最強のモデルはこれだ!スノボ歴23年の元イントラが本気でおすすめするグラトリ用ビンディング14選

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こんにちは、20年以上スノーボード滑っている元イントラの、らくスノです。

「本気でグラトリが上達したいので、おすすめのビンディングを教えてください!」なんて方も多いと思います。

ビンディングはブーツとボードをつなぐ重要なアイテム。

せっかく最高のブーツ・ボードを購入しても、ビンディングが合っていなければ全てが台無しです。

でも、ひとくちにグラトリ用といっても、種類が多すぎてどんなビンディングがいいかわかりませんよね。

今回は知り合いのショップ店長やプロライダーの話、もしくは私が実際に乗ってフィーリングが良かったモデルのみを厳選してチョイスしました。

さらにモデルの紹介だけではなく、選び方のコツについても詳しく解説してます。

この記事を最後まで読めば、グラトリの上達をサポートしてくれる最高のビンディングに出会えるはずです!

グラトリ用ビンディング選び!ストラップで各ブランドの特徴を知ろう

ユニオン系 フラックス バートン系 サロモン
可動域が広い 反応が早い バランス型 バランス型

グラトリ用のビンディング選びで、いきなりアンクルストラップをチェックする方はいないと思います。

実はブランドごとにアンクルストラップの取り付け位置が異なるんですよ。

アンクルストラップの付き方を見れば、そのブランドの特徴を知ることができます。

あらかじめどんなコンセプトで作られているか分かれば、このあとのビンディング選びが楽になるでしょう。

すべてのブランドを紹介するわけにはいかないので、代表的なビンディングブランドであるユニオン、フラックス、バートン、サロモンを例に説明していきます。

ユニオン系は可動域が広くポジションが取りやすい

ヒールカップのさらに外側にストラップがあるユニオン系。(ユニオン以外のブランドも採用してます。)

反応こそ劣るものの、可動域が広く取れるのが特徴です。

サーフィンのように「ビンディングではなく板の荷重で操作しよう」というコンセプトで作られています。

「こきっすんさんやいぐっちゃん、スノボー先生タッキーさんの滑り」といえばイメージしやすいですかね。

グラトリではスタイルを出しやすく、カービング・ラントリではポジションを取りやすい。

柔軟性が高いビンディングといえるでしょう。

フラックスは反応が早い

ユニオン系とは逆に、ストラップがヒールカップの内側に位置するフラックス。

包み込むようにホールドするので、反応が抜群に良いです。

「板だけでなくビンディングでもコントロールしよう」というコンセプトで作られています。

ラマさんやレイトプロジェクトの山本純士プロの滑りをイメージしてもらうと分かりやすいですね。

ただし、足の可動域が限られているので、好き嫌いは分かれると思います。

ちなみにこの構造はフラックスが特許を取得しているため、他ブランドは採用してません。

バートン系はバランス型

ヒールカップにストラップが内蔵されたバートン型。(バートン以外のブランドも採用してます。)

ユニオン型とフラックスの良いとこ取り。

スプレッドの尾川慎二プロや、クロージャの江端翔兵プロをイメージしてもらえば分かりやすいと思います。

可動域とホールド感のバランスが取れたビンディングです。

サロモンはバランス型より可動域が広くなる

サロモンはシャドウフィットという独自のヒールカップを採用してます。

一見するとバートン型に見えますが、ヒールカップが柔らかいので可動域は広いです。

ユニオン系ほどではないにしろ、少し可動域が欲しい方におすすめです。

各ブランドの特徴が分かったら詳細をチェック

コンセプトでビンディングを絞ることができたら、あとは細かい仕様を確認してみましょう。

  1. ハイバック
  2. ストラップ
  3. ラチェット
  4. ヒールカップ
  5. プレート

順番に説明していきます。

①ハイバック

バインディングの背もたれのような部分のことをハイバックと言います。

グラトリ用バインディング選びでも特に重要な部分がこのハイバック。

硬さ(フレックス)

ハイバックは、硬さによってハード、ミディアム、ソフトの3段階に分かれます。

ハードフレックスはレスポンスが良い反面、可動域が狭いため、一般的にはカービング・ラントリ向きとされています。

グラトリでは高回転志向の方でも、ミドルフレックスを選ぶ方が多いです。

また初心者・初級者の方はソフトフレックスのほうが扱いやすいと思います。

素材

アルミ、プラスチック(ナイロンなど)、カーボンがハイバックの主な素材となります。

現在はプラスチックが主流ですが、剛性があり反応が良いとされているアルミ・カーボンも根強い人気があります。

ただし、アルミは重い、カーボンは軽量ですが高価なのがデメリット。

フォワードリーンの有無

フォワードリーンとは、ハイバックに傾斜をつける事によってブーツとの隙間をなくし、レスポンスを向上させるシステム。

ラントリする方の中には、最大角度まで倒す人もいますね。

しかし、フォワードリーンは可動域が狭くなるため、トリック志向の方はあまり使用しない傾向にあります。

もともと機能がないモデルもありますが、初心者・初級者の方なら特に問題ないでしょう。

②ストラップ

出典:フラックスホームページより

左の写真が上位モデル、右の写真が下位モデルですが、クッションやカーブの違いがお分かりいただけると思います。

上位モデルは、極限まで肉抜きされており、足首に合わせるようにストラップがくびれています。

一方、下位モデルはクッションがしっかりしており、くびれもありません。

確かに、レスポンスや軽さでいうと上位モデルに分がありますが、クッションや可動域が無いので足が痛くなるというデメリットも…

実際、いぐっちゃんはストラップだけクッション性の高い他モデルから流用。魔改造してました(笑)

上位モデルだから良いということではなく、ご自身の志向に合ったストラップのモデルをチョイスしましょう。

③ラチェット

【GIF】

ラチェットとは、ストラップを留める金具のこと。

そうです、上下にキコキコやるやつです(笑)

モデルごとに大きな差はありませんが、中には力を入れなくてもスムーズに着脱できるモデルがあります。(バートンやフラックスのバインディングなど)

④ヒールカップ

【GIF】

ヒールカップとは、その名の通りブーツのかかとに当たる部分です。

特に最近のモデルなら各ブランドまったく合わないということはありません。

しかし、心配な方は店頭でご自身が履く予定のブーツと合わせてみることをおすすめします。

私もバインディングを購入する際は、お店にマイブーツ持参してヒールカップに隙間がないかチェックしてます。

店員さんもそういったことには慣れているので、快く応じてくれますよ。

⑤ベースプレート

ベースプレートは足を乗せる部分のこと。

  • ベースプレートが薄い(ユニオン、SP等)…安定感が増す
  • ベースプレートが厚い(フラックス、バートン等)…ターンしやすくなる

ちなみに柔らかいベースプレートはクッション性が高く初心者の方向きとされていますが、このスペックは過度に気にする必要はありません。

また、カントと言ってベースプレートに傾斜をつけたモデルも存在しますが、劇的に滑りやすくなるわけではないので、お好みで選んでください。

ビンディングはサイズダウンでさらに軽量化!

グラトリは自力のみで飛び跳ねるので、できる限り軽量化したいところですよね。

実際、プロライダーでもあえてサイズダウンして軽量化している方もいます。

ただし、サイズダウンでの軽量化は注意すべき点があります。

それは、ブーツとバインディングのサイズです。

私は以前、インターネットでSサイズのバインディングを購入しました。

しかし、すでに持っていたブーツが大きすぎて装着できなかったのです…

メーカーの推奨サイズ内でも、他ブランドだと入らないことがありますからね。

心配な方は、やはり店頭で合わせて見ることをおすすめします。

本気でおすすめするグラトリ用ビンディング14選

価格帯/特徴 軽量 剛性・安定感 高反発 扱いやすい
低価格帯 フライトプロ フリースタイル PR

KING

中価格帯 DS HOLOGRAM

リロード

CARTEL コア
高価格帯 ストラータ

ウルトラ

NOW IPO2

マラビータ

XF  

※ランク別の相対評価。筆者や知人のショップ店員さんの評価を元に作成してます。

今回ご紹介するグラトリにおすすめのビンディングは下記のとおりです。

  1. フラックス PR
  2. バートン フリースタイル
  3. ユニオン フライトプロ
  4. ドレイク KING
  5. SPバインディング コア
  6. NOW IPO2
  7. フラックス DS
  8. バートン CARTEL
  9. サロモン HOLOGRAM
  10. ドレイク リロード
  11. フラックス XF
  12. バートン マラビータ
  13. ユニオン ストラータ
  14. ユニオン ウルトラ

次項から順番に解説します。

グラトリ初心者・初級者におすすめのビンディング

グラトリ初心者・初級者の方は、柔らかいビンディングを選びましょう。

なぜなら「柔らかい=乗りやすい」からです。

たしかに上位モデルと比べるとレスポンスは遅いものの、反応が良すぎると…

  • コントロールが難しい
  • スキルが未熟だと転倒しやすくなる
  • 筋力が必要になる

グラトリ初心者・初級者にはメリットよりデメリットのほうが大きいです。

まずは柔らかいモデルでグラトリのHave Funの部分を知ってから、中上級モデルに移行するのが良いと思います。

フラックス PR

信頼の国内ブランド、フラックスのPRを紹介します。

なんといっても一流ブランドなのに安い!

型落ちやセット購入なら2万円を切る価格は、グラトリ初心者の方には優しいですよね。

もちろん安いだけではありません。

出典:フラックスホームページより

ハイバック自体は柔らかいものの、3方向に伸びた骨組みがしっかりパワーを伝達。

つまり早い力にはレスポンスよく遅い力にはゆっくり反応するので、回転系からプレス系まで思い通りのグラトリが楽しめます。

さらに、見ての通り空洞化による肉抜きでとても軽い!

とりあえず「ビンディングの良し悪しが分からない」という方は、PRを買っておけば間違いないでしょう。

バートン フリースタイル

出典:バートンホームページ

続いては、バートンのフリースタイルを紹介します。

デザインの洗練されたフラックスPRやこのあと紹介するフライトプロより、見た目がゴツくて鈍重そうなイメージですよね(笑)

でも、見た目とは裏腹に軽量で、コントロールが容易なビンディングに仕上がっています。

特にベースプレートやハイバックの剛性が抜群で、荒れたバーンや高速域での安定感は他の追従を許しません。

フリースタイルも型落ちを狙えば2万円以下で購入可能です。

まさにラントリ志向の方にはピッタリのビンディングと言えるでしょう。

ユニオン フライトプロ

フライトの特徴は、このクラスではありえない軽さです。

実際、フラックスPRやバートンフリースタイル等…同クラスのモデルと比べても100g以上軽量!

一般的に初級者向けの安価なビンディングって重いんですよ。

当然ながら軽量化にはコストがかかりますからね…

しかし、そこを逆手にとったのがユニオンのフライトです。

ビンディングの素材となるナイロンの使用量を極限まで抑えコストカット。

結果的に軽量化を実現するというウルトラCを成し遂げたのです。

まぁこれも、ユニオンに技術力があったからできたことですけどね。

出典:ユニオンホームページより

グラトリって強い負荷が加わるので、ビンディングの中でブーツがズレる時があるんですよ。

当然ながら、ブーツがズレてしまってはパワーロスにつながります。

とはいえ、ストラップをあまり強く締め上げてしまうと、すぐに足が痛んでしまう。

しかし、フライトのウルトラグリップと呼ばれるトゥストラップは、足先を包み込むような形状をしているので、強く締めなくてもしっかりフィットしてくれます。

さらに、肉厚ストラップが足首の負荷を分散。

「グラトリを練習してると足が痛くなって困る」なんてボーダーさんにおすすめのビンディングです。

ドレイク KING

KINGはグラトリ入門クラスのビンディングとしては最高峰のモデルと言えるでしょう。

出典:ドレイクホームページより

KINGの特徴は、このクラスでは珍しいアルミニウム製ヒールカップを搭載しているので、ハイバックに頼らずともクイックに反応してくれることです。

それでいて、ソフトハイバックとナイロン/グラスファイバーベースでルーズに乗れる。

もちろん、上達すればハイエンドモデルにも引けを取らないくらいのポテンシャルを発揮してくます。

出典:ドレイクホームページより

また、ストラップのパッドがしっかり入っているので、初級者の方でも練習中足が痛くならない。

フラックスPRやバートンフリースタイルと比べると、ストラップの差は一目瞭然ですね。

グラトリって、どうしても足の甲や足首に負荷が加わるので、長時間練習してると足がしびれてきます。

このストラップであれば負荷を分散してくれるので、体力が続く限り練習ができますね。

グラトリの基礎であるプレス系や、180、360など低回転のスピン技にはもってこいのビンディングですね。

グラトリ中級者におすすめのビンディング

初級者から脱却して、540やコンボトリックを目指すならこちらの項で紹介するビンディングがおすすめです。

540にしてもコンボにしても、

  • エッジング
  • レスポンス
  • 剛性
  • ウエイト
  • フィット感

…等々、初級者モデルよりさらに高次元のビンディングが求められます。

入門モデルからの乗り換え、最初は違和感があるかもしれません。

でも、一旦慣れるとボーダーのポテンシャルを最大限引き出してくれる、そんなビンディングを集めてみました。

SPバインディング コア


リアエントリーメーカーとして有名な、SPバインディングのコアです。

出典:SPバインディングホームページより

リアエントリーとは、スリッパのように後ろからブーツを履くこと。

これにより、ビンディングの装着が段違いに早くなります。

特に、オフトレ施設や滑走距離が短いオープン直後のゲレンデでは最強の機能といえるでしょう。

出典:SPバインディングホームページより

このコアはソフトフレックスで、SPバインディングのラインナップとしてはどちらかといえば入門モデルのような位置づけです。

しかし、ベースはSPバインディングのフラッグシップモデル「スラブワン」とほとんど変わりません。

普通入門モデルっていうと、機能を削って安価に販売するもんなんですが、このコアはほとんどの性能をハイエンドモデルと共有しつつ、実勢価格がスラブワンより1万円も安いというかなりお買い得なビンディング。

出典:SPバインディングホームページより

例えば、このベースプレートは極薄なので、より板のレスポンスを感じやすくなっています。

それでいて、つま先とかかと部分に衝撃吸収EVAパットが配置されているので疲れにくい。

また、ベースやハイバック部分にアルミを使用しているので、剛性があり安定感も抜群です。

ちなみに、SPバインディングに限らずリアエントリーのモデルはヒールカップがありません。

質問サイトなどでは、ヒールカップがないことによる乗り心地の変化を不安視する声もありますが、正直上級者でもなければそれほど気にする必要はないです。

むしろ、リアエントリーとアルミベースのメリットのほうがはるかに大きいと思います。

「硬いハイバックは嫌だけど、グニャグニャで安定感が無いのも嫌い」なんてわがままボーダーにぜひともおすすめしたいモデルです。

NOW IPO2

そもそも、NOW自体歴史の浅いブランドですが、そのデビューは強烈でした。

なにしろ、デビュー元年に発表したモデルが、すでに高い完成度を誇っていたのですから。

出典:NOWホームページより

まず、NOWと言えばスケートのトラックをヒントに開発されたというハンガーシステム!

ネーミング通り、ハンガーのようなベースプレートが図のように可動します。

いわばテコの原理の応用で、支点を作ることによって自身がビンディングを踏む力の何倍ものパワーを得られるわけですね。

IPOは簡単に荷重・抜重できるので、カービングがめちゃくちゃ上手くなります。

もちろんグラトリも、ヒール・トゥにしっかり乗れるのでスピン系の技が驚く程簡単にできますよ。

出典:NOWホームページより

ハンガーシステムのスゴさはエッジングだけでなく、高速時や荒れたバーンでのバタつきも防止してくれることです。

クッション代わりにもなるので、足裏への負担も軽減してくれちゃうすぐれモノ。

出典:NOWホームページより

さらに付属のブッシングを変更すれば、パウダーからアイスバーンまで様々なフィールドを楽しむことができます。

出典:NOWホームページより

また、NOWオリジナルの鋳型成形されたナイロンストラップは、型に素材を流し込んで作られるため縫製が極端に少なく、軽量なうえ強い耐久性を誇ります。

EVA素材なのでつけ心地も優しく、長時間装着しても足が痛くなりません。

NOWバインディングは機能性だけでなく足にも優しい。

特に脚力の弱い方におすすめしたいビンディングです。

フラックス DS

フラックスから歴史ある名機として名高いDSのご紹介です。

軽量のミドルフレックスで、程よい柔らかさのハイバックがオールラウンドに乗りやすい。

出典:フラックスホームページより

ハイバック下部の穴が適度にレスポンスを調整。

スピン系トリックはクイックに弾き、プレス・ボードスライド系のトリックはスローに反応します。

上位モデルは遊びがないので、なんでもかんでもクイックになっちゃうんですよ。

基本プレスやボードスライドでスタイル出すなら、それはもう技術力で見せるしかなかったんです。

DSは、そのあたりの乗り手の未熟な部分を機能でカバーしてくれます。

出典:フラックスホームページより

DSは下部がロッカー構造になっており接地面積が少ないので、板のフレックスを損なうことなくオーリーやプレスがメイクしやすい。

さらに付属のスタビライザーをつけると、より反応がクイックになります。

DSひとつで、低速グラトリから高速カービング・ラントリまでオールラウンドに遊べますよ。

出典:フラックスホームページより

個人的に好きなのが、抜群のホールド感を生むストラップ。

足の甲や足首をぴったり包み込むような形状が、どんな技にもレスポンス良く対応してくれます。

しかもワッフルのような形状で、長時間滑っていても足が痛くなりづらい。

まさにこれから360や540に挑戦してみたいなんて向上心のある方におすすめのビンディングですね。

バートン CARTEL

バートンの裏フラッグシップモデルとも言うべき、永遠のスタンダードcartel。

私も現役時代使用していたモデルの一つです。

そもそもビンディングって横乗りスポーツではスノーボードだけのものですし、本来のフリースタイルという意味では動きを阻害しているのも事実。

実際、ハイバックを使用しないプロライダーもいるくらいです。

とは言え、プロでもない一般人がノーハイバックで板をスムーズにコントロールできるわけありません。

そんな、歯がゆいところを補ってくれるのがカーテルなんです。

出典:バートンホームページ

ベースプレートの剛性は確かですが、それでいてミディアムフレックスのフィールでほどよく遊びがあり、地形をルーズに流したい人なんかはぴったり。

高速ラントリや高回転ばかりがグラトリではありません。

落ち込みのストレートエアで個性的なグラブ決めたり、フラットで体を絞ってスタイル全開なんて最高にかっこいいですよね!

現行のカーテルは、間違いなく洗練されています。

サロモン HOLOGRAM

ホログラムはフィット感、レスポンス、可動域すべてにおいて一級品のビンディング。

今までは、レスポンスをよくするにはハイバックやベースプレートを固くするしかなかったんです。

しかし、ビンディングを固くすることによって遊び(ニュートラルポジション)が無くなったり重量が増すので、初中級者には乗りづらいものでした。

そんな評価を一変させたのがサロモンのホログラム。

ホログラム自体はミディアムフレックスですので、普通に考えるとハードフレックスのようなレスポンスは期待できません。

また、デザインも一見すると特に変わったところはないのですが、実はとても計算高く機能が仕組まれています。

出典:サロモンホームページより

まずはサロモン独自のSHADOW FITテクノロジー。

ヒールカップがグニャッと曲がるほど柔らかく作られています。

このテクノロジーにより包み込むようなホールド感、360度の動きに柔軟に対応できるレスポンスを実現。

出典:サロモンホームページより

また、ヒールカップに2本のワイヤーのようなものが見えますよね。

このケブラークイックワイヤーにより、ハイバックやストラップの動きをパワーロスなくトゥまで伝えてくれます。

出典:サロモンホームページより

さらに、このハイバックの形状をみて、玄人の方はニンマリしたことでしょう(笑)

前後のエッジングはもちろん、トーション(ねじり)の動きにもクイックに反応してくれるよう設計されているのです。

グラトリはキッカーやジブ以上にトーション使いますから、”ねじり”の反応が良いのは大事な要素なんですね。

しかし、基本はあくまでミディアムフレックスなので、中級者にも扱いやすく仕上がっています。

特にプレス系やシャッフル系のトリックで真価を発揮するビンディングと言えるでしょう。

ドレイク リロード

私の大好きなライダー、You Tube「スノボー先生」のタッキーこと瀧澤憲一プロが使っているビンディングです。

そもそもドレイクって、王道のバートン、フラックス、ユニオンとは違う独自路線をひた走ってるとこが好きなんですよね。

このリロードも独自のテクノロジーがたまらないです。

出典:ドレイクホームページより

テーマはずばりツールレスで自在な調整機能!

なんとヒールカップの位置をツールレスで調整できるのです!

「前日に散々セッティングしたのに、実際乗ってみたらイメージと違う」なんてときあるじゃないですか。

リロードならいちいちドライバーを出さなくても、その場で調整が可能です。

さらにハイバックもローテーション可能なので、午前中は高速カービング、午後は低速グラトリなんてまったく違う遊び方がこれ1台でできちゃいます。

出典:ドレイクホームページより

また、アシンメトリーに成形されたアンクルストラップも革新的!

なんと、ストラップを入れ替えることで、同じビンディングで異なる乗り心地を体験できるのです。

たとえばルーズなセッティングにすれば、ひざを内側に入れやすく、ダックスタンスでもキレのあるカービングができるようになります。

出典:ドレイクホームページより

カントが入ったベースプレートも2種類の硬さが用意されているので、購入したらいろいろなセッティングを試したくなりますね。

リロードは540をはじめとする回転系から、スローなプレストリックまで万能にこなすポテンシャルがあります。

低速グラトリ、高速グラトリ、回転、プレス、シャッフル、カービング…様々なライディングを楽しみたい方にオススメの逸品です。

グラトリ上級者におすすめのビンディング

回転数で言うとフラットで720回すような上級者御用達のビンディングを紹介します。

本来おすすめする立場でこういうこと言うのもあれですが、はっきりいって乗りづらいです。

車で例えると分かりやすいと思います。

スポーツカーより軽自動車のほうが小回りきくし運転しやすいですよね。

ビンディングも一緒。上級者モデルはHave Funとは程遠いので、生半可な気持ちで購入すると後悔するでしょう。

でも「向上心を持って乗り続けたら確実にレベルアップさせてくれる」そんな最強のビンディング達です。

フラックス XF

フラックスの最上位モデルのひとつ、XFをご紹介します。

高回転のグラトリや、カービングを織り交ぜたラントリ向きのモデル。

なんと言っても、XF最大の特徴は圧倒的なレスポンスでしょう。

出典:フラックスホームページより

高回転やラントリというと、固めのハイバックをイメージしますよね。

しかし、ハードフレックスは足の自由度を極端に奪い、かえってスタイルが出しづらくなってしまうのです。

その点、XFはほどよくしなるミドルフレックス。

縁どられた厚みが、前後左右の動きにクイックに反応してくれます。

出典:フラックスホームページより

さらに背もたれの部分に段差が見て取れると思います。

これはひざを落としたとき、自然に内股になるよう設計されたものです。

また黒いクッションは、トーションの動きに対して高いレスポンスを発揮してくれます。

上級者になるほど、ターンやジャンプ踏切時のトーションは重要になってきますからね。

XFなら、荒れたバーンでも安定感が抜群です。

出典:フラックスホームページより

XFに限らずフラックス全般に言えるのが、フォワードリーンやローテーションの自由度が高いことです。

しかもツールレスで、その場で簡単に調整できる。

たとえば、午前中は前振りにしてカービング、午後はダッグにしてグラトリを楽しむなんてこともできます。

この辺りの機能も、上級者には嬉しいところではないでしょうか。

出典:フラックスホームページより

とはいえレスポンスは最強ですが、はっきり言って上級者じゃないと乗りこなせません。

私は始めてこのシリーズに乗ったとき、コケまくりました…

とにかく反応がクイックすぎるので、ちょっと加重が強いだけで簡単にコケます。

はっきり言って、よほど向上心が無いとスノーボードが一気に嫌いになるビンディングです(笑)

このビンディングを乗りこなせたら、相当うまいと思いますよ。

540以上の高回転はもちろん、高速カービングからのラントリやクイックなリバース系トリックでそのポテンシャルをいかんなく発揮してくれます。

まさにグラトリ上級者におすすめしたい逸品です。

バートン マラビータ

ご存知スノーボード界の雄、バートン上位モデルのビンディングです。

マラビータの特徴は、なんといってもヒールハンモックでしょう。

出典:バートンホームページ

横から見れば一目瞭然。ハイバックが二重になってますよね。

これ何がすごいかって、弱い力と強い力を自在に使い分けることができるんですよ。

硬いハイバックって高速時や高回転のグラトリには威力を発揮しますが、その分遊びがないのでコントロールが難しい…

その点、マラビータなら弱い力には内側のハイバックが、強い力には外側のハイバックがそれぞれ反応するので、どんな地形・スピードでも自由自在に板を操ることができます。

このハイバックなら、720をはじめとする高回転からスローな低回転トリックまで万能にこなせます。

出典:バートンホームページ

左右非対称のストラップもマラビータの特徴の一つです。

前述のヒールハンモックと相まって、抜群のフィット感を実現。

特に高回転や高速カービングなどクイックなモーションに真価を発揮します。

出典:バートンホームページ

フォワードリン、ローテーションの調整ができるので、様々なライディングに対応。

しかも、クセがなく乗りやすいのに、とてつもないポテンシャルを発揮してくれます。

上級者ならリフト1本目から自由にコントロールできますよ。

本当に、マラビータに慣れると他のモデルは難しくて乗り換えることができません。

国内外のトッププロが使用している名機。

高速フリーランやグラトリで720回しちゃうような上級者におすすめしたいモデルです。

ユニオン ストラータ

フラックス、バートンと並びビンディングブランドとしては超有名なユニオン。

私はこの3ブランドを勝手にビッグ3と呼んでます(笑)

ユニオンからは、グラトリ用としても大人気のストラータをご紹介。

ユニオンの軽さは昔から有名で、今でも軽量ビンディングの代名詞です。

特にストラータは、カーボンこそ使用していないものの、肉抜きされたハイバックにストラップも最低限のクッションだけ。

なにより、他のブランドでは当然のようについているストラップカバーが無いいさぎよさ。

確かにカバーがなくてもライディングに影響はありませんが、軽量化のためにここまで徹底しているのです。

出典:ユニオンホームページより

誤解を恐れずにいうと、ビンディングは板の動きを阻害するものなんです。

でも、ストラータはミニディスクを採用しているので、板に接している面積がわずか5%。

これによりフレックスを損なうことなく、板のポテンシャルを十分引き出すことができます。

出典:ユニオンホームページより

ユニオンはアルミニウム・ヒールカップを採用していることでも有名です。

たかがヒールカップと侮るなかれ、例えば体重60キロの男性がスノーボードを滑ると両足に30キロづつ負荷が加わるわけです。

さらにトリックをするとそれ以上の負荷になるのは容易に想像できますよね。

剛性が低いとその負荷に耐え切れず、きしんだりよれたりしてライダーのパフォーマンスを板に伝えることができません。

その点、金属であるアルミニウムであればパワーロスなく板へ伝達してくれます。

わかりやすいハイバックやストラップに目が行きがちですが、実はヒールカップを含むベースプレートの剛性ってすごく重要なんですね。

以前ストラータは壊れやすいなんて噂もありましたが、全然そんなことないですよ。

少なくとも、私は3シーズン使ってノートラブルでした。

540からバター系、ソネやシャッフルまでオールラウンドにこなせるバランスの良いビンディングです。

ユニオン ウルトラ

ユニオンが続いてしまいますが、ウルトラを紹介しないわけにはいきません。

COWDAYのグラトリフィルムコンテストでいぐっちゃんなど並み居る強豪を抑えて優勝した、こきっすんさんがメインで使っているビンディングです。

そもそも数年前に登場した新しいモデルなんですが、発売した瞬間から一気に話題になりました。

スノーボードギアカタログでも常にランキング上位になる人気っぷりです。

出典:ユニオンホームページより

ウルトラのすごいところ、皆さん口をそろえて言うのが足裏感覚に優れているということです。

ベースプレートが薄いうえに広いので、より繊細なコントロールができるんですよ。

たとえばF1のドライバーってものすごく細かいアクセルワークしているじゃないですか。

グラトリも一緒で、上級者になるほどコンマ何ミリの操作感を大事にします。

ウルトラはアンクルストラップの可動域と相まって、エッジ、フレックス、トーション等…微細にコントロールできるのです。

出典:ユニオンホームページより

ウルトラの操作性の高さの秘密はベースプレートだけではありません。

たとえばハイバックは4層になっていますが、中心部分にシェルが重なっているのが分かると思います。

これは弱い力に対してはハイバック全体で、強い力にはハイバックのコア部分で反応するようにできてます。

つまりハイバックへの力のかけ方で、より繊細にコントロールできるようになっているんです。

出典:ユニオンホームページより

アンクルストラップも基本的にはハイバックと同じ多重構造です。

いかにウルトラのコントロール性能が高いか、視覚的にもお分かりいただけたと思います。

はっきりいってビンディング全体に多重構造を施しているモデルは他にありません。

ハイバックにかける力を使い分けるには相当な技術が必要ですが、一度ものにできれば最強のビンディングとなることでしょう。

グラトリに最適な取り付け角度

左足 右足
平間和徳プロ(ラマさん) 36度 27度
瀧澤憲一プロ(レイトプロジェクト) 12度 ー12度
尾川慎二プロ(スプレッド) 6度 ー6度
谷口尊人さん(ピーカンファクトリー) 21度 ー9度
いぐっちゃん 15度 ー12度
神保賢一(ノベンバー) 12度 ー12度
菅谷佑之介プロ(スプレッド) 27度 18度

※アングルはこまめに変えるものなので、常にこの角度であるとは限りません。

いざグラトリ用のビンディングが決まっても、どんなアングルがベストか迷うところですよね。

というわけで、グラトリで有名なライダーさんのアングルをまとめてみました。

表を見れば一目瞭然、実はプロライダーさんでもアングルに法則は無いんですよ。

だから「この角度がベスト!」というアングルは存在しません。

まずは自分が目指したいスタイルのプロや、スノボ系インフルエンサーさんの角度を真似てみることをおすすめします。

スノボ初心者でも簡単!バインディングのスタンス幅と角度、セットバックの決め方

グラトリにおすすめの板

グラトリの板選びに迷っている方も多いのではないでしょうか?

  • 柔らかい板がグラトリ向きって聞いたけど?
  • 高回転を目指すなら軽い板がおすすめなの?
  • 上達するには有名な011とかライス28に乗るべき?

上記はすべて誤り。

インターネットやSNSでは、残念ながらこういった誤った情報が流れているのも事実です。

ご自身のスタイルに合った正しいボード選びをしないと、上達の妨げになることも…

とにかくグラトリが上手くなりたいなら、ボード選びは慎重にしなければなりません。

下の記事では、知人のイントラやプロショップ店長、プロライダーさんの話をもとに選び方のコツやおすすめのグラトリボードを紹介してます。

スノボのプロ達が教える!グラトリ板の選び方とレベル別おすすめモデル

グラトリにおすすめのブーツ

ビンディング選びとともに気になるのがブーツではないでしょうか。

どれだけ良い板、良いビンディングを使っていても、ブーツが悪ければ意味を成しません。

特にブーツは直接体に触れるギアなので、選び方を間違えるとパフォーマンスが一気に悪化します。

でもご安心あれ!

下の記事ではグラトリ用ブーツのおすすめモデルはもちろん、選び方のコツ・注意点についても詳しく知ることができます。

グラトリを極めたい方は、この記事と合わせて参照いただければと思います。

本気で上達したいならこれ!ベテランスノーボーダーが本気でおすすめするグラトリ用ブーツ10選

ビンディングの型落ちモデルを探すならグーグルショッピング

スノボビンディングの型落ち品を探すなら、グーグルショッピングが便利!

たとえば「ブランド モデル名 年式(昨年がベター)」と検索すると、様々なショッピングサイトのビンディングが表示されます。

例)フラックス XF 2021

さらにカラーや価格でも絞り込みができるので、自身のレベル・スタイルに合ったビンディングがお得に買えちゃいます。

型落ち品の探し方については下の記事にまとめていますので、気になる方は参照ください。

安く買うなら型落ちモデル!スノボギアの旧品を探すコツ・注意点教えます

まとめ

価格帯/特徴 軽量 剛性・安定感 高反発 扱いやすい
低価格帯 フライトプロ フリースタイル PR

KING

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私の経験や試乗会、はたまたショップや友人の評判まで総合しておすすめのグラトリ用ビンディング11モデルを特集してみました。

今回も気合を入れて書いたので、ブログ記事にはあるまじき文庫本20ページくらいの文字数(笑)

でも、お役に立てる記事だとは自負していますので、みなさんのビンディング選びの参考になったら嬉しいですね。

そして、なにより一番大事なことは練習です。

いくら良い道具を買っても、練習しなければ乗りこなせるようにはなりません。

買って満足ではなく、最強のビンディングを購入したら速攻ゲレンデへGOですね(笑)

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ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。