
「でも、ブーツがはみ出していると、ターンした時に雪面に当たるんじゃないの?」
確かにブーツが板のウエストからはみ出していると、ターンした時に雪面に当たるかもしれないですよね。
そのことを業界用語でドラグ(drag)って言います。(英語で引きずるなんて意味があります)
私が説明するまでもなく、ブーツが雪面に当たると減速やバランスを崩したりと良いことはありません。
「では、やっぱり板の横幅からブーツがはみ出たらダメなんですね?」
いえいえ、基本ブーツは板(横幅)からはみ出て良いものなんです!
というか、普通はみ出すものです。
実際私の板も、ブーツをセッティングするとはみ出してます。
ヒール・トゥそれぞれ2cmくらいはみ出しても問題なし

通常はヒール・トゥ(かかととつま先)それぞれ2cmくらいはみ出しても問題ありません。
私のブーツも2cmほどはみ出してますが、板とブーツの角度を測ってみると約60度でした。
要は60度板を倒さないと雪面に接触しないわけです。

元スノボイントラの僕がこれだけカービングしても、雪面には当たりません。
60度以上ボードを傾けるってかなりカービング技術が要求されますから、少なくても一般ボーダーがそこまで気にする必要はないです。
ドラグを防ぐ5つの方法

では前後2cm以上はみ出している方、バリバリカービングする方はどうすればドラグを防ぐことができるのでしょうか?
■ドラグを防ぐ5つの方法
- バインディングの前後とアングル(角度)を調整する
- プレートでバインディングの高さを底上げする
- 太い板に買い換える
- サイズダウンせずに軽量な板を選ぶ
- ヒールカップの高いモデルを選ぶ
順番にお話していきます。
バインディングの前後とアングル(角度)を調整する

まず大前提として、バインディングやブーツがセンタリング(板の中心に配置)されているか確認しましょう。
当然ながら、バイン・ブーツが前や後に出すぎているとドラグの原因になります。
→日本一分かりやすい!スノーボードバインディングの付け方、外し方教えます

また、バインディングのアングル(角度)を広角にすると、ブーツがはみ出なくなります。
ただし、アングルを変えることによって乗りにくくなっては本末転倒。
あくまで、自分が乗りやすい範囲内で調整しましょう。
→スノボ初心者でも簡単!バインディングのスタンス幅と角度、セットバックの決め方
プレートでバインディングの高さを底上げする

セッティングでの調整が難しい場合は、プレートを入れてみましょう。
上図のように、ボードとブーツの間をプレートで底上げすれば、はみ出る角度が減少するのでドラグ防止になります。
OJKではカービング・アルペン用プレートだけでなく、グラトリ・パークなどフリースタイル用のプレートもラインナップしています。
さらにフレックスを損なわないドラグ防止用プレートも販売しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
太い板に買い換える

スノーボード全日本技術選手権を5
つまり太い板でも十分キレのあるカービングができるということです。
むしろ太い板のほうがカービングしやすいというプロライダーもいます。
最近はモスやグレイ、BCストリームなどが発売するカービングボードでもワイドモデルのラインナップが増えています。
ドラグが気になる方は太いボードを選んでみるもの一つの方法ですね。
サイズダウンせずに軽量な板を選ぶ

パーク・グラトリなどフリースタイル思考の方は基準より短い板を選ぶ傾向にあるので、横幅がはみ出さないか心配ですよね。
ちょっと視点を変えてみましょう。
フリースタイルの場合、板を短くする理由はウエイト(重量)だと思います。
例えば、
- K2 ハッピーアワー
- ライド ヘリックス
- ファナティック/FTCツイン 等
上記のモデルはスイングウエイトを減らすためにテール・ノーズ(板の前後)を肉抜きしてるため、サイズダウンしなくても取り回しが良くなっています。
足が大きくてワイドが心配な方は、サイズダウンせず軽量モデルを選んでも良いかと思います。
軽量な板に関してはこちらの記事も参照ください。
→えっこんなに軽いの!?スノボ歴20年の筆者がおすすめする軽量な板10選
ヒールカップの高いモデルやリアエントリーモデルを選ぶ

出典:フラックス
ヒールカップの高いモデルをチョイスすることで、よりドラグしづらくなります。
たとえばフラックスCVは現行のXFよりヒールカップを高くすることで、カービング時のドラグを低減しています。
ヒールカップが高いと、テコの原理でバックサイドターン(背中側のターン)のレスポンスが良くなるというメリットもありますね。
またフローやSPのリアエントリーバインディングは、元々ヒールカップが無いのでやはりドラグ防止になります。
→リアエントリータイプのバインディングってなに?メリット・デメリットは?
購入時は店舗でブーツを合わせるかブランドサイトを確認

出典:バートンホームページより
「板を購入するときにどのくらいはみ出すか心配なんです…」
当然ブーツをお店に持参して合わせるのが一番安心ですが、「遠くてお店に行けない」「お店に購入したいモデルが売っていない」なんてこともありますよね。
そんなときは、購入したいブランドのサイトを見てみましょう。
ブランドによってはワイドのサイズまでしっかり記載しています。
実際はセッティングするスタンス幅でも変わってきますが、ブーツのサイズから-4cm前後を基準に購入すれば間違いありません。
「ブランドのホームページにも記載がない場合はどうすれば良いのでしょうか?」
私の経験上、ご自身の体型に合わせて購入したボードなら極端にはみ出てしまうことはないです。
不安な場合はブランド(または販売代理店)に直接問い合わせてみるのも良い方法ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最後に今回の記事をまとめてみたいと思います。
①ブーツは板のウエストからはみ出してもOK。
→基本ブーツは板(横幅)からはみ出すもの。
②ヒール・トゥそれぞれ2cmくらいはみ出しても問題なし。
③ドラグを防ぐ5つの方法
- バインディングの前後やアングル(角度)を調整する
- プレートでバインディングの高さを底上げする
- 太い板に買い換える
- サイズダウンせずに軽量な板を選ぶ
- ヒールカップの高いモデルを選ぶ
④購入時は店舗でブーツを合わせるかブランドサイトを確認。
私も初めて板を購入したとき「こんなにはみ出していいのかな~?」なんて疑問に思ってたのに、うっかり記事にするのを忘れてました(笑)
今回メールを頂いたことが記事を書くきっかけになったので、質問者さんには感謝です。
これからも疑問・質問等ありましたらできる限り回答させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事が参考になれば幸いです。
【関連記事】
→スノボ初心者でも簡単!バインディングのスタンス幅と角度、セットバックの決め方
→劇的に滑りやすくなる!バインディングのセッティング方法教えます
→日本一分かりやすい!スノーボードバインディングの付け方、外し方教えます
→これから購入する方必見!スノボバインディングの機能・スペックの違いを徹底解説します!