スノーボードの中でもグラトリというジャンルは日本で独自の進化を遂げ、今や一大ジャンルになっています。
そして25-26シーズン、堀内礼くん(スプレッド)藤田周くん(ヨネックス)が中心となり立ち上げたライダーズブランドSLY(スライ)から、満を持してグラトリ専用ビンディングが販売されました。
まだまだ謎多きブランドであるSLYのグラトリ専用ビンディングとは、いったいどんなものなんでしょうか?
今回はブランドの中心人物の一人である堀内礼くんに、SLYのビンディングの秘密を伺ってきました。
この記事にしかない情報ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
日本初!ライダーが作り上げたグラトリ専用ビンディング
右がウイング付きのβ(ベータ)-67fb8b05a5793-600x338.jpg)
あらためてSLYの2モデルを紹介いただけますか?
アルファはフラックスのDSをベースとしたオーソドックスなモデル。クセがないので幅広い層の方にグラトリが楽しめると思います。ヒールにブッシュが入っているので、自由度はかなり高いです。
ウイング付きのベータに関しては、アルファより少しハイバックが硬いので反応がよいです。また、スタビライザーがついているので、着脱でも反応を調整できます。
「力を板に伝達するスピードが早い」ということをブランドコンセプトにしてます。アルファもベータもカーボンディスクで、足下の反応はかなり早いです。
カーボンディスクを採用した理由を教えてもらえますか?
真下に伝える力を早めるためにカーボンディスクを採用しました。またプレスや弾きの繊細な荷重操作にもしっかりついてくるようになってます。
足下の反応は2モデルともよいですが、足首から上も反応速度重視の方はベータ、可動域重視の方はアルファがおすすめです。

グラトリ専用なのにリーンアジャスターをつけたのは意外でした
けっこうリーンを入れているグラトリライダーは多いです。たとえば僕もバーンが硬い時、跳び系中心の撮影の時は1メモリ入れたりします。こういった細かい仕様も、ライダーズブランドだからこそだと思ってます。
価格は現行のフラックスDSや旧モデルのGTよりも抑えてくれてますね
ウイング付きのベータが48,400円(税込)、アルファが44,000円(税込)。これだけギアが高騰している時代ですが、若い子にも乗ってもらいたかったのでかなり価格は抑えました。そもそもユーザーさんに手にとってもらえないと意味がないですから。
ウイングがあるから力の抜けた状態でも720回せる

礼くんはベータを使うことが多いそうですね
ウイングがついてることで操作はシビアになりますが、バインがブーツと一緒に動いてくれます。さらにテコの原理で少ない力から大きな動きを生み出せる。グラトリってハードなスポーツなんです。短いバーンでもかなりクイックに動かなければいけないので、100%の力というより80%の力でも動けると、エネルギー消費量的にも効率がよいと思います。
私も含め100%の力でぶん回す人が圧倒的に多いですよね(笑)
そもそも僕は100%の力でトリックすることはないです。たとえば720でもある程度力が抜けた状態で回せるのが理想です。それをサポートするのがウイングというわけです。
ストーンモチーフのベースプレートやハイバックのワンポイントサイン。デザインがカッコいいですよね
SLYはヨネックスの藤田周と2人で立ち上げましたが、お互い「ラフで行こうよ」みたいなノリで今のデザインになりました。
ブランドコンセプトを大事にしながら徐々にSLYを広めていきたい

私が知る限りライダーズブランドのグラトリ専用ビンディングって、今まで無かった気がするのですが?
ライダーズブランドとしては、おそらく日本初だと思います。
ベータはフラックスの旧モデルであるGTをベースにしているそうですね
僕が初めてフラックスさんのサポートをしてもらったときはDSWというモデルでした。その後、GTというモデル名になった時くらいから、ウイングにフォーカスして結構意見を言わせてもらいました。GTリミテッドという僕の意見を反映させたモデルも出してます。その経験がベータに生きてます。
礼くん人気も相まって、すぐ売り切れそうな気がします
初年度に関してはテストも兼ねているので、かなり数量を絞っています。ベータのようなハイバックのビンディングはもうフラックスでは出ないので、気になる方は早めにショップでチェックしてもらえればと思います。これからユーザーさんの意見も聞きながらが、来年以降、徐々に生産数を増やしていく予定です。
まだSLYの情報自体があまり世に出てないですよね
「カッコいいブランドというコンセプトは絶対に譲らないようにしよう」という意思でやってます。とにかく情報を垂れ流して大量に売ることが目的ではなく、ブランドコンセプトを大事にしながら、徐々に広めていければと思っています。
SLYの仕様
、α(ブラック)、β(ブラック)-67fb9255c841b-600x338.jpg)
α(アルファ) | β(ベータ) | |
---|---|---|
カラー | ブラック、ホワイト | ブラック |
サイズ | XS、S、M、L | S、M |
フレックス | ミドルソフト | ミドル |
特徴 | カーボンディスク、ブッシュ | カーボンディスク、スタビライザー、ウイング |
堀内礼プロフィール

スプレッドを代表するライダー。北海道のキロロを拠点に精力的に活動。
グラトリのスタイルはもちろん、ゲレンデのファッションアイコンとしても人気で、礼くんを真似するボーダーが続出してます。
礼くんの活動を知りたい方は、インスタをチェックしてみてください。
スプレッドZEROの魅力を人気ライダー堀内礼くんにインタビュー

大人気グラトリボードブランド「スプレッド」から、新しく堀内礼くん監修モデルZEROが発売されることになりました。
堀内礼くんの超絶テクニックやスタイルを足元から支えるのがZEROというわけです。
SLYとの相性も抜群。引き続いてインタビューしてきましたので、気になる方は合わせて参照ください。
→スプレッドZEROの魅力を人気ライダー堀内礼くんにインタビュー
業界のプロ達に聞いた!グラトリにおすすめのビンディング特集

筆者にはショップ店長やプロライダー、イントラの友人・知人がたくさんおります。
以下の記事では、そんなプロ達の情報やアンケートを元に、グラトリにおすすめのビンディングを特集してます。
グラトリは3種のギアが揃ってこそ実力が発揮できますからね。
気になる方は、以下の記事も参照ください。
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