身長−20cmで選ぶのはウソ!元イントラがスノーボード板の正しい選び方教えます!

こんにちは、20年以上スノボをやっている元インストラクターの「らくスノ」です。

よく「スノボ板の長さは身長マイナス15cm〜20cmで選びましょう」なんて言われますよね。

はっきり言います。身長マイナス15cm〜20cmだけで板の長さを選ぶのは間違いです

たしかに、男性なら170cm、女性なら158cm前後の日本人の平均身長付近であれば、この計算でも極端な失敗はしません。しかし、平均身長から外れるほど適正値との誤差が大きく開いてしまうのがこの古い選び方の盲点です。

近年、各スノーボードブランドの公式サイトやYouTubeの解説動画でも、身長ではなく「体重」や「有効エッジ(有効エッジ長)」を基準に選ぶアプローチが最新のスタンダードとして推奨されています。

では、どうすれば本当に自分に合った板を選ぶことができるのでしょうか。

そもそもスノーボードの板は、滑る目的(スタイル)によって長さや硬さの選び方が大きく異なります。まずは自分がグラトリ(トリック)、カービング(ターン)、パウダーラン、パークなど、ゲレンデで何をしたいのか目的を明確にすることから始めてみましょう。

この記事を最後まで読めば、元イントラ独自の視点と最新トレンドを交え、あなたに最高のパフォーマンスをもたらす最適なスノーボード板が必ず選べるようになります。

元イントラでスノーボード専門ライター。数々の有名ライダーと取材経験あり。元々スロープスタイルの選手でしたが、 引退後はカービングやバックカントリーを中心にスノーボードを楽しんでいます。

スノーボードを身長で選んではいけない理由

よく「スノボ板の長さは身長マイナス15cm〜20cmで選びましょう」なんて言われますよね。でも、冷静に考えたらこの計算式は理論的に矛盾しているんですよ。

たとえば、身長185cmの男性がこの基準で選ぶと、どれだけ短く見積もっても165cmの板を選ばなければならなくなります。しかし、一般的なゲレンデクルージングやフリースタイルにおいて、165cmの板は重いしコントロールしづらいし、特別な理由がない限りまず選ばないサイズです。そもそも板自体が相当重いですし、よほど強靭な筋力や高いテクニックがないと扱えるものではありません。

逆に、低身長の方にもまったく同じ矛盾が言えます。身長145cmの小柄な女性に対して、この計算を当てはめると125cm〜130cmの板になりますが、これでは滑走時の安定感が損なわれるため明らかに短すぎます。

つまり、「スノボ板の長さは身長マイナス15cm〜20cm」という定説は、日本人の平均身長の方にしか当てはまらない古い目安なのです。

現在のスノーボード界において、主要ブランドの公式サイトにあるサイズチャートでは、身長よりも「推奨体重(Weight Range)」が最重要ステータスとして表記されています。また、YouTubeの最新ギアインプレッション動画などでも、身長ではなく自分の体重でしっかりと板をしならせられる(コントロールできる)サイズを選ぶことが、上達への一番の近道であると発信されています。

スノーボード板の選び方

ここからは、多くのスノーボードブランドの公式サイトやYouTubeのギア解説動画でも推奨されている「正しいスノボ板の選び方」を基本ステップに沿って解説していきます。

自分に合った最適な1本を見つけるための手順は、以下の4ステップです。

  1. 自分が志向する滑走スタイルを考える
  2. 体重を元に板の長さを決める
  3. 板のフレックス(硬さ・柔らかさ)を決める
  4. 板の形状(キャンバーやロッカーなど)を決める

このあと各ステップを詳しく解説しますが、基本的にカービングの中上級者を目指す方や、ディープパウダーを滑るパウダーライド専門の方以外であれば、この順番で選んでいけば間違いありません。それでは次項から順番に解説します。

自分が志向する滑走スタイルを考える

まずはご自身が志向する滑走スタイル(自分がゲレンデで何をしたいか)を考えてみましょう。

これは「車選び」をイメージすると非常に分かりやすいと思います。たとえば、近所へ買い物に行くだけなのに大型トラックは選ばないですし、逆に荷物をたくさん運びたいのに2人乗りのコンパクトカーは選ばないですよね。スノーボードの板選びもこれとまったく一緒です。滑走スタイルが違えば、選ぶべき板のスペックも180度変わってきます。

現在、主要ブランドの公式サイトやYouTubeの試乗インプレッション動画などでも、以下のようにプレイスタイルを細分化して板の特性を解説するのが主流になっています。

  • カービング:キレのある鋭いターンを楽しむスタイル。
  • グラトリ:平らなバーンでスピンやマニュアルなどの技を繰り出すスタイル。
  • パークラン:キッカー(ジャンプ台)やジブ(レール・ボックス)に挑戦するスタイル。
  • フリーライド(フリーラン):地形遊びやゲレンデ全体を自由なラインで滑るスタイル。
  • パウダーライド:非圧雪エリアやバックカントリーで、極上の浮遊感を味わうスタイル。
  • ラントリ:高速カービングの最中にグラトリの技を織り交ぜる、近年の大トレンドスタイル。

まずは自分がこの中のどれに興味があるのか、軸となるスタイルを1つか2つ絞り込むことが、失敗しないボード選びの第一歩になります。

体重を元に板の長さを決める

スノーボードの板選びにおいて、本当に重要な指標は身長ではなく「体重」や「筋力」です。

なぜなら、滑り手の体重によって滑走時に必要な有効エッジ(雪面を捉えるグリップ力)やパウダーでの浮力が決まるからです。また、スノーボードは「乗る人の重さ」や「足元でボードを踏む力」によって板が綺麗にしなり、それによって初めて高いコントロール性が生まれます。本来であれば個人の筋力も考慮すべきですが、自分の筋力を数値で正確に計測するのは難しいため、基本的には「体重」を一番の目安にすれば間違いありません

近年、バートン(BURTON)やサロモン(SALOMON)といった世界的なメジャーブランドの公式サイトでも、サイズチャート(適正表)の最重要項目として「推奨体重(Weight Range)」を掲載しています。さらに、YouTubeの最新ギア解説動画などでも、身長ではなく体重をベースに板を選ぶことが、逆エッジなどの転倒リスクを減らし上達スピードを圧倒的に早める新常識として発信されています。

板の長さを決める際は、まずは上記でご紹介した目安表をベースにあなたの体重に合う基準の長さを参照してください。そこからさらに、先ほど決めた滑走スタイルに合わせて長さを微調整していきます。

  • グラトリやパークランなど「トリック志向」の方:操作性を高めるために基準より少し短めを選ぶ
  • フリーライドやカービングなど「滑り重視」の方:高速時の安定感とグリップ力を高めるために基準より少し長めを選ぶ

このように体重をベースにしてスタイル別の微調整を行うことで、高身長の方も低身長の方も、理論的な矛盾なく自分に完璧にフィットする板の長さを見つけることができます。

板のフレックス(硬さ・柔らかさ)を決める

フレックスとは板の「硬さ・柔らかさ」のことを指します。

そして、大前提としてスノーボードの板は柔らかいほうが圧倒的に扱いやすいという特徴があります。板が柔らかいと、少ない筋力や不慣れな体重移動でもしっかりと板をしならせることができるため、初心者の方はとりあえず「柔らかい板(ソフトフレックス)」を購入するのが圧倒的におすすめです。

現在は各スノーボードブランドの公式サイトでも、フレックスを1〜10段階の数値で分かりやすく表記するケースが増えています。また、YouTubeのギア試乗レビュー動画などでも「この硬さならグラトリがしやすい」「カービングでバタつかない」といったリアルな解説が定番となっています。

初心者向けの基準が分かったら、次はご自身の滑走スタイルに合わせて、以下の基準をベースに最適な硬さを選んでみましょう。

  • カービング:スピードに負けない安定感が必要なため「ミディアム」
  • グラトリ:プレスなどの技(乗り系)なら「ソフト(柔らかめ)」、高回転の弾き系なら「ミディアム」
  • パークラン:ジブやミニキッカーなら「ソフト」、ビッグキッカーやハーフパイプなら「ミディアム」
  • フリーライド(フリーラン):あらゆる斜面に対応できる「ミディアム」
  • パウダーライド:雪面に沈まず適度なハリを持つ「ミディアム」
  • ラントリ:高速域でのカービングとトリックを両立する「ミディアム」

ちなみに、よほどのハイレベルな上級者でない限り、ガチガチに硬い「ハードフレックス」の板はおすすめしません。わざわざ扱いにくいハードを選ばなくても、一般のボーダーの9割はミドルフレックス(中間の硬さ)で十分に満足のいく滑走性能を体感できるからです。

長さと硬さが決まったら、いよいよ最後のステップである「板の形状(キャンバーやロッカーなど)」を決めていきましょう!

板の形状(キャンバーやロッカーなど)を決める

キャンバーやロッカーというのは、スノーボードの板を真横から見た時の形状の違いのことです。

現在、主要ブランドの公式サイトやYouTubeの最新ギア紹介動画でも、プロファイルの特徴は最重要項目として扱われています。現在のスノーボード界における主流は「ダブルキャンバー」「キャンバー」「可変キャンバー(ハイブリッド)」の3種類であり、今シーズン展開されている新作ボードの9割以上はこのいずれかの形状を採用しています。

それぞれの形状の特徴は以下の通りです。

  • キャンバー究極のグリップ力と圧倒的な反発力を有しますが、エッジが引っかかりやすく操作がやや難しい。
  • ダブルキャンバー:ロッカーとキャンバーの長所を組み合わせた形状で、逆エッジになりにくくとにかく操作が楽なため初心者にもおすすめ。ただし、キャンバーに比べるとグリップ力や反発力がやや弱いのが難点。
  • 可変キャンバー:荷重によって形状が変化し、強力なグリップ力・反発力と扱いやすい操作性のバランスが非常に優れた万能な形状。

それぞれの形状には明確な一長一短があるため、「これさえ選べば絶対に間違いない」という万能な形状は存在しません。そのため、現在のご自身のライディングレベルや、今後の目標、スノボへのモチベーションに合わせて選ぶのがベストな選択となります。

ボードの形状ごとの詳しい特性や、滑走スタイルとの相性に関しては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

日本一わかりやすい!スノーボード板の形状や各スペックの特徴を詳しく解説します

前振りスタンスならディレクショナル、ダッグスタンスならツインチップ

スノーボードには、板の全体のシルエットやビンディングの取り付け位置(インサートホール)の設計によって、大きく分けて「ディレクショナル」と「ツイン」という2つのボード形状(シェイプ)が存在します。

特徴を一言で表すと、ボードの中心から見て前後の形が左右対称に作られているのが「ツインボード」ノーズ(先頭)側がテール(後ろ)側よりも長く作られているのが「ディレクショナルボード」となります。

一般的に、両足のつま先を進行方向に向ける「前振りスタンス」ならディレクショナル、左右のつま先を外側に開く「ダックスタンス」ならツインを選ぶのが、スノーボード選びの王道セオリーと言われています。

しかし、元インストラクターの個人的な意見としては、初中級者の方は形状の違いをそこまでシビアに気にする必要はないと考えています。

なぜなら、各ブランドの公式サイトや最新カタログを見ても分かる通り、近年の新作スノーボードは両者のいいとこ取りをした「ディレクショナルツイン」や「ハイブリッドシェイプ」が主流だからです。プロや上級者が爆速で滑るようなガチガチのカービングボードでもない限り、滑りが変わるほどの極端なディレクショナルボードは、今の市場にはあまり流通していません。

さらに、仮に形状選びを間違って買ってしまったとしても、ビンディングの取りつけ位置を後ろ側にずらす「セットバック」などのセッティング調整によって、滑り心地は後からいくらでも修正可能です。そのため、最初の1本を選ぶ段階でどちらにするか悩みすぎる必要はありません。

ディレクショナルボード特有の詳しいメリット・デメリットや、滑りに与える影響については解説が長くなるため別記事にまとめています。さらに深掘りして知りたい方は、合わせて参照してください。

スノボのセットバックとは→ビンディングを有効エッジの真ん中よりテール側にずらして設置すること

カービングボード選びはドラグに注意!

次にカービング志向の方が板を選ぶ時に注意してほしいのが、「足のサイズ(ブーツの幅)」と「板のウエスト幅(板の一番細い部分の幅)」の関係です。

カービングターンは雪面に対して極端に体を内側へ倒し込むため、板のウエストが細すぎると、つま先や踵、ビンディングのパーツが板の横から大きくはみ出してしまいます。

このようにパーツが外にはみ出していると、ターン中に「ドラグ(雪面にブーツやビンディングが直接接触する現象)」を引き起こし、急激な減速や大転倒の原因になります。他のスペック(硬さや形状など)であればある程度の技術力でカバーすることも可能ですが、このドラグ現象だけはプロライダーや超上級者であっても物理的にコントロールが不可能です。だからこそ、カービングにおいて板のウエスト幅選びはめちゃくちゃ大事なのです。

近年、バートン(BURTON)をはじめとする各ブランドの公式サイトでは、足の大きなライダー向けにウエスト幅が広く設計された「ワイドモデル(Wサイズ)」のラインナップを大幅に拡充しています。また、YouTubeのカービング解説動画などでも、ドラグを防ぐための極太ボード(ショート&ワイドボード)のインプレッションがトレンドになっています。

そのため、今後カービングを本格的に上手くなりたいと考えている方は、自分のブーツサイズに対して板のウエスト幅が十分にあるかを必ずチェックしてください。

実際に足がはみ出るかどうかは、取り付けるビンディングの角度(アングル)や形状によっても変わってきます。スノーボードの板は決して安い買い物ではありません。失敗を防ぐためにも、できれば一度プロショップなどの実店舗で実物を確認することをおすすめします。店員さんに相談すれば、今あなたが持っているブーツやビンディングを実際に板に合わせてドラグが起きないか丁寧に確認してくれます。

ちなみに足元のセッティング(ビンディングの載せ位置やアングル調整、プレートの導入など)を工夫することである程度ドラグを防ぐことも可能です。詳しいセッティングのコツや対策に関しては、以下の記事も合わせて参照してください。

スノボ板の横幅からブーツ・バインがはみ出る…ドラグを100%解消する方法教えます

パウダーボードの選び方!3つのポイント

パウダーボードって、サイズ以外にも形や構造のバリエーションが本当にたくさんあって、ぶっちゃけどれを選べばいいか絶対に迷うと思うんですよね。

星の数ほどある全モデルの中から一つひとつ探していたら、それこそキリがありません。

そこで、20年以上滑り倒してきた僕が、いつもパウダーボードを選ぶときに絶対に外さない「3つのポイント」だけを厳選してお教えしたいと思います!

その3つのポイントがこちら。

  • メインで滑るエリアを考える
  • 板の長さは身長基準ではなく浮力で選ぶ
  • 滑り方に合ったテールの形状を選ぶ

これさえ意識すれば、一気に自分に合う板が絞り込めますよ

メジャーから玄人向けまで!おすすめのパウダーボード13選

まとめ

同じスノーボードとはいえ、グラトリ(トリック)、カービング、パウダーランでは、求められる動きがまったく異なるため「別のスポーツ」と言ってもいいくらいの差があります。

だからこそ、すべての滑り方を同じ一律の基準で選ぶこと自体が間違いなのです。ましてや、昔から言われている「身長マイナス15cm〜20cm」という選び方には、現代の進化したギアの設計において何の新の根拠もありません

近年、各メーカーの公式サイトに掲載されている詳細なスペック表を見ても、スタイルや体重に合わせたボード選びが上達のスピードを劇的に変えることが実証されています。適正なボードに乗ることは、上達への近道になるだけでなく、ゲレンデでの怪我のリスクを減らすことにも繋がります。

ぜひ当記事でご紹介した最新の選び方を参考に、自分の体重や志向するスタイルに最高のパフォーマンスを発揮してくれるピッタリのボードをチョイスしてください!

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ABOUT US
らくスノさん
スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。