こんにちは、20年以上スノーボード滑っている、らくスノです。
この記事にたどり着いたということは、今グラトリ用のブーツをお探しの方も多いと思います。
しかし、他のギアと違い、グラトリのブーツ選びは難しい…
「SNSではバートンのブーツが評判なので、ネットで購入する予定です!」
「柔らかいブーツがグラトリ向きなんですよね?」
「グラトリ用に軽いブーツを探しています!」
上記の選び方はすべて間違い。
スノーボードブーツは選び方を間違えると必ず失敗します。
でもご安心あれ!
この記事を最後まで読めば、グラトリブーツのおすすめブランドはもちろん、選び方のコツ・注意点についても詳しく知ることができます。
目次
評判が良くても必ず試着する

おすすめモデルを紹介する前に、これだけは言わせてください。
スノーボードブーツは必ず試着してから購入しましょう!
こういうブログやっているので、本来は「おすすめだから、今すぐ買わなきゃ損!」なんて煽らなきゃいけないんですが…そんな無責任なことはできません。
今回のおすすめモデルは、あくまでブーツが足にフィットしている前提で紹介してます。
試着もせずに「らくスノさんが勧めてたから買ったのに、ぜんぜん良くなかった!」という評価はやめてください(笑)
「同じ靴サイズの友達もそのモデルのブーツ履いてるし…」
たとえ同じ靴サイズでも、人によって甲高だったり扁平だったりしますよね。
特に海外ブランドは甲高に作られているので、人によってはまったく合わないこともあります。
だから、最終的にその人に合っているかどうかは、履いてみるしかないのです。
ボードやビンディングと違い、評判の良いブーツが自分にとってベストとは限りません。
あなたに合うブーツが、すなわちベストなブーツ。
特にグラトリやるんだったら、ブーツが合ってないのは致命的です。
どこで購入するにしても、失敗したくなかったら必ず一度試着してくださいね。
ビンディングとブーツの相性・サイズ違いに注意

ビンディングとブーツには少なからず相性があります。
最近は「ブランド違いでまったく合わない」ということは減りましたが、それでも中にはヒールカップに隙間ができたり、かかと・つま先が大きくはみ出してしまうことも…
特にメーカーごとのS・M・Lのサイズは要注意。
同じサイズのブーツを購入しても、ブランドが変わるとバインディングに入らないなんてトラブルがあります。
相性・サイズが気になるなら、ご自身が使っているバインディングを直接お店に持参して、購入予定のブーツと合わせてみましょう。
ボード・ビンディングとブーツのフレックス(硬さ)には相性がある

ボード・ビンディングとブーツのフレックス(硬さ)にも相性があるのをご存知でしょうか。
【ボード・ビンディングとブーツの相性】
硬いブーツ | 柔らかいブーツ | |
硬いボード・バイン | ◎ | ✖ |
柔らかいボード・バイン | ○ | ◎ |
一般的に硬いボード・ビンディングと柔らかいブーツの組み合わせはNG。
それこそ、スポーツカーに軽自動車のエンジン載せるようなもの。
グラトリをメインとするなら、フレックスの相性にも注意しましょう。
ブーツの硬さは目指すスタイルで決める

トリックを習得するうえで大事なのがブーツの硬さ(フィール・フレックス)ですが、グラトリ用は通常のブーツ選びと勝手が異なります。
一般的には、初心者は柔らかいブーツ、上級者は硬いブーツというのが定番です。
しかし、グラトリ用ブーツの場合、自分が目指すスタイルでフレックスが決まります。
【ブーツの硬さとスタイル】
ソフト | 低回転、プレス、低速グラトリなど |
ミディアム | 540まで、万能に遊びたい |
ハード | 540以上の高回転、ラントリなど |
たとえばハードフレックスのブーツだと、高回転はともかく、体をひねったり曲げたりといったスタイルの出し方は不得手です。
まぁソフトフレックスで720メイクする猛者もいますが(笑)
グラトリ用ブーツは、目指すスタイルを基準にブーツのフレックスを選ぶことをおすすめします。
重量をブーツ選びの基準にしてはいけない

グラトリ専用ギアを選ぶにあたって、とにかく軽量なギアを揃えたくなる気持ちは分かります。
しかし、ボードやビンディングはともかく、ブーツだけは重量を基準にしてはいけません。
しつこいようですが、一番大事なのはフィット感。
- トゥ(つま先)に荷重した時にかかとが浮かないか?
- 足の甲はしっかり固定されるか?
- 圧迫される箇所はないか?
- 自分のスタイルに合ったフレックスか?
そもそも、最近のモデルで極端に重いものはありません。
ブーツの重量は特に気にしないでくださいね!
グラトリにおすすめのブーツ10モデルご紹介します
今回ご紹介するのは、以下の10モデルになります。
- バートン ION
- バートン RULER
- ディーラックス ID
- ディーラックス DEEMON
- ライド FUSE
- K2 MAYSIS
- サロモン LAUNCH
- ノースウェーブ EDGE
- ヘッド ONEBOA
- バートン MOTO
知り合いのショップ店長やプロライダーの話、もしくは私が実際に使ってフィーリングが良かったモデルのみを厳選してチョイスしました。
次項から順番に説明いたします。
バートン ION
フレックス:ハード
レベル:上級者
王道中の王道、バートンION(アイオン)のご紹介です。
バートンの最上級モデルにして、多くのプロライダーも愛用するベストセラー。
グラトリに限らず、キッカー・カービング等様々なシーンで活躍してくれるブーツです。

出典:バートンホームページ
バートンIONは、とにかく軽量でフィット感も抜群。
グラトリの大敵である”かかと浮き”も一切感じさせません。
また、足裏のフィーリングが良く、それでいてクッション性も優れています。
足が踏み込みやすいオートカントもバートン独自のシステム。
正直、私はクイックレースはあまり好みではなかったのですが、17-18シーズンからはBOAも登場して、様々なユーザーのニーズに対応できるようになりました。
固めのフィールなので中上級者向きですが、カービングやリバースターン、540、720を極めたい方には最適のブーツと言えるでしょう。
バートン RULER
フレックス:ミドル
レベル:初級者~
同じくバートンのルーラーをご紹介します。
こちらも、グラトリで使っているボーダーが大変多く、人気のあるモデルです。
ルーラーはIONのフィット感やクッション性を継承しつつ、ミドルフレックスなのでグラトリ初級者の方でも扱いやすいブーツに仕上がっています。

出典:バートンホームページ
またワイドモデルがラインナップされているのも、バートンならではの心遣い。
扁平足が多い日本人の足にもしっかり馴染んでくれます。
なんといっても、IONより実勢価格で1万円も安いのは魅力的ですよね。
また、硬いブーツは体をひねったり曲げたりのスタイルが出しづらいので、あえてルーラーを履いているグラトリ上級者もいるくらいです。
IONと同じくBOAタイプもラインナップされているので、360や540を目指すボーダーにおすすめですね。
ディーラックス ID
フレックス:ソフト
レベル:初級者~
続いては、ディーラックスIDをご紹介します。
こちらもグラトリユーザー御用達のモデルとなっております。
このIDはとにかく柔らかいのでスタイルが出しやすい!
プレスってただ足を上げるだけじゃなくて、体重の乗せ方でも見た目が変わってきます。
でも、IONのようにブーツが硬いと、反応が良い反面スタイルが出しづらい。

出典:ディーラックス
IDはソフトフレックスなのでスタイルを出しやすく、それでいてレスポンスも優れています。
「ソフトフレックスなのにレスポンスがいい?」
そうなんです。
本来「ソフトフレックスだと反応が悪い」というのがスノーボードブーツのセオリーですが、IDの場合、パワーベルトによりフレックスの調整ができます。
パワーベルトを締めれば高回転やシャッフル、逆に緩めればプレスやグラブといったトリックに対応してくれます。

出典:ディーラックス
さらにかかと部のヒールカウンターが超高反発なフレックスを可能にしました。
要はバネの原理と一緒ですね。
この機能により、クイックな動きに弱いというソフトフレックスの弱点を克服したのです。

出典:ディーラックス
そして、ディーラックスの真骨頂といえば、サーモインナー(熱成型)でしょう。
自分の足型通りにインナーブーツを成型することで、どんなボーダーにも最高のフィット感を提供できるようになりました。
→持参成型可能ショップ一覧(ディーラックスホームページより)
高回転というより、地形を使った180やスタイル出まくりのプレストリックで真価を発揮するモデルですね。
ディーラックス DEEMON
フレックス:ミドル~ハード
レベル:中級者~
ディーラックスからもう一つ、看板モデルのディーモンをご紹介。
いくらIDのレスポンスが良いとはいえ、ソフトフレックスである以上限界はあります。
カービングやリバースターンなど、高速でのグラトリを多用するライダーはもっと反応が欲しいのも事実。
そんな方にオススメなのがディーモンなんです。

出典:ディーラックス
IDと比べるとフレックスも固めなので、ヒール・トゥの反応が抜群。
でも、ブーツが硬いと足が痛くなるじゃないですか…
ディーモンは足首とふくらはぎ部分は曲げやすいように縫製されているので、長時間滑走しても足への負担が少ない。

出典:ディーラックス
ディーラックスにはもう一つエンパイアという上位モデルがあります。
たしかにライダーさんでもグラトリでエンパイアを使っている方はいますが、遊びがないので一般ボーダーがフラットで扱うのは難しいかなぁというのが個人的な意見です。
でも、ディーモンはパワーベルトや足首のレースでフレックスを調整できます。
カービングやラントリ・高回転はもちろん、低速でのグラトリでも遊べちゃう自由度の高いブーツ。
中級以上のグラトラーに履いて欲しい逸品です。
ライド FUSE
フレックス:ミドル~ハード
レベル:中級者~
ライドから、フラッグシップモデルであるフューズのご紹介。
フューズの特徴は、BOAとシューレス(ひも)を融合した独特の締め心地です。
たしかに、シューレスは細かい締め分けができるので愛用者が多いですが、装着に時間がかかるうえ相当な力が必要。
だからシューレスって聞いた瞬間、ほとんどのボーダーは買わないと思うんです(笑)

出典:ライド
しかし、フューズの場合、一番力が必要な足首部分をBOAが締めてくれるので装着も簡単。
さらには、BOA一つでシューレスの弱点であるひもの緩みも防いでくれます。
高速ラントリならキツめ、初心者コースを低速で流すなら緩めという具合に締め分けることも可能ですので、まさに万能型のブーツと言えるでしょう。
フィールは若干硬めなので、中上級者におすすめしたい逸品です。
K2 MAYSIS
フレックス:ミドル
レベル:初級者~
私が現役を引退してからメインで使っていたのがK2、とりわけメイシスには長い間お世話になりました。
世界でもっとも売れているダブルボアブーツといわれるメイシスは、抜群のフィット感が特徴。

出典:K2ホームページ
とりわけコンダと呼ばれる、外側からインナーブーツの足首を締めるシステム。
これが本当に最高なんです!
いくらアウターブーツをキツく締めたところで、インナーが緩いとかかと浮きの原因になります。
当然のことながら、かかとが浮くとバインディング・板に上手く力が伝わらず、ライディングの妨げになります。
その点、コンダシステムなら、外側からインナーの足首を簡単に締めることができるので、かかと浮きとは無縁。
メイシスはワイドモデルもラインナップされているので、幅広な足型の方でも安心して購入できますね。
サロモン LAUNCH
フレックス:ソフト~ミドル
レベル:初級者~
サロモンのフリースタイルブーツローンチのご紹介です。
ローンチの特徴は、ストレートジャケット機能ですね。

出典:サロモンホームページ
前項のK2と同じく外側のBOAを締めることで、インナーの足首を固定することができます。
さらにBOA以外にスピードレースやシューレスモデルもあるので、K2のメイシスよりも汎用性が高いのが特徴です。
どちらのブランドを選ぶかは個人の足型次第ですが、どちらかといえばK2は細身、サロモンは幅広な作りをしています。
よりフィット感やレスポンスを求めたい方はメイシス。
偏平足気味、他ブランドのブーツで足が痛くなった経験がある、ほどよく遊びが欲しいなんて方はローンチがおすすめですね。
ノースウェーブ EDGE
フレックス:ソフト
レベル:初心者~
つづいては、ノースウェーブのエッジを紹介したいと思います。
なんといっても、グラトリ界で有名なタッキーさんこと瀧澤憲一プロが使用するモデルとして有名です。
チャンネル登録者数10万人超のYouTubeチャンネル「スノボー先生」や、FNTCのライダーとしても活躍されてますね。
エッジの特徴は、ずばりコストパフォーマンスが高いこと。

出典:ノースウェイブ
CAB5と呼ばれるヒールのホールド感に特化したノースウェイブ独自のシステムで、かかと浮きを防ぎます。
しつこいようですが、スノーボードでかかとが浮くのは致命的ですからね。
さらに、ソールが柔らかく、雪面に合わせた繊細な操作が可能です。
…でも、正直似たようなシステムは、前述のルーラーやディーモンでも採用してます。
それだけなら、わざわざノースウェイブを買う理由がありません。
しかし、エッジはルーラーやディーモンよりも実勢価格で5千~1万円も安い!
本格的なブーツの割に値段がリーズナブルなので、初心者の方にもおすすめなんです。
まぁ初級者向きとはいえ、タッキーさんは普通にキレッキレのカービングやリバースターンやってますからね(笑)
相当なポテンシャルを秘めたブーツですよ。
ヘッド TWO LYT BOA
フレックス:ソフト
レベル:初心者~
ヘッドからは、エントリーモデルのトゥーLYTボアを紹介したいと思います。
その名のとおり、ダイヤルで締めるタイプのブーツ。
実はこのモデル、スノーボードフェアや量販店でよく見かける入門ブーツなんですよ。
で、そんなに安価で大量に売ってるトゥーLYTボアってどんなもんかと試着しました。
→スノーボード天国と冬スポの違いは?どちらのほうが安い?現地に行って比較してみた
まぁしょせん初心者モデルだからなんて舐めていたら…めちゃめちゃしっかり締まる!
かかと浮きもありません。

出典:ヘッド
さらにブーツが内側に向かって傾斜していますが、実はボードを踏みやすいように設計されたデザインなんですね。
このコンフォートカフシステムによって、初心者の方でもしっかりエッジングができるようになります。
軽量なのに安価、エントリーモデルの枠に収まりきらないくらい完成度の高いブーツ。
「去年はだいぶ滑れるようになってきた。今年はグラトリも上手くなりたい!」なんて向上心のあるボーダーさんにピッタリですね!
バートン MOTO
フレックス:ソフト
レベル:初心者~
すみません、最後も面白みがないのですがバートン(笑)
だって、バートンのブーツは間違いないですから!
モトは、バートンのエントリーブーツとして長年親しまれているモデル。
冒頭では、必ず試着したほうがいいよと言いましたが、「自分にはどんなブーツが合うか分からない…」なんて方もいるでしょう。
そんなときは、とりあえずバートンのモトを選んでおけば間違いありません。
バートンのブーツってアジアンフィット(ワイドモデル)なんかもラインナップされているし、極端に合わないって人あんまりいないんですよ。
軽量で柔らかいから、履いたその日に馴染んで、1日中グラトリを練習しても足が痛くなりにくい。
型落ちで1万円台~と、安価なのに万能ブーツに仕上がっています。

出典:バートンホームページ
毎年試着するんですが、最上位モデルのIONとほとんどフィット感は変わりません。
実際、プロや超上級者でも柔らかいフレックスを好んで、セカンドブーツとしてモトを使っている方もいます。
とりあえず、どんなブーツが良いか分からないって方はモトを全力でおすすめします!
→迷ったらバートンスノーボード買っとけ!7つの「すごい」まとめてみた
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブーツは、スノーボードギア選びの中でも一番大事な部分です。
特に、グラトリをはじめとしたフリースタイルでブーツが合わないというのは致命的。
たとえ、超絶テクニックを持ったプロでも、ブーツが合ってないと力を十分に発揮できないでしょう。
私なんか、1日かけてブーツを何足も試着します。
そうやって何足も試着してるうちに、自分に合うブーツがわかってくるのです。
今シーズンこそは上手くなりたいという方。
ブーツだけは絶対妥協せず、ご自身が納得するまでブーツを探していただければと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
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