こんにちは、20年以上スノーボードやっている元インストラクターの、らくスノです。
「これからスノボ初心者の友人・彼女に滑り方を教えます!」なんて方も多いのではないでしょうか。
スノーボードは仲間が増えた方が楽しいですよね。
でも、アドバイスの方法を間違えると、スノボが滑れるようにならないどころか嫌いになって二度と来てくれないかも…
そもそも「人に教える」ってすごく難しいことですからね。
でも、ご安心ください!
私はイントラ時代、限られた時間の中で数百人の初心者を連続ターンまでできるようにしてきた実績があります。
今回は最短で連続ターンができるようになる教え方のメソッドを特別に大公開!
この記事を最後まで読めば、友人・恋人が90分で連続ターンをマスターして、楽しいスノボ旅行の思い出を作れるようになります!
スノボ初心者に90分で連続ターンを教える9つの手順
まずこのGIFをご覧ください。
正しい教え方をすれば、ほとんどの方は半日(90分)で連続ターンできるようになります。
では、どういった手順をふめば、半日(90分)で滑れるようになるのでしょうか?
- 準備体操(10分)
- 安全な転び方(10分)
- ビンディングの装着(10分)
- スケーティング(10分)
- 基本姿勢(5分)
- 曲がり方(20分)
- リフトの降り方(5分)
- ボードスライド(10分)
- 大回りで連続ターン(10分)
そうです、たった9ステップで良いんです。
覚えきれなければスマホにコピペして、ゲレンデで確認しながら教えてもOK!
次項から順番に説明させていただきます。
スノボをはじめる前に準備体操
レジャー要素が強いスノボも立派なスポーツ、準備体操をしないと怪我の原因になります。
特に関節や首周りは痛めやすいので、念入りにほぐすよう教えて下さいね。
具体的な準備体操のやり方については長くなるので別記事に書いてます。
気になる方は下記も合わせて参照ください。
しゃがむだけで安全に転べることを理解してもらう
安全を確保するうえでも、正しい転び方を教えることが重要です。
とはいえ「あごを引いて頭を保護し、垂直に手を付くことなく…」なんて言っても、初心者の方は覚えられません。
頭では理解したつもりでも、滑走中はそれどころではなくなりますからね。
だから「転ぶときはしゃがむ!」とだけ教えてください。
上のGIFのように直立で転倒した場合、雪面までの距離が遠いため衝撃が増します。
逆に早めにしゃがんでお尻または手を付くと、衝撃が緩和されます。
実際にその場でやって見せてあげると、相手の理解も早いと思いますよ。
ビンディングの装着方法と板の扱い方を教えよう
まずは前足だけスノーボードを装着させてください。
とはいえ相手はビンディングやリーシュコードの付け方も分かりません。
- ベースプレートとブーツの間に隙間は無いか
- かかとがしっかりヒールカップについてるか
- ラチェットは緩んでいないか
ビンディングの装着が甘いとうまく滑れないので、最初はしっかり見てあげてください。
またボードは目を離すとひとりでに斜面を滑っていってしまうことがありますよね。
ビンディングを外した後は、ボードを裏返しにして置くように注意喚起しましょう。
→これだけは知っておこう!スノーボードバインディングの装着方法とマナー
スケーティングはゆっくり進んであげよう
バインディングを装着したら、スケーティングで滑走エリアまで移動します。
板に慣れさせるためにも、なるべくバインディングを着けた状態で行動してもらってください。
とはいえ、最初は片足だけで滑るのは難しいと思います。
なるべく相手のペースに合わせて、ゆっくり進んであげましょう。
滑走中はひざを曲げることを意識させる
実際に滑る前に、まずは基本姿勢を教えます。
とはいえ、人間いきなりいろいろなことを教えても覚えきれないです。
だから、まずは「滑走中はひざを曲げる」ということだけ意識させてください。
ひざを曲げると滑りが安定し逆エッジ防止にもなる。
たったこれだけで、転倒する回数を劇的に減らすことができます。
理論的な裏付けは別記事にしてますので、気になる方は合わせて参照ください。
→超簡単にできるよ!スノーボードで逆エッジを防ぐ方法は○○するだけだった!
曲がるときは顔と手を進行方向に向けさせる
基本姿勢を教えたら、実際に板を履いてスノーボードの曲がり方を覚えます。
もちろんいきなりリフトに乗るのではなく、まずは緩斜面をハイクアップで練習です。
「止まり方を教えなくていいのですか?」なんて疑問があるかもしれません。
しかし、結局止まるのも曲がり方の延長なので、わざわざ別々に教える必要はありません。
曲がり方を教えれば、自然に止まり方も覚えます。
曲がり方を教えるのもいたってシンプル。
手と顔(視線)をターンしたいほうに向けさせてください!
最初はあなたが見本を見せてあげると、相手もイメージをつかみやすいですよ。
リフトの降り方はベンチから立ち上がる要領
曲がり方を教えたら、いよいよリフト乗車。
とはいえ、乗車はともかく降車を教えるのは難しいですよね。
でも、ご安心あれ。
「ソファーやベンチから立ち上がる要領で、すっと立ち上がればコケずに降りられるよ!」と教えてあげてください。
逆に手を握ったりしてフォローするのはNG。
体勢が崩れるので、相手はバランスを保つことができずコケてしまいます。
ほら、GIFを見れば分かるとおり、初めてのリフトでも、スッと立ち上がるだけでコケずに降車することができます。
→スノーボードリフト降り方のコツはソファーから立ち上がるのと一緒だよ!
ボードスライドでエッジの使い方を覚えてもらう
リフトを降りたら、ボードスライドを練習します。
ボードスライドとは、斜面に対して板を真横にして滑ること。
いきなり初心者の方にエッジを意識させるのは難しいです。
だから頭ではなく身体でエッジの使い方を覚えてもらいます。
慣れてきたら逆向きでも練習。
この時に「周りに人いないから大丈夫だよ〜」と声をかけてあげてください。
初心者の方は周りを見る余裕がありませんからね。
それに安全確保は教える側の義務です。
あなたが声をかけてあげるだけで相手は安心して滑り出すことができますよ。
■木の葉滑りはあえて教えません
「初心者は木の葉滑り」なんて聞いたことがあると思います。
しかし、私の場合あえて木の葉滑りは教えませんでした。
なぜなら、本来スノーボードはあのような滑り方をしないからです。
連続ターンのコツは大回り
さて、ボードスライドに慣れてきたら、いよいよ連続ターンの練習です。
連続ターンを教えるコツは、ずばり大回りを意識させること!
普通スノボのターンというと、だいたい写真のような滑走ライン(進行ルートのこと)をイメージすると思います。
実際あなたもこの滑走ラインで滑ってますよね。
しかし、この滑走ラインは加・減速のコントロールがめちゃくちゃ難しんですよ。
反対に大回りで滑ると、板を真っ直ぐにして加速しても、横に滑っている間に減速します。
速度をコントロールできるようになると、恐怖心が減りどんどん上達していきますよ。
この時も、常に基本姿勢(ひざを曲げる)を意識するように声掛けしてあげてください。
理論的な裏付けは下記の記事にまとめてますので、気になる方は参照ください。
→元イントラが教える!スノボ初心者が10分で連続ターンできるようになるコツ
初心者の方にスノボを教えるときの注意点
連続ターンまでを教える手順についてはご理解いただけたと思いますが、それだけでは不十分。
スノボは部活ではありません。
精神的・肉体的に追い詰めると、たとえ連続ターンできるようになってもスノボが嫌いになります。
では、具体的にどのような点に注意すればいいのでしょうか?
- とにかく褒める
- シンプルに教える
- 焦らせない
- 安心感を与える
- 上目線にならない
- 休憩は多めに
- 専門用語は使わない
次項から注意点を具体的に解説させていただきます。
とにかく褒める
- そうそう、すごく上手だよ〜
- すごいね〜一発でできたよ!
- 俺が初めて滑った時より上達早いかも!
スノボを教えるときは、とにかく褒めてあげましょう!
初心者の方は、自分の滑りが正しいのか分からないので不安なんです。
褒めてあげることによって、リラックスしてスノボが楽しめるようになります。
教える時は一つずつ
アドバイスするときは、一度に複数の事を教えてはいけません。
なぜなら、人間は複数のことを考えながら同時に行動できないからです。
相手の上達具合を見ながら、一つずつていねいに教えてください。
焦らせない
自分自身は焦らせる気がなくても、早々にバインディングを付けたり先に滑り出してしまうと、相手は「待たせてはいけない」と感じてしまいます。
初心者なのですから遅いのは当たり前。
できる限り相手のペースに合わせて行動してあげましょう。
安心感を与える
最初は他の滑走者のガリガリってエッジ音だけで恐怖を感じます。
そんな時は、
- 後ろから見ているから大丈夫だよ~
- 誰も上から滑ってきてないよ!
- 今子どもが降りてきたから、ちょっと待ってね!
なんて声かけやジェスチャーで教えてあげてください。
それだけで安心感を与えることができます。
上目線で教えない
教え慣れていない人は、どうしても上目線になりがち。
たとえば、
悪い例)「視線上げて進行方向見て滑って」
良い例)「視線上げて進行方向見て滑った方が良くなるよ」
同じことを伝えるにしても、言い方一つでもずいぶん印象が変わりますよね。
「こうやって」って言われると、なんとなく強制されてる気分になりませんか。
「こうやった方が良くなるよ」
「こうした方がいいんじゃない」
なんて表現の方が、相手の心の負担が軽くなりますよ。
休憩は多めにとる
初心者の方は力の抜きどころが分からないので、常に全身が緊張してます。
また、寒さにも慣れてないので体調を崩してしまうことも…。
なるべくこまめに休憩をとってあげて下さい。
さらに「お尻やつま先痛くない?」「寒くない?」なんて聞いてあげると親切ですね。
専門用語は使わない
フランス料理を作る時「オニオンをアッシェして、ブイヨンにポシェしてください」って言われても、何がなんだか分かりませんよね(笑)
スノーボードも一緒。
- ヒールエッジに荷重して!
- リフトに乗る時はハイバック倒してね!
- トゥーサイドターンしてみよう!
夢中になっていると思わず専門用語を使いがちですが、初心者の方は理解できません。
なるべく専門用語は使わずに説明しましょう。
スノーボードではなく旅行を楽しむ
最後にこれだけは覚えておいてください。
それは誘われた方は好きでスノーボードに行くわけではないという事です。
そりゃあなたには「スノボ楽しみ!」なんて言うかもしれませんが、内心は…
- 好きなあなたと行くのが楽しみ
- みんなで行く旅行が楽しみ
- 温泉や食事が楽しみ
こんな感じではないでしょうか。
たとえば、あなたがいきなりカバディという未知のスポーツに誘われたらどうでしょう?
「そもそも、カバディって何?ルールは?」
楽しみより不安の方が大きいですよね。
いきなりスノーボードだけをやりたいという人は少数派です。
だから、大事なのはスノーボードをすることではなく旅行を楽しむ事。
「俺が教えるんだから、90分で連続ターンまでできるようにさせる!」
気持ちは分かりますが、最初からガチで教えるとスノボが嫌いになってしまうかもしれません。
常に相手の体力やモチベーションに配慮してあげてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
■90分で連続ターンができるようになる手順
- 準備体操(10分)
- 安全な転び方(10分)
- ビンディングの装着(10分)
- スケーティング(10分)
- 基本姿勢(5分)
- 曲がり方(20分)
- リフトの降り方(5分)
- ボードスライド(10分)
- 大回りで連続ターン(10分)
このステップで教えれば、短時間でスノボが滑れるようになります。
ただし、スノボは部活動ではありません。
常に相手の体調やモチベーションに配慮しながら、こまめに休憩を取りましょう。
また、余裕があれば関連記事を参考に持ち物やレンタル方法、ゲレンデルールについても教えてあげてくださいね。
もちろんこのブログを見せてもOK(笑)
友達・恋人が連続ターンをマスターして、次回以降もみんなでスノボ旅行が楽しめるといいですね!
この記事が参考になれば幸いです。
【関連記事】
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