ハンマーヘッドの特徴と選び方!おすすめモデルも教えます【スノーボード】

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こんにちは、20年以上スノボやっている元イントラの、らくスノです。

ハンマーヘッドとは、簡単に言えばレングス(全長)に対して有効エッジを極限まで伸ばした板のこと。

ノーズ・テールを短くすることで軽量化しているわけです。

ただし、雪面のコンディションに影響されやすくノーズが刺さりやすいのがデメリット。

今回はハンマーヘッドの特徴や選び方のコツについて分かりやすくお話したいと思います。

この記事を最後まで読めば、きっと自分にあったハンマーヘッドボードを選ぶことができるようになりますよ。

ハンマーヘッドはレングス(全長)に対して有効エッジを極限まで伸ばしたボード

ハンマーヘッドとは、簡単に言えばレングス(全長)に対して有効エッジを極限まで伸ばした板のこと。

ここでは「有効エッジ=雪面のグリップ力」と理解してください。

たとえ同じ有効エッジ長でも、ラウンドトップだとレングスが長くなり動きが鈍重になってしまいますからね。(単純に板が重くなってしまう)

ハンマーヘッドはノーズ・テールを短くすることで、有効エッジの最大化とスイングウエイトを軽減を実現。

同サイズのラウンドボードでは味わえないハイスピードでキレのあるカービングができるようになります。

実際私も初めて乗ったときは「こんなに体を倒せるんだ!」なんて驚いたものです。

ラウンドボードとは違う!ハンマーヘッドの選び方のコツ

そもそもハンマーヘッドはラウンドボードと選び方が異なります。

ここからは中上級者向けのマニアックな内容になります。「いまいち理解できない…」という方は初心者の方向けに書いた以下の記事も参照ください。

スノボ板を身長−15〜−20cmで選ぶのはウソ!→適正な板の長さは体重基準です

ハンマーヘッドの長さ!絶対に身長で選ばない

大前提として「身長マイナス15cm」という選び方は絶対やめてください。ハンマーヘッドの長さを身長で選ぶと必ず失敗します。

まずはご自身のボード選びの基礎となる、接雪長を算出しましょう。接雪長とは雪面に置いたとき接地している長さのことです。

本来は試乗会などでレングス毎に乗り比べるのがよいのですが、いきなりそんなこと言われても困ると思うので(笑)とりあえず簡易的に算出してみましょう。

接雪長の目安は身長(mm)✕0.7でも算出できます。(平均体重の場合)

例)筆者の身長1700mm✕0.7=1190mm(接雪長の目安)

筆者の場合、1190mmが推奨接雪長となります。

接雪長を目安にボードサイズを選ぶ

オガサカ/FC157モス/RRR158
接雪長1200mm1200mm
有効エッジ1280mm1300mm
ワイド(ノーズ/センター/テール)307mm/258mm/304mm308mm/258mm/300mm
サイドカーブ8800mm/8400mm9000mm/8800mm

接雪長が分かったら、今度は気になるボードを数本チョイスしてみましょう。

今回は比較例としてカービングマニアに人気のオガサカFCとモスRRRをチョイスしてみました。

筆者の推奨接雪長を基準とすると、オガサカFCは157サイズ、モスRRRは158サイズがもっとも近いサイズになります。

接雪長と有効エッジの差で板のグリップの早さをイメージする

オガサカ/FC157モス/RRR158
接雪長1200mm1200mm
有効エッジ1280mm1300mm
ワイド(ノーズ/センター/テール)307mm/258mm/304mm308mm/258mm/300mm
サイドカーブ8800mm/8400mm9000mm/8800mm

今度は有効エッジから接雪長を引いてみましょう。有効エッジとはノーズ・テールの一番太い部分をつなぎ合わせた長さのこと。

オガサカFCは差が80mm、モスRRRは差が100mmあります。

これは何を意味するかというと、エッジグリップの早さ。つまり、雪面への捉えの早遅の差です。

  • 接雪長と有効エッジの数値の差が少ない…エッジが噛むのが早い
  • 接雪長と有効エッジの数値の差が大きい…エッジが噛むのが遅い

エッジグリップの速さはハンマーヘッド最大の特徴。FCとRRRを比べるとFCのほうがより早くグリップしくれることが分かると思います。(RRRも十分早いですけど)

ただし、「雪面への捉えが早いから良いボード」という単純なスペックではないんです。

捉えが早いと角付が難しいですし、捉えが遅いとターンも鈍重になりがち。

ボーダーのクセや雪面状況にもよるので、慎重に選ぶ必要があります。

ワイドで変わる扱いやすさ

オガサカ/FC157モス/RRR158
接雪長1200mm1200mm
有効エッジ1280mm1300mm
ワイド(ノーズ/センター/テール)307mm/258mm/304mm308mm/258mm/300mm
サイドカーブ8800mm/8400mm9000mm/8800mm

続いてはワイドのスペックを見てみましょう。

FCとRRRはあまり変わらないのですが、基本的には以下がセオリーです。

  • 太い板…ドラグ防止になる、安定感がある
  • 細い板…エッジ切り替えが早い、扱いやすい

こちらも好みなので「どちらが良い」と言うことはありません。

安定感重視ならより太い板。扱いやすさ重視なら細い板を選ぶとよいでしょう。

サイドカーブでスピード重視かターン重視か判断する

オガサカ/FC157モス/RRR158
接雪長1200mm1200mm
有効エッジ1280mm1300mm
ワイド(ノーズ/センター/テール)307mm/258mm/304mm308mm/258mm/300mm
サイドカーブ8800mm/8400mm9000mm/8800mm

最後はサイドカーブ。以下が選び方の基準となります。

  • 数値が大きい…加速しやすく直進安定性が高い(ロングターン向き)
  • 数値が小さい…小回りがきいてターンしやすい(ショートターン向き)

スペックを見るとFCは小回りがきいて扱いやすい、RRRはスピードが出やすいという特徴が分かると思います。

細かくいえば更にありますが、とりあえずここまで抑えておけば、理想に近い板を選ぶことができますよ。

ハンマーヘッドは雪面のコンディションに影響されやすい

※特に左のパウダーボードと真ん中のハンマーボードはほとんどレングスが一緒ですが、反り上がりの差が歴然です。

ハンマーヘッドも良いことばかりではありません。

一番のデメリットが雪面のコンディションに影響されやすこと。

実はラウンドボードのキック部分(反り上がり)は、深雪でもノーズが埋まりにくいようにできています。

しかし、キックが短いハンマーヘッドは深雪やコブに弱く、ちょっとした凹凸でも転倒のリスクがあるんです。

よくハンマー乗りの方は「ノーズが刺さる」なんて言いかたをしますね。

またラウンドボードよりもクセが強く、ノーズから踏み込んでいくような荷重をしないとうまく角付けできません。

カービングにはセミハンマーボードもおすすめ

ここまで読んで「ちょっとハンマーヘッドは敷居が高い…」なんて思った方も多いのではないでしょうか。

そんな方にはセミハンマーボードがおすすめです。

ラウンドボードの軽快さ、荷重のしやすさと、ハンマーヘッドの有効エッジ、スピード感を合わせ持ったいいとこ取りの板に仕上がっています。

実際オガサカFC、BCストリームR-2、モスRRRなど、有名ブランドのフラッグシップモデルはすべてセミハンマーボードになっています。

元イントラが厳選!カービングにおすすめの板13選

ブランド/モデル形状①形状②フレックス
キャピタ/KAZU KOKUBOラウンドディレクショナル/キャンバーミドルハード
オガサカ/CTラウンドディレクショナル/キャンバーミドル
BCストリーム/Sラウンドディレクショナル/可変キャンバーミドル
モス/リボルバーラウンドディレクショナル/キャンバーミドル
オガサカ/オルカラウンドディレクショナル/キャンバーミドル
ナイデッカー/ブレードラウンドディレクショナル/キャンバーミドルハード
オガサカ/FCセミハンマーディレクショナル/キャンバーミドル
モス/RRRセミハンマーディレクショナル/キャンバーミドル
BCストリーム/DRピンテールディレクショナル/キャンバーミドル
BCストリーム/R-2ハンマーディレクショナル/可変キャンバーミドル
グレイ/デスペラードTiハンマーディレクショナル/キャンバーハード
モス/ツイスターフリーダムハンマーディレクショナル/キャンバーミドル
ヨネックス/スラストハンマーディレクショナル/可変キャンバーミドル
※はレディースサイズありモデル

前述の通り、必ずしもすべてのカービングマニアにハンマーボードが合うとは限りません。

せっかくハンマーを購入してもイメージするようなカービングができないと、1シーズンが台無しになってしまうことも。

以下の記事では私のイントラとしての経験はもちろん、友人のショップ店長やプロライダーの意見を総合してカービングにおすすめモデルをピックアップしてみました。

カービングボードをお探しの方は、合わせて参照ください。

元イントラが厳選!ジャンル別おすすめのスノーボード板92選

まとめ

なんとなく「カービング=ハンマーヘッド」なんてイメージをお持ちの方も多いと思います。

でも、実際はメリット・デメリットがあるので、けっして万人向けのボードとは言えないのです。

だからこそまずは試乗会や友人に借りて、自分のイメージするカービングができるかどうか試してみることをおすすめします。

また購入する際は各モデルのスペックを理解して選ぶと失敗がありませんよ。

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ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。