こんにちは、20年以上スノーボードやっている元イントラの、らくスノです。
この記事にたどり着いたということは、「FNTCのグラトリボードTNTが気になっている!」なんて方も多いと思います。
何しろFNTCの中心人物、タッキーこと瀧澤憲一プロ自身が「日本で一番売れているグラトリボード!」と豪語するくらい人気の板になってますからね。
でも、なぜそれほど人気があるのか知らない方も多いと思います。
今回はTNTの機能性や魅力はもちろん、人気の秘密についても詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読めば、なぜTNTがこれほど売れているかお分かりいただけると思いますよ。
目次
FNTCのグラトリボードTNTが人気の理由
出典:FNTCホームページ
「本当にTNTはそんなに人気があるの?」
実はTNTの人気を示す客観的な根拠があるのです。
「FNTCのTNT」という単語がどれだけGoogleで検索されているか、調べることのできるツールがあります。
なんと月間1,000〜10,000回検索されています。
■人気グラトリボードの検索回数
- 011/ダブル…100〜1,000回以内
- アライアン/ダメージ…100〜1,000回以内
- ヨネックス/アクセ…100〜1,000回以内
- ライス28/RT7…100〜1,000回以内
他ブランドの有名グラトリボードと比べても、検索数が一桁違いますからね。
圧倒的な人気をうかがい知ることができます。
では、なぜTNTがそれほど人気なのでしょうか。
- TNTはライダーではなく初心者が乗りやすい板をコンセプトにしている
- 商品説明が丁寧なので購入してから後悔することがない
- TNTのデメリットもしっかり伝えている
- 機能性が高いのに価格がリーズナブル
次項から順番に説明していきます。
ライダーではなく初心者が乗りやすい板をコンセプトにしている
TNTと他のグラトリボードとの違いは開発コンセプトです。
一般的なスノーボードはライダーの意見をもとに作られています。
つまり「一般的なグラトリボード=ライダーが乗りやすいボード」という図式が成立するのです。
でもね、ライダーというのは超絶テクニックを持った人々。
同じ板に乗ったところで、一般ボーダーが同等のパフォーマンスを発揮できるわけがありません。
それどころか、初心者には乗りづらいものになってしまうのです。
脚力の弱い女性や運動が苦手な方でも乗れる板がTNT
TNTは初心者はもちろん、脚力の弱い女性や運動が苦手な方でも簡単にグラトリできるよう設計された板なんです。
ライダー目線ではなく、ひたすら初心者目線で作られたボード。
タッキーさんは日頃からグラトリレッスンしているので、初心者の方がどこでつまずくのか、どうすればやりやすくなるのか熟知しています。
その経験がTNT開発に生かされているのです。
オーリーゾーンが広く跳びやすい
TNTが初心者向けに作られている具体例をお話しましょう。
他ブランドのボードはオーリーのタイミングがピンポイントなので、初心者の方には扱いづらいものでした。
しかし、TNTはオーリーゾーンが広めに設定されているので、とにかく跳びやすい。
多少ボードを弾くタイミングがずれても、しっかり高さのあるオーリーができます。
プレストリックが踏みやすい
TNTは初心者の方でも扱いやすいソフトフレックスです。
しかも、ただ柔らかいだけではなく、ノーズ・センター・テールでフレックスバランスを調整しています。
センターは板をしならせやすいよう柔らかく、ノーズ・テールは板を曲げたときに安定感が出るよう硬めに設定。
さらにノーズ・テールのキック(反り上がり部分)を直線的にすることで、板が斜めになっても安定する形状になってます。
だから他ブランドのボードに比べ、プレストリックが圧倒的にメイクしやすいのです。
ハニカム構造は軽量でバタつきを抑えてくれる
出典:FNTCホームページ
センターにハニカムと呼ばれる蜂の巣構造を採用。
これによって、
- 軽量化
- バタつきの防止
- 反発力
3つの効果が得られるようになりました。
もちろん高級モデルで採用しているブランドは他にもありますが、廉価モデルでハニカムを搭載するのは珍しいですね。
軽量で扱いやすい
実際私も触れてみましたが、とても軽量です。
普通エントリーモデルというと安価な素材を使っているので、どうしても重くなりがちなんですよ。
でもTNTは軽量なので、初心者の方でも扱いやすい。
もちろん「軽けりゃ良い」というわけではありませんが、脚力の弱い女性や筋力に自信のない方にとってはメリットのほうが大きいですね。
商品説明が丁寧なので購入してから後悔することがない
たしかにTNTのスペックは高いですが、爆売れする理由はそれだけではありません。
実はFNTCと他ブランドが決定的に違う点があります。
それは商品説明がとにかく丁寧だということです。
タッキーさんは登録者数10万人超えの大人気You Tubeチャンネル「スノボー先生」で動画を配信してます。
そのチャンネルの発信力を活かし、TNTのスペック説明や滑走動画を多数アップ。
ユーザーは「TNTはこんな滑りができるんだ!」と納得して購入するから、悪い口コミが一切ないのです。
カタログ表記が分かりやすい
出典:FNTCホームページ
初心者に寄り添った商品説明はカタログにも現れています。
なんとボード重量や推奨体重まで記載されているのです。
ここまで詳しく表記しているブランドはほとんどありません。
初心者の方はそれだけでも購入時の不安が解消されますよね。
他ブランドだと説明不足ゆえの悪評も…
ブランドの宣伝不足だと、ユーザーがボードのスペックを理解しないまま購入してしまうんです。
だから「〇〇ができると思って購入したのに、ぜんぜんできなかった」なんて悪評が立つ。
その点、FNTCは「〇〇はできません」としっかり明示してますので、間違って購入することがないんですね。
TNTのデメリットもしっかり伝えている
TNTはしっかりデメリットをユーザーに伝えている点も、人気を下支えしている理由の一つでしょう。
やっぱり良いことばかり言われると、かえって怪しいじゃないですか(笑)
もちろんTNTだって完璧な板では無いので、不向きなこともたくさんあります。
でも、しっかりデメリットも伝えてくれるので、初心者の方でもしっかりリスクを理解して購入できるのです。
タッキーさんが啓蒙しているTNTのデメリット
■滑走性能が落ちる(低速に特化している)
グラトリ初心者にもやさしい低価格を実現するため、滑走面(ソール)のランクを落としています。
だから高速カービング時に思ったスピードが出せない懸念があります。
■細身なのでドラグのリスクがある
細身のシェイプで、初心者の方にも扱いやすくなっています。
しかし、ボーダーによっては足幅がはみ出すドラグのリスクがあります。
→スノーボード板のワイド(横幅)からブーツがはみ出ても良いの?ドラグの疑問にお答えします!
■175cm以上の身長の方に合うラインナップがない(有効エッジが足りない)
原価を抑えるため、売れ筋のサイズしかラインナップしてません。
175cm以上の男性は有効エッジが足りないので注意してください。
TNTは折れやすい?噂を検証
出典:バートン
ツイッターなどを見ると「TNTが折れた」というつぶやきを見ることがあります。
20年以上ギアを見てきた筆者から言わせれば、TNTだから折れやすいということはないです。
■TNTが折れやすいと言われる理由
- トリックをするボーダーが多いので、通常滑走より負荷が加わりやすい
- 乗り手はグラトリ初級ボーダーが多いので、板に余計な負荷を加えてしまう
- 人気ボードゆえ良い噂も悪い噂も他ブランドより広まりやすい
- 上位モデルよりも安価な芯材を使用している
たしかに安価な芯材を使用しているので、上位モデルより折れやすいのは確かです。
でも、下位モデルが折れやすいのは他のブランドも一緒。
実際上記はバートンの芯材の写真ですが、安価なFlyに比べ、他のコアは木材を複雑に配置して強度を上げてます。
それでも心配な方は、もう3〜4万予算を増やして上位モデルを購入することをおすすめします。
→本気の人しか見ないで下さい!ベテランスノーボーダーが本当におすすめできるグラトリ板11選
機能性が高いのに価格がリーズナブル
これだけの機能がありながら定価60,500円と、同等のスペックを有する他ブランドに比べ圧倒的にコスパが高い!
なぜこれだけの低価格が実現できるかというと、これまで説明してきたように、あえて余計な機能を省くことで原価を抑えています。
親ブランドであるファナティックの技術を共有できる
ハニカム構造をはじめとする技術面や仕入れなど、親ブランドであるファナティックと共有しているので、高機能・低価格を実現しています。
ソールのランクを落とすことで原価削減
初心者特化の板なので、多少滑走性能を落としても価格を下げることのほうがメリットがあると判断して原価を下げてます。
売れ筋サイズに絞っている
サイズラインナップの幅を広げると、売れ筋以外のボードを作らなければいけないので原価が上がります。
あえてサイズを絞ることで、商品価格を下げています。
TNTのラインナップは3種
グラトリ(回転) | グラトリ(プレス) | カービング | 安定感 | |
TNT-R | ◎ | ◎ | △ | △ |
TNT-C | △ | △ | ◎ | ◎ |
TNT-L | ○ | ○ | ○ | ○ |
TNTは3種類のラインナップがあります。
- TNT-R…低速グラトリ向き
- TNT-C…カービング・ラントリ向き
- TNT-L…万能型
次項から詳しく解説します。
TNT-Rはグラトリがやりやすい
出典:FNTCホームページ
Rはダブルキャンバーと呼ばれるシェイプで、引っ掛かりが少なくとにかく回しやすい。
しかもグラトリの天敵、逆エッジを軽減してくれる効果もあります。
特に低速域でのグラトリがメインのボーダーならRがおすすめです。
ただし、グリップ力はTNTのラインナップでは一番弱いので、カービングやラントリは不得意なボードです。
TNT-Cはカービング・ラントリに特化したボード
出典:FNTCホームページ
TNTの人気が爆発したこともあり、さらにボーダー趣向に合わせてTNT-Cがラインナップに加わりました。
TNT-Cは既存のTNT-Rに比べカービングに特化した板になっています。
形状が可変キャンバーなのでRよりグリップ力が高く、どちらかといえばラントリ志向の方にぴったりですね。
カービングやリバースターンを織り交ぜながらのラントリ志向の方ならCで間違いありません。
TNT-Lは万能型のボード
出典:FNTCホームページ
23-24シーズンから新たにTNT-Lが仲間に加わりました。
TNT-Rよりアーチが深いローダブルキャンバーと呼ばれる形状は、グリップ力が高くカービングもバッチリ。
さらに回転系・プレス系のグラトリもやりやすい万能な板に仕上がっています。
「高速ラントリも低速グラトリも楽しみたい!」という欲張りなボーダーにピッタリの板です。
TNTの型落ち品を探すならグーグルショッピングが便利
TNTの型落ち品を探すなら、グーグルショッピングが便利!
たとえば「FNTC TNT 年式(昨年がベター)」と検索すると、メルカリ・楽天等…様々なショッピングサイトが表示されます。
例)FNTC TNT 2021
さらにサイズや価格でも絞り込みができるので、インターネットで一番お得なTNTが買えちゃいます。
型落ち品の探し方については下の記事にまとめていますので、気になる方は参照ください。
→安く買うなら型落ちモデル!スノボギアの旧品を探すコツ・注意点教えます
TNTに合うビンディングは3種
TNTに合うビンディングは
- ドレイク リロード
- ユニオン フライトプロ
- ドレイク KING
上記の3点です。
特にドレイクはFNTCのタッキーさんも激推しするビンディング。
ここで紹介するととんでもない文字数になってしまうので、詳細は下の記事にまとめました。
気になる方は合わせて参照ください。
→最強のモデルはこれだ!スノーボード歴22年のベテランが本気でおすすめするグラトリ用ビンディング11選
まとめ
最後にTNTが人気の理由をまとめてみたいと思います。
- TNTはライダーではなく初心者が乗りやすい板をコンセプトにしている
- 商品説明が丁寧なので購入してから後悔することがない
- TNTのデメリットもしっかり伝えている
- 機能性が高いのに価格がリーズナブル
もちろん今読んでいるすべての方にTNTがベストだとは申しません。
でも、タッキーさんはYou Tubeでしっかりどんな人に向いてるか明示してくれてます。
ぜひ動画を見て、ご自身が納得したうえで購入いただければと思います。
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