大人気ブランド、スプレッドが提案するまったく新しいコンセプトのラントリボードRD。
筆者自身今シーズンのメインボードとして使用しましたが、Re-Define(再定義)のモデル名の通り、どんなブランドの板にも当てはまらない唯一無二の乗り心地です。
24年のモデル立ち上げ時から即完売するほど大好評でしたが、25-26モデルはユーザーの要望に答えてサイズ展開も増えました。
今回はスプレッドのライダーであり、監修者の菅谷プロにインタビューのお時間をいただいたので、RDの魅力を余すことなく聞いてみました。
カタログにはない情報ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
スプレッドRDは合理性を追求したセミハンマーボード
RDはセミハンマーなので、どうしてもカービングボードって先入観を持たれがちですよね
「調子が良いアウトライン」と「実際に売れるアウトライン」というのがあります。一昔前だと「トリック=ラウンドボード」という先入観を持たれていて、グラトリ系の子たちにはセミハンマーって売れなかったんです。
徐々に先入観がなくなり人気が出てきたということでしょうか?
人気が出てきたというよりは、やっと良さが分かってもらえて、正当に評価されてきているのかなという感じです。
同じレングスの板でもできる限り有効エッジを伸ばして、よりカービング性能を上げたのがセミハンマーです。グラトリボードでも同じことが言えます。同じレングスでもなるべくスイングウエイトを軽くしたい。そう考えると、必然的にノーズとテールをカットしたセミハンマー形状になるわけです。
つまりグラトリボードも行き着く先はセミハンマーだったわけです。

私の実力でもジャンプカービングできるくらい軽快でした
テクニカル系のボードは有効エッジが長くて、前足と後足を連動させるためセンターに張りがある作りになってます。グラトリボードはその逆で、センターは柔らかいけどノーズ・テールに張りがあってトーションが使えるようにできているのです。
RDはセミハンマー形状だけどセンターが柔らかくて、テクニカルボードとグラトリボードの特徴を合わせ持ったスペックになっています。
物理的に軽いということもありますが、取り回しがいい板ですね
スプレッドの特徴でもありますが、キックの反り上がりを薄くシェイプしてるのでスイングウエイトが軽いんです。ノーズ・テールが軽くなることで、重量が足元へ集まるようにしているので扱いやすいと思います。
また無駄な機能がないので、乗り手の操作に素直に動いてくれる。接雪点と有効エッジが近いので、倒すだけで曲がります。
25-26モデルはより高速域でも扱いやすい仕様になりました

24-25モデルからの変更点はありますか?
アウトラインは一緒ですが、センターフレックスを少しだけ硬くしました。昨年モデルはグラトリメインのボーダーにも乗りやすいようにセンターフレックスを柔らかくしていましたが、ラントリの注目度が上がってきてユーザーの技術も追いついてきているので、もう少し早いラン速でも扱いやすい仕様にしました。トリックの反発やカービングの安定感も増しますし、より高速域でも対応できるようになってます。
デザインが和テイストで昨シーズンと大きく変わりましたね
月と雲で和テイストなんですが、少しモダンさも残して尖りすぎないようにしました。僕の同級生で彫り師をしているヤマトにお願いして、ほぼ実寸の和紙に描き下ろしてもらってます。コラボじゃないですけど、彼に書いてもらった絵を僕がアレンジしている感じです。
サイズ展開が増えレディースやワイドモデルも登場

定価 | 形状 | フレックス | サイズ |
88,000円(税抜) | キャンバー、ツイン | ミドル | 148、150、150W、152、154、154W、158W、162W |
去年までは4サイズ展開でしたが、今年は大幅にラインナップが増えましたね
まず148のレディースモデルを追加しました。テクっぽい乗り方をする女性なら150や152でもいいと思います。メンズサイズも2cm刻みでラインナップされているので、いろいろなユーザーに対応できるようになりました。
なんといってもワイドモデルの登場が熱い。私のような足デカ族にとってはドラグを気にせず板を立てられるのは嬉しいです
特に150や154など短いレングスでワイドモデルが欲しいという要望が多かったので追加しました。思ったよりダッグでカービングするユーザーが多かったのも、ワイドモデルを追加した理由です。
ワイドの登場でダッグスタンスカービングの選択肢も増えましたね!
本来セミハンマーは前振りがセオリーですが、RDはツインなのでダッグスタンスで滑っても面白いですよ。空斗(スプレッドライダー)なんかダッグで滑ってますし。
菅谷くんのセッティングを教えてもらえますか?
前27度、後18度です。セットバックは前足だけ2cm下げてます。ノーズが長いほうが板のしなりを使いやすいので、高さが出ます。スイッチノーリーとかも打ちやすいです。
RDはテクニカル寄りのボーダーでも満足できる

菅平パインビークスクールの校長でもある勝呂さんのチーム加入は驚きでした
もちろん勝呂さんの実力もありますが、がっつりテクニカル寄りの方でも乗れるボードということが証明できました。スプレッドというとグラトリブランドというイメージが先行して、カービング系の方にはそもそも試乗さえしてもらえないんです。でも、勝呂さんの加入で、裾野が広くなったと感じています。
試乗会の年齢層も広がったとか
スプレッドのユーザーは若い子が多いですが、RDを発売してからはアダルトユーザーも増えてきました。
どんなユーザーさんに乗ってもらいたいですか?
ラントリユーザーはもちろん、グラトリメインの子にも乗って欲しいと思っています。セミハンマーのRDでも、短いサイズならグラトリボードに化けるので。逆にテクの大会に出るような実力の人でも、RDをサブ板として乗ってもらえればスノーボードの幅がさらに広がると思います。
25-26シーズンも価格は据え置きの88,000円(税抜)
私にも「RDが欲しかったけど買えなかった」という問い合わせが来ています(笑)
初年度は制作本数を絞ったので、予約分はすぐに完売してしまいました。今シーズンはサイズ展開も増やしたので、より多くの方に乗って欲しいと思っています。
スプレッドはどのモデルも人気で型落ちもないので、定価が安いのはありがたい限りです
25-26シーズンも価格を据え置き、税抜88,000円でがんばりました。
菅谷プロのプロフィール

菅谷佑之介プロはスプレッドスノーボード、SPバインディングのライダーです。菅谷プロの最新情報を知りたい方は、インスタグラムをチェックしてみてください。
大人気!菅谷プロがプロデュースする、トーションを損なわないラントリプレート。
まとめ
筆者自身、今シーズンからRDをメインボードとして、30日ほど滑走しました。
カービング・ラントリで調子が良いのは分かっていましたが、低速グラトリや地形遊び、果てはミドルクラスのキッカーやバンクド、パウダーまでストレスなく遊べました。
たしかにサイドカットはミドルカービング向きですが、ある程度板のトーションを使えるレベルの方なら、どんなスタイルにもマッチします。
まずは「グラトリブランドだから」「セミハンマーだから」という先入観を持たずに試乗して欲しいです。
グラトラーからテクニカルの方まで、きっと満足できる板だと思います。
創始者尾川プロにスプレッドのおすすめボードを聞いてみた!

スプレッド創始者の尾川プロにおすすめのボードを取材してきました。
今期はLTシリーズ、Xシリーズ、そしてラントリ・カービングに特化したRDシリーズの3つをラインナップしています。
他のスプレッドボードについて知りたい方は、以下の記事も参照ください。
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