初心者でもできる!スノーボードのセッティング完全ガイド

初心者でもできる!スノーボードのセッティング完全ガイド

こんにちは、元スノーボードインストラクターの、らくスノです。

スノーボードって同じ横乗りのスケートボードやサーフィンと違い足がビンディングで固定されているので、ご自身の乗りやすいようにセッティングする必要があるんです。

とはいえ、以下のような不安を持った方も多いと思います。

  • そもそもどこをセッティングしていいか分からない…
  • 調整するとどう滑りが変わるか分からない…
  • パーツが多すぎるので、付け方外し方が不安

ご安心ください!今回の記事では、スノーボードのセッティングを初心者の方でも分かるように、優しく解説します。

この記事を読んでセッティングすれば、スノーボードが圧倒的に滑りやすくなり、上達速度も早まりますよ!

目次
元イントラでスノーボード専門ライター。数々の有名ライダーと取材経験あり。元々スロープスタイルの選手でしたが、 引退後はカービングやバックカントリーを中心にスノーボードを楽しんでいます。

スノーボードのセッティングの重要性

スノーボードのセッティングは運転席のシートやバック
ミラーの調整と同じく、操作性を上げる効果があります。

「スノーボードはセッティングが重要!」と言っても、ピンとこない方が多いと思います。

車を想像すると分かりやすいです。初めて運転する車だったらシートやミラーを調整しますよね。

たとえプロドライバーでも、調整せずに運転すれば本来の実力を発揮できません。

スノーボードも一緒。自分にとってコントロールしやすいようにセッティング(調整)しないと、乗りづらかったり、上達の妨げになってしまいます。

スノーボードのセッティングの基本

セッティング箇所効果
ビンディングの角度操作性がアップ
スタンス幅ターンやトリックの精度がUP
センターリングボードの中心に乗れるようになる
セットバック浮力アップ・転倒しづらくなる
フォワードリーンヒールの反応がアップ
ハイバックローテーションパワーの分散を防止
ストラップパワーの伝達力アップ

スノーボードは上記がセッティングできます。

まるで呪文のような専門用語ばかりですが…次項から分かりやすく解説するのでご安心ください!

ちなみに初心者の方でしたら、3まで調整すればOKです。

ビンディング角度のセッティング→操作性がアップ!

前足後足
初心者15~21度9~ー6度
グラトリ・パーク6~18度ー6~ー18度
カービング15~36度9~27度
フリーライド18~24度3~ー6度
パウダーラン15~21度6~ー6度

スノーボードの角度とはビンディングの向き。つまり「どの方向に足を向けて滑るかセッティングする」ということです。自分の志向に合った角度に変えることで、操作性がアップします。

大前提として、カービングやグラトリなど、滑走スタイルによってある程度セオリーは決まっています。「何も分からない」という方は、上記の推奨角度を基準に決めればOKです。

ただし、中上級者になるには、筋力や骨格を考慮して角度を微調整しなければなりません。角度についてもう少し深く理解したいという方は、以下の記事も参照ください。

スノボ初心者でも簡単!ビンディングの角度の決め方

角度の調整方法3ステップ

バインディングの付け方3ステップ

ビンディングの角度の調整方法は超簡単!用意する道具はプラスドライバーだけ

取り付ける手順は以下のとおりです。

取り付ける位置を決める(分からなければ真ん中のネジ穴でOK)

ビンディングを取り付けるネジ穴の位置

まずはボードへの取り付け位置を決めます。取り付け位置に関してはスタンス幅の項を参照ください。

取り付け角度(アングル)を決める

向かって左側がマイナス方向、右側がプラス 方向です。バートンのESTというバイン以外は、3度づつの調整となります

ベースプレート(足置き)を開き、取り付ける角度(アングル)を決めます。

向かって左側がマイナス方向、右側がプラス方向です。バートンのESTというバインディング以外は、3度づつの調整となります。

ネジを取り付ける

とりあえずネジはすべて真ん中の穴に入れてみましょう。ネジは対角線上に締め上げていくと緩みなく設置することができます

最後にネジを締めて完成です。過度に締め上げる必要はありません、軽く左右に揺らしてグラつかなければOKです。

「もうちょっと詳しく教えてほしい」という方は、以下の記事も参照ください。

スノボ初心者でも簡単!バインディングの付け方・外し方完全ガイド

スタンス幅のセッティング→ターンやトリックの精度がUP!

スタンス幅とはビンディング間の長さのこと。広げたり狭めたりすることで操作性が変わります。

スタンス幅とは、両足のビンディング間の長さのこと。なぜスタンス幅を調整するかというと、幅を広げたり狭めたりすることによって操作性が変わるんですね。

基本的には以下の身長別早見表を元にセットすれば問題ありません。

身長スタンス幅の基準値
160cm未満48cm
160cm〜50cm
165cm〜52cm
170cm〜54cm
175cm以上56cm

スタンス幅の調整方法→ディスクだけ取り出して設置するネジ穴を決める

ビンディングのディスク部分だけを取り出し、ボードに乗せてみましょう。乗せるビス穴は左右ともに同じ位置です。

ディスクの中心部分を計測の起点として、左右の間の長さがご自身の基準値になるようにセッティングしてください。

片方のディスクだけずらずと重心がズレてしまうのでNG。

このとき片方のビンディング位置だけずらすと、ボードの重心が移動してしまうのでNG。

左右同じビス穴だけ動かせば、板の重心は移動しない。

さらに「ターン重視なら狭く、トリック重視なら広く」自分のスタイルに合わせてカスタムしてみると、さらに乗りやすくなりますよ。

スタンス幅の微調整について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参照ください。

身長別の目安表あり!スノーボードのスタンス幅の決め方

センターリングのセッティング→ボードの中心に乗れるようになる

センターリングとは板の中心に乗れるようビンディングを調整すること

スノーボードのセンターリングとは、ビンディングの位置を調整してボードの中心に乗れるようにセットすることです。

スノーボードはバランスのスポーツ。トー(つま先)・ヒール(かかと)どちらかに片寄っているとバランスが取りづらくなるのは、なんとなく想像できると思います。

つまりセンターリング(中心に乗る)することでバランスが取りやすくなるというわけです。

ブーツのセンターが中心ではない!足成りでセンター出ししてみよ

ブーツの中心は足の中心ではない

結構youtubeや他の情報サイトでも間違っていることが多いのですが、実はブーツの中心がセンターリングではないんです。

なぜなら、人間の足は母指球・小指球・かかとの3点を結んだ点が中心となるからです。足を基準とすると、ブーツのセンターはややかかと側に寄ります

センターリングはビンディング本体と設置箇所で調整できる

センターリングはビンディング本体とボードへの設置箇所でそれぞれ調整することができます。

足のセンターが分かったら、板の中心にくるようセンターリングを調整してみましょう。

センターリングはビンディング本体と設置箇所でそれぞれ調整できます。

設置方法については長くなるので別記事にしました。さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。

劇的にコントロールしやすくなる!スノーボードのセンターリング調整方法

セットバックのセッティング→浮力アップ・転倒しづらくなる

スノボのセットバックとはビンディングを有効エッジの中心よりテール側へずらすセッティングのことです。

セットバックとはビンディングを有効エッジの真ん中よりテール側(後方)にずらして設置することです。セットバックをすると3つのメリットがあります。

  • パウダーでより浮力を得ることができるようになる
  • 転倒しづらくなる
  • 前ふりスタンスで角付けがしやすくなる

とはいえ、いきなりセットバックすると違和感が大きいです。まずは1メモリずつずらして、どのくらい滑走に影響があるか試してみましょう。

セットバックの調整方法→左右のネジ穴を後ろにずらすだけ

ビンディングのディスクを横軸にするとスタンス幅を微調整できる

セットバックのセッティングはとても簡単。左右のビンディングのネジ穴を、同じ数だけ後ろにずらせばいいだけです。

ただし、ネジ穴だけだと、大まかなセッティングしかできません。微調整をしたい場合は、ビンディングのディスクを横軸にして設置してみましょう。

ちなみにセットバックしないほうがいい場合もあります。詳しく知りたい方は以下の記事も参照ください。

スノボのセットバックとは?→ビンディングを有効エッジの中心より後へずらして設置すること

フォワードリーンのセッティング→ヒールの反応がアップ

フォワードリーンはネジを緩めて金具を前後して調整。下げるほど鋭角になり反応が良くなります。

フォワードリーンとは、ハイバック(バインディングの背もたれのような部分)の角度を変える事です。

フォワードリーンを鋭角にすると、ブーツとバインディングの隙間が無くなりヒールエッジ(かかと側のエッジ)への反応が良くなります

たとえばヒールサイドターン時に板が立てやすくなったり、フロントスピンで板が回しやすくなります。

ただし、入れすぎると足首の可動域が制限されます。また、常にひざを曲げた状態になるので、疲れやすいというデメリットもあります。

フォワードリーンの調整方法→ハイバックのネジを緩めて前後するだけ

フォワードリーンはネジを緩めて金具を前後して調整。下げるほど鋭角になり反応が良くなります。

ハイバックの下部にパーツがあるので、ネジを回して調整します。ほとんどのモデルはネジを緩めて金具を前後すると角度が変わるようになってます。

フォワードリーンはどのくらい入れたらいいのか?前足と後足どちらに入れるべきなのか?等…さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参照ください。

フォワードリーンとハイバックローテーションとは?調整方法も教えます

ローテーションのセッティング→パワーの分散を防止

ビンディングのハイバックローテーションを調整する意味

ローテーションとは、ハイバックのサポート位置を変えることです。

ハイバックローテーションが適切な位置になっていないと、パワーが分散しボードが思ったように動いてくれません。

基本的には上から見た時、エッジとハイバックが平行になっていればOK。これでパワーロスなくエッジを踏むことができます。

ローテーションの調整方法→ハイバックの付け根のネジ穴を変える

一部ブランドはツールレスでローテーションを変えることができます

ローテーションはハイバックの付け根部分のネジ穴を前後して調整します。フラックスなど一部ブランドはドライバー不要、ツールレスでセッティング可能です。

ちなみにカービング中上級者の方は、ローテーションをアレンジしてみると面白いですよ。もっとターン精度がアップします。

詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。

フォワードリーンとハイバックローテーションとは?調整方法も教えます

ストラップのセッティング→パワーの伝達力アップ!

ストラップがブーツの中心からズレていると、パワーがうまく板に伝達されません。センターにくるように調整しましょう。

まずはアンクルストラップ(足首のストラップ)とトウストラップ(つま先のストラップ)の長さを調整しましょう。

ストラップが中心にきてないと、ターンやトリックの時パワーが分散してしまいます。

また足首の痛みや、怪我の原因になることも…

ストラップの調整方法→ブーツの中心にくるように通す穴を変えてみる

ストラップを外して、通す穴の位置を変えてみましょう。ブランドによっては、ドライバー不要で変えられるものもあります。

やり方は簡単!ストラップがブーツの中心にくるように通す穴を変えてみてください。ドライバーで簡単に取り付け、取り外しできます。

モデルによっては、ドライバーを使用せずに調整できるバインディングもあります。

あえてストラップの中心をずらすことでひざを入れやすくする

ひざを内側に入れやすくするため、あえてアンクルストラップをセンターからずらして装着するセッティングもあります。

ひざを内側に入れやすくするため、あえてアンクルストラップをセンターからずらして装着しているボーダーもいます。

ご自身の体重の乗せ方を心得ている中上級者の方は、あえてストラップをずらすセッティングをしても面白いかもしれませんね。

元イントラが厳選!スタイル別おすすめの板92選

おすすめのスノーボード板

以下の記事では筆者の友人であるスノボショップ店長やライダー、イントラさんの意見を総合して、

  • グラトリにおすすめの板
  • カービングにおすすめの板
  • ラントリにおすすめの板
  • 軽量な板
  • オールラウンドに乗れる板
  • パウダーにおすすめの板

…等、ジャンル別のおすすめ板をまとめています。

具体的なモデルを検討したい方は以下の記事を参照ください。

元イントラが厳選!ジャンル別おすすめのスノーボード板92選!

まとめ

セッティング箇所効果
ビンディングの角度操作性がアップ
スタンス幅ターンやトリックの精度がUP
センターリングボードの中心に乗れるようになる
セットバック浮力アップ・転倒しづらくなる
フォワードリーンヒールの反応がアップ
ハイバックローテーションパワーの分散を防止
ストラップパワーの伝達力アップ

初めてスノーボードを購入してからいっさいセッティングしてない方も多いと思います。でも、自分に合ってないセッティングのまま滑っていても上達の妨げになるだけです。

まずは1〜3だけでもいいので試してみてください。

中上級者の方は、雪面や乗り方に合わせて微調整してみると、さらにスノーボードが面白くなりますよ!

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ABOUT US
らくスノさん
スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。