スノボ板を身長−20cmで選ぶのはウソ!→適正な板の長さは体重基準です

※本ページは広告が含まれています。

こんにちは、20年以上スノボやっている元インストラクターの、らくスノです。

よくハウツーサイトで「板の長さは身長-15〜-20cmで選びましょう」なんて書いてありますよね。

はっきり言います。身長-15〜-20cmで板の長さを選ぶのは嘘です。そもそも同じ身長だからって、体重60kgの人と体重120kgの人が同じ長さの板っておかしいじゃないですか。

スノーボード板は身長ではなく体重基準で選ばなければいけません。

今回はスノーボード板の選び方について、初心者でも分かるように解説したいと思います。さらに記事の後半では、中・上級者に向けて細かいスペックの違いについても解説。

この記事を最後まで読めば、スノーボード板購入で絶対に失敗することはありません!

目次

スノーボード板の選び方は4項目押さえておけばOK!

「スノーボード板はなにから選ぶべきなの?」なんて疑問をお持ちの方も多いと思います。

結論から言えば、選ぶ項目はたった4つしかありません。

  1. ボードの長さ
  2. スタイル
  3. ボードの硬さ
  4. ボードの形状

この順番で選べば、最適な板をGETすることができますよ。もちろん、他にも細かいスペックはありますが、中級者まではそこまで気にする必要はないです。

次項から順番に説明させていただきます。

※記事の後半では、中上級者向けの板選びも解説してます。

適正な板の長さは身長ではなく体重基準

この記事を読んだ方はラッキーですよ!はっきり言います。身長-15〜-20cmで板の長さを選ぶのは嘘です。

プロライダーやイントラさん、日本代表の板をチューンナップしているショップ店長にも聞きましたが、身長で板を選ぶ人なんて一人もいないです。

たとえば同じサイズの船でも、重いほうが沈みますよね。スノボも一緒。体重が重いボーダーが短いボードに乗ると、ターンの時、板が体重を支えられず転倒してしまいます。

逆に体重が軽いボーダーが長いボードに乗ると、体重に対して板が重いのでターンしづらいです。だから体重が重い人は長い板、体重が軽い人は短い板を選びましょう。

適正な長さは体重✕0.8+100という計算式で求められる

「体重で板の長さ選ぶべきなのは分かったけど、推奨サイズはどうやって選ぶの?」

ボードの適正サイズは体重✕0.8+100という計算式で簡単に求めることができます。

ただし、極端な痩せ型、肥満型の方は推奨サイズがないこともあります。(45kg以下または85kg以上)

その場合は、一番近いサイズを選べば問題ありません。

トリックしたいなら短め、ターンだけなら長めをチョイス

長い板短い板
メリット
  • 荒れたバーンに強い
  • パウダーで浮く
  • 高速でも安定する
  • 軽快な操作感
  • トリックしやすい
  • ボードが軽い
デメリット
  • ボードが重い
  • 動きが鈍重
  • トリックしやすい
  • 荒れたバーンに弱い
  • 浮力がない
  • 高速で安定しない

「推奨サイズは152だったけど、ジャストサイズがない。150と154ならどちらを選べばいいの?」

トリック志向なら短め、ターン志向なら長めをチョイスすると良いです。

足のサイズが28cm以上の方はドラグに注意

ちなみに足が大きい方はドラグ(足がボードからはみ出る)のリスクがあります。

ドラグの防止方法については、別記事を参照ください。

スノーボード板のワイド(横幅)からブーツがはみ出ても良いの?ドラグの疑問にお答えします!

板の長さが分かったら自分が目指すスタイルを考える

ターントリック安定感操作
オールラウンド普通
グラトリ・ジブ簡単
カービング難しい
パーク(パイプ・キッカー)普通
パウダーラン普通
オールマウンテン難しい

板の長さが分かったら、自分がどういったスタイルを目指すのかを考えてみましょう。

  • オールラウンド
  • グラトリ・ジブ
  • カービング
  • パーク(パイプ・キッカー)
  • パウダーラン
  • オールマウンテン

インターネットのボードカタログには「カービング向き」「グラトリ向き」等の記載があるので、参考にしてみてください。

You Tubeの動画などを参照しながら、自分の目指すスタイルを考えてみましょう。

特に目的がなければ万能に滑れるオールラウンドをおすすめします。

スタイル別の板の選び方やおすすめボードについては、以下の記事で詳しく解説してます。

スノボの滑り方は5種類!各スタイルの特徴とおすすめ板を教えます

グラトリ志向の方はどんな技をやりたいかで選ぶ

グラトリは主に飛び・回転系、乗り系、ラントリ系の3スタイルがあります。

他のジャンル同様、スタイルに合わせてボードをチョイスすると失敗がありません。目安は以下のとおりです。

スタイルフレックス形状長さ
飛び・回転系ミドルソフトキャンバー/ツイン短め
乗り系ソフトダブルキャンバー/ツイン短め
ラントリ系ミドルキャンバー/ディレクショナル長め

プロライダーの中にはセオリーに当てはまらない板選びをしている方もいますが、最初は上記を目安に購入することをおすすめします。

おすすめのグラトリ板に関しては、以下の記事で詳しく解説してます。

人気ライダーさん達に聞いた!おすすめのグラトリ板16選

板のフレックス(硬さ)は自身のレベルやモチベーションで選ぶ

フレックスとは板の硬さのこと。ボードの「しなり」と言ったほうがわかりやすいでしょうか。

ソフト、ミドル、ハードの3段階があります。(ソフトミドル、ミドルハードなど中間のフレックスもあります)セオリーとしては柔らかい方が操作しやすいです。

初心者の方は、コントロールしやすいソフトフレックスを選ぶと、スノボがより楽しく滑れますよ。

トリック重視の方は、ソフトミドル。カービングやラントリ志向の方は、安定性の高いミドルがおすすめです。

ちなみにハードフレックスはモデル数も少なく、カービングやハーフパイプ・キッカーの超上級者しか使わないので、よほどこだわりがなければ候補から除外していいと思います。

形状の選び方①ツインとディレクショナル

続いてはスノーボード板の形状について、ポイントは2つあります。まず正面から見たときの形状。

さっそく聞きなれない言葉が出てきましたね、ディレクショナルとツイン。

図のように、ボードの中心から左右対称ならツインボード、ノーズ(先頭)が長いならディレクショナルボードとなります。

ではなぜ、ディレクショナルとツインという2種のボードが存在するのでしょうか?それは、操作感が異なるからです。

とりあえずディレクショナルの方がターンしやすい、ツインの方がトリックしやすいと覚えてもらったらOKです。

フェイキーで滑っても乗り心地が変わらない!ツイン

前後対称の板。スイッチスタンス(フェイキー)で滑っても乗り心地は変わりません。操作性こそディレクショナルボードに劣るものの、左右どちらの足を先頭にしても同じ乗り心地で滑ることができます。

パーク・グラトリメインのボーダーにおすすめの形状です。

メインスタンスでの操作性が高い!ディレクショナル

スタンスがテール寄りに設定され、メインスタンスでのコントロールがしやすいボード。実はスノーボードはその構造上、重心が後方にあったほうがコントロールしやすいのです。

スイッチスタンスで滑ることが少ないパウダー・カービング志向の方におすすめ。

バランス型の形状!ディレクショナルツイン

ディレクショナルのコントロール性能は残しつつ、スイッチでも違和感なく滑れる形状です。ラントリやメインスタンスでの滑走が多いグラトラーにおすすめです。

形状の選び方②横から見た形状

さて次は形状の違いについて解説します。キャンバーやロッカーというのは、スノーボードの板を真横から見た時の形状の違いです。

主流はダブルキャンバーとキャンバー、可変キャンバーです。新作ボードの9割以上はこの3つの形状と言っていいでしょう。

ターンオーリー逆エッジ乗りやすさ
キャンバー
ダブルキャンバー
可変キャンバー
  • キャンバーは究極のグリップ力と反発力を有しますが、操作が圧倒的に難しいです。
  • ダブルキャンバーはとにかく操作が楽なので初心者にもおすすめです。ただし、グリップ力が弱いのが難点。
  • 可変キャンバーはグリップ・反発力と操作性のバランスが優れた形状です。

それぞれの形状には一長一短があるので、どれがおすすめとは言えません。ご自身のレベルやモチベーションに合わせて選ぶとよいでしょう。

ボードの形状に関しては、以下の記事でさらに詳しく解説してます。

日本一わかりやすい!スノーボード板の形状や各スペックの特徴を詳しく解説します

中・上級者向け!スペック表で見る正しいスノーボードの選び方

ここからは、スノーボード中・上級者向けの内容になってます。(初心者の方は、ここまで気にする必要ないです。)

中級者までは、前項の通り板の長さ、スタイル、フレックス、形状だけチェックすれば充分だと思います。

でも、より上達したいなら、絶対にスペック表も読めたほうがいいです。

  • 接雪長と有効エッジの違いとは?
  • サイドカーブの深浅で、どうターンが変わるのか?
  • ワイドで乗り心地がどう変化するか?

上記の質問に即答できなければ、おそらく今も適切な板を選べていないはず。

  1. 接雪長・有効エッジ
  2. ウエスト
  3. サイドカーブ
  4. メタル・カーボン

次項からはスペック表でスノーボードを選ぶ方法について解説します。

接雪長を基準にサイズ選び

そもそも、ほとんどの方はサイズ(板の長さ)と有効エッジくらいしか見てないのではないでしょうか。実はスペック表だけで読み取れることがたくさんあります。

まずは接雪長についてお話しましょう。接雪長とは雪面に置いたとき接地している長さのこと。

スペック表ではCONTACT LENGTHとかRUNNING LENGTHと記載されることが多いです。

  • 接雪長が長い…高速時のグリップやターン時の安定性が高い
  • 接雪長が短い…低速時のコントロールが容易

単純に長いほうが良いと思っている方も多いですが、低速時のコントロール性能が劣ります。

だからグラトリやパークメインの方は、短い板のほうが取り回しがいいです。

ボードサイズ(全長)と接雪長の数値の差が少ないとスイングウエイトが軽くなる

■同じ接雪長だった場合の性能差

  • ボードサイズと接雪長の数値の差が少ない…スイングウエイトが軽くなるのでターンの導入や回転系トリックがやりやすい。
  • ボードサイズと接雪長の数値の差が大きい…浮力やスピードレンジが上がる。

そもそも基準がわからないという方は、今持っている自分の板をベースに比べてみましょう。

今持っている板よりもターンの導入や回転を優先するならボードサイズ(全長)と接雪長の数値の差が少ない板、スピードレンジや浮力を優先するなら差が大きいボードをチョイスしてください。

※接雪長の目安は身長(mm)✕0.67でも算出できます。

例)身長1700mm✕0.67=1139mm(接雪長の目安)

有効エッジと接雪長の数値の差が少ないとグリップが早い

有効エッジとはノーズ・テールの一番太い部分をつなぎ合わせた長さのこと。

スペック表ではEFFECTIVE EDGEと表記されることが多いです。

  • 接雪長と有効エッジの数値の差が少ない…エッジグリップが早い
  • 接雪長と有効エッジの数値の差が大きい…エッジグリップが遅い

エッジグリップの良し悪しは完全に好みなので「グリップが遅いからダメなボード」というわけではありません。

ハンマーヘッドはレングスに対して有効エッジを最大限確保するための形状

ハンマーヘッドとは、ボードサイズに対して有効エッジを極限まで確保するために、ノーズを潰したボードのことです。

たとえ同じ有効エッジ長でも、ラウンドトップだとボードサイズが長くなり動きが鈍重になってしまいますからね。

ただし当然ながら浮力が犠牲になるので、ノーズが刺さりやすく深雪・降雪には弱いというデメリットもあります。

ハンマーヘッドをここで語ると長くなるので、詳しくは以下の記事を参照ください。

ハンマーヘッドの特徴やボード選びのコツ教えます!

板のワイドで(太さ)で変わる扱いやすさ

スペック表だと、板の太さはNOSE(WIDE)、WAIST、TAIL(WIDE)と表現されることが多いです。

  • 太い板…浮力がある、ドラグ防止になる、安定感がある
  • 細い板…エッジ切り替えが早い、軽量、扱いやすい

今お持ちの板と比較して「浮力が欲しい」とか「ドラグが気になる」なら太い板を、「扱いやすさ」を求めるなら細い板をチョイスしてください。

ただし、いくらドラグが気になるからといって、あまり板を太くしすぎると鈍重でコントロールがしづらいです。ドラグ対策は他にもありますので、詳しくは別記事を参照ください。

スノーボード板のワイド(横幅)からブーツがはみ出ても良いの?ドラグの疑問にお答えします!

テーパードはターンの導入がスムーズで抜けが良い

よ〜くスペック表を見ると、テールよりノーズのほうが太いときがあります。

これはテーパードと言って、スムーズなターンインと抜けの良さが特徴となっているボードです。

もちろん好みはありますが、個人的にはテーパードはすごく乗りやすいです。特にスイッチを多用しないなら、テーパードの板を検討してみてはいかがでしょうか。

サイドカーブで乗り味を想像する

よくサイドカーブとかRなんて言いますが、カタログではRADIUSと表現されることが多いです。要は板のくびれですね。

8000mmとか8400mmというのはサイドカーブの円周の長さのこと。この数字が小さいほど、小回りが効くボードということになります。

  • Rの数値が大きい…ターン弧が大きい、直進安定性が高い
  • Rの数値が小さい…ターン弧が小さい、オーリー時にエッジが引っ掛けやすい

セオリーでいえばトリックボードはR値が小さく、カービングボードはR値が大きい傾向にありますね。

加速しやすく直進安定性が高いのはRの値が大きい板

ターン弧とともに重要なのが直進安定性です。

  • Rの数値が大きい…加速しやすく直進安定性が高い
  • Rの数値が小さい…加速しづらく直進安定性が低い

なぜカービングボードのR値が大きいかというと、直進安定性が高く加速しやすいのはもちろん、板をしならせることでターン弧を小さくできるからです。

ただし、Rの値が大いボードは扱いが難しいので、ご自身のスキルと相談する必要があるでしょう。

1枚の板で2つ以上のRが存在するボードもある(複合サイドカーブ)

ボードによっては、ノーズ・センター・テールでRの径を変えている場合があります。ダブルサイドカーブ、トリプルサイドカーブなんて言ったりしますね。

たとえば7900-7500mmならノーズよりテールのほうがRが深いので、減速せずにターンインできて後半しっかり曲がってくれるボードだということが想像できます。

このようにサイドカーブをチェックすることで、よりボードの特性が理解できるというわけです。

サイドウォールスラント

サイドウォールスラントはボード側面の角度のこと。

一般的にカービングボードは鋭角、トリックボードは鈍角なことが多いです。

ただし、ボードによってはカービングボードなのに鈍角、トリックボードなのに鋭角なこともあります。

たとえば、

  • ラントリ志向でトリックもやるから鈍角なカービングボードを選ぼう
  • グラトリ用だけど高回転志向だから鋭角のボードにしよう
  • カービング初心者だから鈍角なカービングボードを買おう

…なんて選び方もできるわけです。

とはいえカタログに記載があるのはモスくらいだと思います。もしサイドウォールスラントを比べるなら、直接お店でチェックすることをおすすめします。

メタル・カーボンは振動吸収性が良くなる反面ボードが硬くなる

通常スノーボードはウッドベースですが、ハイエンドモデルになるとメタルやカーボンが入る場合があります。

カーボンは反発や振動吸収性能が高くなり、メタルはボードの強度を上げてより深いエッジラインが刻めるようになります。

しかし、メタル・カーボン入りボードは全体的に硬いため、軽快さに欠けるというデメリットもあります。

値段も高いですしね…(笑)

この辺りもどちらがいいというより好みの問題ですが、イントラレベルでなければメタルやカーボンが無いほうが扱いやすいと思います。

セッティングやブーツ、バインディングとの相性によっても変わる

当然ながら、セッティングやブーツ・バインディングのスペックによっても乗り心地は変化します。

要はボードの性能だけじゃなく、トータルバランスが重要なんですね。

だからギア選びに終わりはないんですよ(笑)

でも、スノーボードギア選びは車のカスタムと一緒。色々なセッティングや相性を試して良し悪しを探すのも、スノーボードの醍醐味ではないでしょうか。

【要注意】パウダーボードだけは板の選び方がまったく違う!

パウダーボードは先が尖っていたり、テールが割れてたりするじゃないですか。当然これらの形状には意味があります。

だからラウンドボードの延長でパウダーボードを選ぶと、購入後に後悔することになるんです…

パウダーボードの選び方に関しては長くなるので、以下の記事にまとめました。パウダーボードを検討しているボーダーさんは、絶対読んだほうがいいですよ!

メジャーから玄人向けまで!おすすめのパウダーボード30ブランド

元イントラが厳選!ジャンル別おすすめの板92選

以下の記事では、

  • グラトリにおすすめの板
  • カービングにおすすめの板
  • ラントリにおすすめの板
  • 軽量な板
  • オールラウンドに乗れる板

…等、ジャンル別のおすすめ板をまとめています。

ボードを探している方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。

元イントラが厳選!ジャンル別おすすめのスノーボード板92選!

まとめ

■ベストなスノーボードを選ぶ4つのポイント

これから購入を予定されている方は、ぜひ上記の基準を参考にしてください。

  1. 接雪長・有効エッジ
  2. ウエスト
  3. サイドカーブ
  4. メタル・カーボン

中上級者の方は、上記のスペックまでこだわると、さらにベストな板を選ぶことができますよ。

店舗にせよインターネットにせよ、購入する前にもう一度今回の選び方のポイントやスペック表の見方を確認してみてくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。