初心者でも簡単!ビンディングの角度とスタンス幅の決め方【スノーボード】

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こんにちは、元スノーボードインストラクターの、らくスノです。

まず結論からいえば、最適なビンディング角度はyoutubeなどを参考に好きなライダーさんのアングルを真似たりおすすめ角度を参考にするとよいでしょう。

スタンス幅の目安は身長✕0.32で求めることができます。

例)170cm×0.32=54.4cm(最適なスタンス)

あとは実際に乗ってから、微調整してみてください。

今回の記事では角度・スタンス幅の決め方から調整方法まで、初心者の方にも分かるように解説していきます。

この記事を最後まで読めば、スノーボードが劇的に滑りやすくなりますよ!

目次

角度やスタンス幅を調整する意味→コントロールしやすくなる

そもそも「ビンディングの角度やスタンス幅を調整する意味がいまいちよく分からない」という方も多いと思います。

車の運転席を想像すると分かりやすいですよ。

運転する前に座席の角度や前後の位置、バックミラーを調整しますよね。ビンディングの調整もまったく同じ意味です。

つまりスノーボードをコントロールしやすくするために、角度やスタンス幅を調整するわけです。

最初はプロライダーやおすすめ角度を真似てみることを推奨します

車の座席と一緒。ビンディングの角度は感覚なので、正解がありません。

たとえ身長体重が同じでも、人によってコントロールしやすい角度や位置は異なりますからね。

とはいえ、初心者の方はなにか指標がないと決められないですよね。

だから元イントラの筆者は現役時代生徒さんに、

  • 角度はプロライダーやおすすめ角度を真似てみる
  • スタンス幅は身長×0.32で目安を求める

というやり方を推奨してました。

実際、このやり方で「乗りやすくなった!」という生徒さんの喜びの声をたくさん聞きました。

では、次項からビンディングの角度の決め方についてお話していきます。

ビンディング角度のおすすめ→好きなプロライダーを真似する

難しいことは考えず、YouTubeなどを参考に自分の目指すスタイルに近いプロのスタンスを真似てみましょう。

あとはご自身の乗りやすい角度へ、徐々に微調整していきます。(微調整の方法は後述)

※紹介する角度(アングル)はレギュラースタンス(左足前)の方を想定してます。グーフィースタンス(右足前)の方は逆で考えてください。

※ボードやコンディションで変えるものなので、紹介するライダーさんが常に同じ角度で滑っているとは限りません。

グラトリライダーの角度

左足右足
尾川慎二(スプレッド)6度ー6度
こきっすん9度ー9度
江端翔兵(クロージャ)12度ー9度
神保賢一(ノベンバー)12度ー12度
中川智貴(クロージャ)6度ー6度

ラントリ・カービングライダーの角度

左足右足
平間和徳(ラマさん)36度27度
瀧澤憲一(スノボー先生)12度ー12度
青木玲(スノーボード大学)30度0度
いぐっちゃん15度ー12度
菅谷 佑之介(スプレッド)27度18度

パーク・ジブライダーの角度

左足右足
平野歩夢15度ー6度
相澤亮30度0度
片山來夢6度ー3度
角野友基9度ー9度
谷口尊人(ピーカンファクトリー)21度ー9度
チョコバニラボール新井(チョコチャン)12度ー21度

パウダー・オールマウンテンライダーの角度

左足右足
国母 和宏15度ー15度
中井孝治21度0度
藤田一茂21度0度
天海洋27度6度
工藤洸平18度ー6度

ビンディングの取り付け方法については以下の記事を参照ください。

日本一分かりやすい!スノーボードバインディングの付け方、外し方教えます

スタイル別の推奨アングル参考にする

左足右足
初心者18~30度9~24度
グラトリ・パーク9~18度0~ー15度
カービング・ラントリ24~36度9~27度
オールラウンド(フリーライド)18~24度3~ー6度
パウダーラン15~36度18~ー6度

※上記の角度(アングル)はレギュラースタンス(左足前)の方を想定してます。グーフィースタンス(右足前)の方は逆で考えてください。

特にベンチマークするライダーがいないなら、上記の推奨スタンスを目安にしてみましょう。

脚に負担がかかるので、特別な理由がない限り左右の開きは30度以内に収めてください。

実際に滑って角度を微調整してみよう!

ターントリック
角度が深いヒールサイドターンがやりやすいフロントサイドトリックがやりやすい
角度が浅いトゥサイドターンがやりやすいバックサイドトリックがやりやすい

人によって骨格・筋力は違うので、最適なスタンスも異なります。

だから推奨角度やライダーさんの真似をするだけでは、ベストなアングルとはいえません。

最近は推奨角度を教えてくれるスタンサーというサービスもありますが、基本的に答えはないです。

上記の表を元に、実際に滑りながら微調整していきましょう。

他にもアングルの深浅による違いはあるんですが、細かく特徴を上げるとキリがないので今回は割愛します。

角度が深いほどヒールサイドターン・フロントサイドトリックがやりやすい

角度が深いほどヒールサイド(かかと側)ターンやフロントサイド側のトリック(F360など)がやりやすくなります。

たとえば「24度/9度にしてるけど、ヒールターンしづらい」なんてときは、27度/12度などに変えてみると、よりヒールターンしやすくなります。

ただし、深い角度のセッティングは「トゥ(つま先)エッジに荷重しづらい」「バックサイド回転がやりづらい」などのデメリットもあります。

角度が浅いほどトゥサイドターン・バックサイドトリックがやりやすい

浅い角度はトゥサイド(つま先側)ターンやバックサイド側(B360など)のトリックがしやすいです。

たとえば「21度/ー9度にしてるけど、B360が回しきれない…」なんてときは18度/ー6度にしてみると精度が上がります。

ただし「浅い角度はヒールターンがやりずらい」「フロント回転がやりづらい」などのデメリットもあります。

【中・上級者向け】前足・後足だけを微調整して、さらに精度を上げる

トゥサイド(バックサイド)ヒールサイド(フロントサイド)
レベル弱前足の角度を浅くしてみる後足の角度を深くしてみる
レベル中後足の角度を浅くしてみる前足の角度を深くしてみる
レベル強両足の角度を浅くしてみる両足の角度を深くしてみる

両足の角度を変えてしまうと、かなり乗り心地が変わってしまうんですよね。

より精度を上げるなら前足・後足だけ微調整してみましょう。

基本的に前足がヒールサイド(フロント側のトリック)、後足がトゥサイド(バックサイド側のトリック)に重要な役割を果たします。

たとえばトゥサイドターン、またはバックサイドトリックの精度を上げるなら、以下の手順で微調整してみましょう。

  • レベル弱…精度を少しだけ上げるなら前足だけを浅く
  • レベル中…さらに精度を上げるなら後足だけの角度を浅くする
  • レベル強…大きく精度を上げるなら両足の角度を浅くする

要は角度を同じ3度浅くするにしても、前足より後足のほうが効きやすいということなんです。

ちょっとややこしいので、上図を参考に調整してみてください。

いずれにしろ、答えはありません。

ぜひ色々試して、あなたにベストな角度を探してみましょう。

後足をマイナス方向に振る意味→フェイキーで滑りやすくなる

スタンスには両足ともに進行方向を向いたレギュラー(前ふり)、後足をマイナス方向に振るダッグがあります。

  • 両足共にプラス方向へ振る→ターンしやすい(レギュラースタンス)
  • 前足をマイナス方向に振る→フェイキー(逆足)でも滑りやすい(ダックスタンス)

基本的には上記の認識で間違いないです。

ただし、フェイキーをしないカービング・パウダー勢でも、「単純に滑りやすいから」という理由でマイナス方向に振っている方もいます。

実際に滑りながら、立ちやすいスタンスを探してみましょう。

スノーボードのスタンス幅を決める4つの手順

続いてはスタンス幅を決める手順についてお話したいと思います。

スタンス幅とは、両足のビンディング間の長さのこと。

なぜスタンスを調整するかというと、幅を広げたり狭めたりすることによって乗り心地が変わるんですね。

スタンス幅は以下の順で決めていきます。

  1. 身長✕0.32でスタンス幅の基準値を知る
  2. バインのディスクだけ取り出して設置するネジ穴を決める
  3. ターン重視なら狭く、トリック重視なら広くしてみる
  4. カービング・パウダーランメインならセットバックを入れてみる

次項から詳しく解説していきます。

スタンス幅の基準値は身長✕0.32で算出できる

まずはご自身のスタンス幅の基準値を知ることから始めましょう。

よく「スタンスは肩幅を基準に!」なんて言われますが、計測位置で誤差が出やすいですし、一人だと測ることができませんよね。

ご安心ください、わざわざ肩幅を測らなくても基準値を知る方法があります。

身長×0.32を計算してみてください。【例)170cm×0.32=54.4cm(最適なスタンス)】

簡単にスタンス幅の基準値が分かりますよ。

私の身長は170cmなので、54cm前後がスタンス幅の基準値になります。

バインのディスクだけ取り出して設置するネジ穴を決める

ご自身のスタンス幅の基準値が分かったら、設置するネジ穴を決めます。

まずはビンディングのディスク部分だけを取り出し、ボードに乗せてみましょう。乗せるビス穴は左右ともに同じ位置です。

ディスクの中心部分を計測の起点として、左右の間の長さがご自身の基準値(私の場合54cm)になるように調整してください。

このとき片方のビンディング位置だけずらすと、ボードの重心が移動してしまうのでNG。

必ず左右同じビス穴ぶんだけ広げたり狭めたりしてください。

私はスタンス幅の基準値が54cm。

だから54cmになるまで、左右のディスクを広げたり狭めたりして調整します。

ちなみにディスクを横軸にすると、スタンス幅の微調整が可能です。フラックスの場合0.5〜2cmの間で調整できます。

ターン重視なら狭く、トリック重視なら広く

ご自身のスタイルが決まっているなら、スタンス幅をカスタムしてみましょう。

  • スタンス幅が狭い…ターンしやすい(カービング向き)
  • スタンス幅が広い…回しやすい(トリック向き)

たとえばパーク・グラトリ好きならスタンス幅を基準値よりビス穴1個分広く、カービング重視ならビス穴1個分狭くしたほうが乗りやすいと言われています。

いずれにしろスタンス幅に明確な答えはないので、ぜひいろいろ試してみてくださいね!

カービング・パウダーランメインならセットバックを入れてみる

セットバックとは重心を後方にずらすことで、浮力やコントロール性能をアップさせるセッティングのこと。

調整方法はとても簡単、左右のビンディングを同じビス穴ぶん後方にずらせばOK!

ただし、セットバックを入れるとフェイキーで滑りづらくなるので注意が必要です。

セットバックにも答えがありません、自分の乗りやすい位置を探してみてください。

スノボのセットバックって何?→重心を後ろへずらすことで浮力やコントロール性能がアップ

板からブーツがはみ出ても大丈夫?ドラグを防ぐ7つの方法

ドラグを防ぐ7つの方法

「推奨スタンス幅を元に設置したのはいいけど、板から足がはみ出るんですが…?」

ボードからはみ出したブーツが雪面に当たることをドラグと言います。

ただし、通常はヒール・トゥ(かかととつま先)それぞれ2cmくらいはみ出しても問題ありません。

では前後2cm以上はみ出している方、バリバリカービングする方はどうすればドラグを防ぐことができるのでしょうか?

■ドラグを防ぐ7つの方法

  • ワイドボードに乗り換える
  • プレートでバインディングの高さを底上げする
  • バインディングの前後とアングル(角度)を調整する
  • スタンスを変える、セットバックを入れる
  • ヒールカップが高いモデルを選ぶ
  • リアエントリービンディングを選ぶ
  • サイズダウンせずに軽量な板を選ぶ

紹介すると長くなるので、別記事にしました。

足のサイズが大きい方は、合わせて参照ください。

スノーボード板のワイド(横幅)からブーツがはみ出ても良いの?ドラグの疑問にお答えします!

初心者でもできる!ビンディング本体の調整方法

スノーボードの設置箇所だけでなく、ビンディングのセッティングにもこだわってみましょう。

■ビンディングの調整箇所

  • ストラップ
  • ガスペダル
  • フォワードリーン
  • ローテーション
  • ベースプレート

以下の記事では各部分の調整する意味や方法をまとめているので、セッティングしてみましょう。

自分に合ったセッティングをすることで、劇的に滑りやすくなりますよ!

初心者でもできる!スノーボードのセッティング・調整方法教えます

業界のプロ達に聞いた!グラトリ・カービングにおすすめのビンディング

筆者にはショップ店長やプロライダー、イントラの友人・知人がたくさんおります。

以下の記事では、そんなプロ達の情報やアンケートを元に、グラトリやカービングにおすすめのビンディングを特集してます。

気になる方は、以下の記事も参照ください。

元スノボイントラが厳選!カービングガチ勢におすすめのビンディング10選

グラトリにおすすめのビンディング→329人に聞いたらフラックス、バートン、ユニオンでした

まとめ

最適なビンディング角度はyoutubeなどを参考に好きなライダーさんのアングルを真似てみるとよいでしょう。

スタンス幅の目安は身長✕0.32で求めることができます。

例)170cm×0.32=54.4cm(最適なスタンス)

あとは実際に乗ってから、微調整してみてください。

「角度(アングル)」や「スタンス幅」なんて聞くと難しそうなイメージですが、とても簡単に設定できちゃいます。

ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか。

一気に乗りやすくなりますよ!

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ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。