こんにちは、元イントラでスノーボード歴20年以上のらくスノです。
自分のライディングには具体的にどんなカービングボードがいいのか迷いますよね。
せっかく購入してもイメージするようなカービングができないと、1シーズンが台無しになってしまうことも。
今回は私のイントラとしての経験はもちろん、友人のショップ店長やプロライダーの意見を総合してカービングにおすすめモデルをピックアップしてみました。
この記事を最後まで読めば、きっと運命のカービングボードに出会えるはず!
※当コンテンツは独自の評価基準を元におすすめギアをピックアップしてます。評価・選定基準のガイドラインに関してはこちらを参照ください。
カービングボードの選び方のコツに関しては以下の記事にまとめています。
レベル別カービングにおすすめの板
ラウンド | オガサカ/オルカ | |||
セミハンマー | オガサカ/FC※ | |||
ハンマー | グレイ/デスペラード※ | |||
スクエア/その他 | キャピタ/KAZU KOKUBO |
※レディースサイズあり
カテゴリーは以下のとおりです。
次項から順番に解説します。
初級者におすすめのカービングボード
カービング初級者の方は、オールラウンドボードをチョイスしてみましょう。
いきなりカービング特化の板に乗っても、コントロールが難しくかえって成長を妨げてしまいますからね。
オールラウンドボードは何かに特化しているわけではありませんが、トーションが使いやすく乗りやすいです。
キャピタ KAZU KOKUBO
定価 | 104,500円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドルハード |
サイズ | 151〜161 |
「キャピタのKAZUってオールマウンテンボードでしょ?」
いえいえ、実はオールマウンテンボードはカービングとも相性が良いんですよ。
実際、先日コラボさせていただいた元A級イントラでコーチもしている伊東しんごさんもKAZUに乗ってました。
実際カズさんの動画を見ればわかりますが、ビッグマウンテンを滑落してるんじゃないかくらいのスピードでスノーボードするわけです。
当然そのスピードに耐えうるフレックスや操作性、さらにナチュラルジャンプもこなせる柔軟さも持ち合わせています。
引用:キャピタ
しんごさんも言ってましたが、ハンマーだと当日のバーンコンディションに影響されやすいんですよね。
KAZUならコンディションに合わせて、パウダー(そもそもパウダーボードですが笑)、地形、トリック、カービングまでオールマイティに楽しめます。
単純にデザインがカッコいいので買っていかれる方も多いみたいですよ。
オガサカ CT(レディースサイズあり)
CTを一言で表すと、カービング向きのオールラウンドボード。
定価 | 107,800円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 139〜161W |
オガサカで一番売れている板なので、迷ってるならCT買っとけば間違いないです。(実際メーカーも同じこと言ってます笑)
今やスノーボードには色々な芯材が使われていますが、CTはナチュラルウッドのみ。
だから踏み込んだときの独特の粘りが、純粋に気持ちいいんですよね。
しかもどんな雪面状況においてもフレキシブルに対応してくれるので、アイシーでもパウダーでもエッジ抜けを気にせず攻めていける。
出典:オガサカ
また、サイドカーブやトーションのバランスが絶妙な仕上がりで、ターンの切り返しが軽快なんですよね。
本当にバーンコンディションが良いと、ジャンプカービングできちゃいます。
ラウンドに乗り慣れていて特に冒険する気もないなら、CTでも十分キレのあるカービングを楽しむことができますよ。
ラントリなんかでマイルドに乗りたい方にもおすすめですね。
BCストリーム S(レディースモデルあり)
定価 | 115,500円(税込) |
形状 | ディレクショナル/可変キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 143〜162 |
歴史の長いフラッグシップモデル「S」を紹介したいと思います。
Sの魅力は、高い操作性とグリップ力です。
パウダー・アイス等ゲレンデのコンディションを問わず、ターン導入時の操作性とエッジの粘り強さは他ブランドの追従を許しません。
「これ以上攻めたら抜けるかも」という微妙なラインでも、しっかりエッジが食いついてくれる安心感がありますね。
出典:BCストリーム
いわゆるハンマーのようなガチガチのカービングマシンではなく、ラントリから地形遊び、果てはパークまでこなせてしまうのもSの魅力ですね。
ジュニア・レディースサイズやワイドモデルなど、ラインナップも充実。
初心者の方でも乗りやすいスペックにも関わらず、高いポテンシャルを秘めています。
BCストリームライダー青木玲プロいわく「人を育てる板」というのも、あながち言い過ぎではないくらいの名機ですね。
モス リボルバー(レディースサイズあり)
定価 | 121,000円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 142〜160 |
毎日滑っているガチ勢はともかく、筆者のように週末しか滑れないとなると、どんなコンディションでも遊べる板のほうが使い勝手がいいですよね。
そんな方におすすめなのが、20年以上の歴史を持つ名機モスのリボルバー。
このあと紹介するRRやRRRのベースとなったボードなので、「これからお手つきカービングやりたい」なんて方にはぴったり!
出典:モススノーボード
接雪点と有効エッジのバランスが絶妙で、わずか数mmの違いがしなやかな操作性を生んでいます。
サイドカーブも2段階に設定されており、多少角付けが粗くても自然に深いカーブへ導いてくれます。
RRRやツイスターといったカービングマシンと比べ、ショートターン、不整地、コブなど汎用性の高さも魅力的。
カービングはもちろん、あらゆるライディングスタイルでスノーボードを楽しめる逸品です。
中級者におすすめのカービングボード
カービング中級者なら、セミハンマーボードも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
ハンマーヘッド形状は、レングス(全長)に対して有効エッジを極限まで確保するために、ヘッドを潰したボードのことです。
有効エッジが長いと、より深いカービングをすることができます。
ただし、ハンマーヘッドはノーズが刺さりやすく深雪・降雪には弱いというデメリットもあります。
「どんな地形・雪質でも遊びたい」なんてオールラウンド思考の方は、あくまでラウンドボードがおすすめです。
オガサカ オルカ
定価 | 118,800円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 157〜166 |
オルカは足が大きい人のために作られたワイドボード、JSBAデモンストレーターに8度も認定された臼井プロが開発を担当してます。
実際カービングボードの代名詞、同じ160サイズのオガサカFCよりウエストが2.8cmも太い!
実際ブーツサイズが28cmくらいになってくると、プレートで底上げしてもドラグを完全に防ぐことが難しくなりますからね。
また物理的に太いので、安定感はピカイチ!他のカービングボードの追従を許しません。
出典:オガサカ
でも、ワイドボードって軽快さがないというか、もっさり感が気になりますよね。
オルカはトーションがとても使いやすいので、スムーズにターンができます。
無理やりコントロールしなくても曲がってくれるので、物理的な重さほどもっさり感もないです。
開発した臼井プロ自身、普通にグラトリやってますからね(笑)
特に足のサイズが大きい方は、オルカを全力でおすすめします。
ナイデッカー ブレード
定価 | 93,500円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドルハード |
サイズ | 158〜162W |
ナイデッカーのブレードは、ハイエンドフリーライディングモデルでありながらリーズナブルな価格(型落ちで7万円前後)が魅力です。
原価高騰で各ブランド軒並み10万円を超える中、本格的なカービングボードがお安く購入できるのは大きなメリットですよね。
しかもガチガチのカービングボードではなく、ラントリ的な動きもできるほど軽快な操作感。
テールよりノーズのほうが柔らかいフレックスなので、角付けもスムーズでオートマティックに曲がってくれますよ。
多少テクニックが未熟でもグイグイ攻めていけるボードに仕上がっています。
オガサカ FC(レディースモデルあり)
定価 | 116,600円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 145〜163 |
「カービングといえばこれ!」というくらい歴史あるモデル、オガサカFCをご紹介したいと思います。
なんといってもネーミングがそのままFC(フルカーブ)ですからね。
FCの特徴は、とにかくクセがなく乗りやすいセミハンマーボード。
私はずっとパークメインでやってきた人間なんで、ハンマーってとても苦手意識があったんですよ。
でも、FCはほどよくラウンドしているので、降雪や荒れたバーンでも安定感のある乗り心地。
それでいて有効エッジがしっかり雪面を噛んでくれます。
出典:オガサカ
多少技術が未熟でも深いターンが刻める理由は、サイドカーブの形状にあります。
ノーズでは浅いカーブですが、テール付近になると徐々に深いカーブになります。
この2パターンのサイドカーブによって、ターンインでノーズの角付けに失敗しても、テールで補ってくれるのです。
グラスファイバーでフレックスがハードになったFC-S、メタル搭載のFC-Xと、滑走レベルによってはよりハイエンドなモデルをチョイスしてもいいですね。
モス RRR(レディースサイズあり)
定価 | 123,200円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 146〜162 |
「リボルバーは少し有効エッジが物足りない…」
そんな方におすすめなのがモスのRRR(トリプルアール)です。
リボルバーの軽快さを残しつつ、ハイスピードでも安定感のあるセミハンマーボードに仕上がっています。
ノーズがフラット、テールがキャンバー形状なので、ターンインがスムーズで抜けまでしっかり食いついてくれますよ。
ガッツリセットバック&太めボードなので、ターン後半でも安心して体重を預けられますね。
出典:モススノーボード
ボードが自身に合わせてくれるような乗り心地。
この後紹介する上級者ボードは特化しすぎているのでめちゃくちゃクセがあるんですよ(笑)
でも、RRRはクセがないので何も考えずに滑り出せる、乗ってて最高に気持ちいいボードに仕上がっています。
上級者におすすめのカービングボード
最後は上級者向けのカービングボードを紹介します。
正直この項で紹介するボードはコントロールがとても難しいです。
だから中途半端な気持ちで購入すると、初滑りで後悔することになります。
ただし、一度ものにしてしまえば、今まで紹介した板とは比べ物にならないくらいのポテンシャルを発揮してくれることでしょう。
乗り手は選びますが、最強のカービングボードです。
BCストリーム DR(レディースサイズあり)
定価 | 121,000円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー(ノーズロッカー) |
フレックス | ミドル |
サイズ | 148〜162 |
SAJ公認全日本スノーボード技術選手権大会を5度も優勝した平間和徳プロ(通称ラマさん)が使用する板として有名なDRです。
まず特徴的なのがカービングボードには珍しいピンテールと極太ウエスト。※スクエア&ラウンドテールが追加されました。
それもそのはず、DRはもともとパウダーボードとして開発されたボードなんです。
出典:BCストリーム
テーパード(ノーズが太く、テールが細い)がスムーズなターン導入と抜けの良さを実現、さらにノーズが柔らかいのでとんでもなく踏みやすい。
荷重したときに抵抗感もなく、ぐんぐん加速してくれる板に仕上がっています。
ウエストが太いのでドラグの心配もなし。
がっつりカービングからラントリ、もちろんパウダーランにも対応できます。
とはいえピンノーズはクセが強いので、最初に買うならマイルドな乗り味のスクエアをおすすめします。
確かにかなりクセのあるボードですが、ラマさんもおっしゃっている通り「自分の技術の幅を広げるチャンス」と思えば、DRは良い選択だと思います。
BCストリーム R-2(レディースサイズあり)
定価 | 121,000円(税込) |
形状 | ディレクショナルツイン/可変キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 151〜162W |
BCストリームからもう一枚、R-2をご紹介したいと思います。
なんと言っても、前述のラマさんが大会で勝ちまくっていたボードがR-2なんです。
R-2はハンマーの登竜門としておすすめのボード!
実はアウトラインは前項の「S」と一緒なんですよ。
テーパードがないので、いわゆるハンマー独自のノーズから角付けするなんて必要がありません。
ノーズからテールにかけて自然に曲がってくれるので、私のようなハンマーに乗りなれてない方でも初乗りから違和感なくターンできます。
テーパードやハンマーに苦手意識がある方にもピッタリ!
出典:BCストリーム
R-2はBCストリームで初めてバリアブル(可変)キャンバーを搭載したモデルでもあります。
BCの可変キャンバーは独特で、踏み込むと有効エッジが伸びるので深いエッジラインを刻むことができるのです。
とりあえず初ハンマーだったら、ラウンドの延長で乗れるR-2はおすすめ!
グレイ デスペラードTi(レディースサイズあり)
定価 | 149,600円〜(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ハード |
サイズ | 146〜166 |
続いてはグレイの超人気モデル、デスペラードを紹介したいと思います。
例えるなら、雪上のフェラーリ(跳ね馬)でしょう。
乗りこなすのはめちゃくちゃ難しいですが、一度ツボを抑えればチート級の滑りが体感できます。
Tiの名の通り、チタン入りなんで芯に乗れるとどんなバーンでも安定して滑ることができるんです。
ただ、チタン自体はワンテンポ遅れるというか、反応が悪いというデメリットがあるんですね。
そこで、もたつきをカバーするために超高強力ポリエチレン繊維「イザナス」が使われてます。
出典:グレイ
イザナスはカーボンに変わる新素材として注目されております。
実際デスペに乗ると、目一杯踏み込んでたわませたあとの反発が強いので、後半のターンの伸びが本当にすごいんですよ。
後ろから誰かに押されているような加速を体感することができます。
この感覚は他の板では絶対に味わえないので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
以下デスペの滑走動画です。
モス ツイスターフリーダム(レディースサイズあり)
定価 | 134,200円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 151〜163 |
モスのツイスターをご紹介したいと思います。
ハンマーなのに極太ウエストとは、なんとも面白いシェイプ!
ツイスターの特徴は、ハイスピードでの抜群の安定感ですね。
テーパードなので試乗したときは「ノーズかなり踏み込まないといけないんじゃ…」なんて思ったんですが、軽く踏み込んだだけで自然にシュッと曲がってくれる!
しかもターンイン時のスピードロスも少なく、後半までテールがズレることなくしっかり食いついてくれます。
ボードのしなりが足裏まで感じられるので、乗ってて気持ちがいいですね。
出典:モススノーボード
デスペのようなマニュアル操作が不要な理由は、あえてチタンを入れずにウッドの粘りのみを主軸に設計されているからです。
板が雪面状況に応じてオートマチックに合わせてくれるから、乗り手がカービングに集中できるんですよね。
テクニカルというより、私のようにゲレンデを自由気ままにカービングしたい方向けのボードになっています。
ちなみに15%ウッドが厚くなり、よりハイスピートに特化したプロスペクトモデルのラインナップもありますよ。
以下ツイスターの滑走動画です。
ヨネックス スラスト
定価 | 126,720円(税込) |
形状 | ディレクショナル/可変キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 157〜169 |
ヨネックスが本気で作ったカービングボード、スラストをご紹介します。
スラストといえば、圧倒的な振動吸収能力とスイングウェイトの軽量化。
通常の約2.4倍の振動吸収力を持つというカーボンを使用し、軟雪〜アイシーなバーンまで安定した滑走を実現できます。
角付けをミスっても、板が暴れず自然にリカバリしてくれる感じです。
出典:ヨネックス
イージーライドキャンバー(可変キャンバー)が「ターンインの食いつきとアウトの抜けの良さ」という相対する機能を両立することに成功しました。
またノーズ・テールのウェイトが軽量化されているので、セミハンマーなのにさばきやすい。
ショートターンも軽快です。
以下スラストの滑走動画です。
まとめ
ラウンド | オガサカ/オルカ | |||
セミハンマー | オガサカ/FC※ | |||
ハンマー | グレイ/デスペラード※ | |||
スクエア/その他 | キャピタ/KAZU KOKUBO |
今回ご紹介したカービングボードはどれも高い人気を誇るので、スペックは間違いありません。
あとはご自身のモチベーションやライディングスタイルに合わせてチョイスいただければと思います。
試乗できればベストですが、どうしても難しい場合はスペック表とライダーさんの動画を参考にイメージを膨らませてみましょう。
そこまでやれば、まず失敗することはないと思います。
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