山岳ガイドやショップ店長に聞いた!正しいパウダーボードの選び方

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こんにちは、20年以上スノボやっている元インストラクターの、らくスノです。

  • パウダーを滑るならスワローテイルがベストですよね?
  • 浮力重視で太い板を買おうと思います!
  • 評判がいいので、ゲンテンスティックを買おうと思います!

上記はすべて間違い。

間違った知識を元にパウダーボードを購入すると、上手く操作できずストレスを抱えることになります。

実は6つのポイントさえ押さえておけば、パウダー初心者の方でも自分にベストな板を選ぶことができるんです。

■ベストなパウダーボードを選ぶ6つのポイント

今回は知人の山岳ガイドやショップ店長に聞いたパウダーボードの選び方の知識を、初心者でも分かるように解説したいと思います。

この記事を最後まで読めば、もうパウダーボード選びで失敗することはありません!

パウダーボードとオールラウンドボードの違い

パウダーボードとは、その名の通り深雪(非圧雪)を滑るために作られた板のこと。

パウダーを滑ることをバックカントリーやサイドカントリー・ツリーランなんて言ったりしますが、独特の浮遊感から愛好者が多いジャンルです。

一般的なオールラウンドボードとの違いは4つあります。

板の長さ(レングス)・太さ(ウエスト)

出典:モス

一般的なボードより、長くて太いのがパウダーボードの特徴です。

理由は単純、深雪で浮力を得るために板の面積を増やしているんですね。(短いショートモデルも存在します。)

中には、長さ2mを超えるパウダーボードも存在します。

セットバック

深雪では後ろに重心があったほうが浮力を得やすいので、ほとんどのパウダーボードにはセットバックが入っています。

セットバックとは

ボードの中心に対して、重心を後方に移すこと。

・パウダーボード(重心がテール側にあるディレクショナル形状)

・オールラウンドボード(重心が中心、もしくは中心よりややテール側にあるツイン形状)

先端が太く反り上がりが大きい(ロッカーノーズ)

通常のオールラウンドボードよりノーズが太く、反り上がりが大きいのがパウダーボードの特徴です。

これも、深雪で浮力を得るための形状と言えるでしょう。

高額

スノーボードに限らず、大量に作ったほうが原価は下がります。

しかし、パウダーボードはいわゆる売れ筋のジャンルではないため、大手ブランドであっても制作枚数が少なく高額になるというわけです。

パウダーボード選び6つのポイント

この項ではパウダー初心者の方に向けて、パウダーボード選び6つのポイントを解説したいと思います。

次項から順番に説明します。

メインで滑るエリアを考える

まずは、ご自身がどのエリアをメインで滑るか考えてみましょう。

なぜなら、ツリーラン、サイドカントリー、ゲレンデの端パウ、オープンバーン等…エリアの状況次第で板選びも変わるからです。

メインで滑るエリアが決まっていると、このあとの板選びもスムーズ。

板の長さは身長基準ではなく浮力

よく板の長さは身長-15〜-20cmなんて言われますが、パウダーボード選びに関してはいったん忘れてください。

実際、身長170cmの方でも平気で165cmのボードに乗ったりしますからね。

一般的に長いボードのほうが浮力があります。

だから、より浮力を得たい方は今持っているオールラウンドボード+5〜10cmを目安に、パウダーボードを選んでみてください。

ただし、長いボードは操作性も悪くなります。

パウダー初心者の方や細かい操作が要求されるツリーランなどがメインなら、今持っているオールラウンドボードと同じくらいの長さで太い板がおすすめです。

ターン重視ならソフト、スピード重視ならハードフレックス

メリット デメリット
柔らかい板
  • 旋回性能が高い
  • コントロールしやすい
  • パウダーの浮遊感を感じやすい
  • スピードレンジが低い
  • 荒れたバーンに弱い
  • 安定感がない
硬い板
  • スピードレンジが高い
  • 安定感が高い
  • 荒れたバーンに強い
  • 旋回性能が低い
  • コントロールしづらい
  • 浮遊感を感じづらい

柔らかい板はディープパウダーをメロウに滑りたい方にぴったり。

硬い板はハードバーンやハイスピードで攻める方におすすめです。

浮力重視ならロッカー、ターン重視ならキャンバー

ロッカーボードは浮力が大きいですが、安定感がなくターンも鈍重になります。

キャンバーは旋回性能が高く軽快なターンができる反面、浮力はロッカーボードに劣ります。

それぞれメリット・デメリットがあるので、どちらが優れているということはありません。

自分が想定するエリアを想像しながらシェイプを選んでみてください。

ノーズの形状で選ぶ

浮力 スピード ターン 軽快感
ラウンド
ペンシル
スクエア
スプーン

※上記はあくまで目安です。実際はボード全体のバランスで決まります。

エッジではなくソール面全体で滑るパウダーボードのノーズ形状は、浮力を得るうえで重要な要素。

この項では、

  • ラウンド
  • ペンシル
  • スクエア
  • スプーン

4つの代表的なノーズ形状を紹介します。

■ラウンド

出典:モス

もっともオーソドックスなノーズ。

オープンバーンでは抜群の浮力とスピード感を味わうことができます。

ただし、ノーズが重くなる分ターンの軽快感は失われます。

■ペンシル

出典:モス

エッジラインがシャープなので、軽快なターンができます。

浮力もそこそこあるので、オープンバーンでもツリーでも使えるバランス型と言えるでしょう。

■スクエア

出典:モス

ノーズをスクエアにすることで軽量化を実現。

長いパウダーボードだと重量も増えますが、スクエアなら取り回しがとても楽です。

ただし、浮力やスピードレンジはラウンドやペンシルに劣ります。

■スプーン

出典:バタレオン

フィールドアース、TJブランド、バタレオンなど一部ブランドは船底のようなスプーンノーズを採用してます。

スプーン形状にすることで、よりパウダーでの浮遊感を味わうことができます。

テールの形状で選ぶ

浮力 スピード ターン 軽快感
スワロー
ハーフムーン
スクエア
ラウンド
ピン

※上記はあくまで目安です。実際はボード全体のバランスで決まります。

深雪ではエッジが効かないためテールでスピード調整などを行う必要があり、尻尾の形状によって乗り心地が変化します。

代表的なテールとして、

  1. スワローテール
  2. ハーフムーンテール
  3. スクエアテール
  4. ラウンドテール
  5. ピンテール

があります。

テールを見ればそのボードがどんなコンセプトで作られているか、ある程度分かります。

■スワローテール

出典:モス

スワローテールはスピードが出やすく、緩斜面でも失速しにくいのが特徴です。

鋭いエッジラインを描くことができるので、ハードバーンやオープンバーンで活躍するボードです。

■ハーフムーンテール

出典:モス

ハーフムーンテールはスピードコントロールが容易で、オープンバーンからツリーランなど細かいターンが要求されるシーンまで幅広く活躍します。

■スクエアテール

出典:モス

スクエアテールはスピードこそスワローやハーフムーンに劣るものの、ターンコントロールしやすいのが特徴です。

ツリーランやサイドカントリー向きのシェイプ。

■ラウンドテール

出典:モス

ラウンドテールは浮力があるものの抵抗が大きいのでスピードは落ちます。

トリックやフェイキーを多用するボーダーにおすすめ。

出典:モス

ピンテールは決して操作性が良いとは言えないパウダーボードのターンを補う役割があり、ターン後半でもしっかり雪面に食いついてくれます。

ただし鈍重でボードコントロールが難しく、パウダー初心者の方にはおすすめしません。

オールラウンドで遊びたい方はハイブリッドボードがおすすめ

パウダーって、本当にコンディションが良いのは朝一だけだったりします。

午後は圧雪バーンや地形・パークを滑ることも多いですよね。

しかし、深雪に特化している以上、ボードによっては圧雪での滑走に不向きな場合もあります。

近年はパウダーボードでありながら、オールラウンドに滑れるハイブリッドボードのラインナップが増えています。

1枚の板でパウダー・圧雪両方楽しみたいかたは、ハイブリッドボードを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

■ベストなパウダーボードを選ぶ6つのポイント

これから購入を予定されている方は、ぜひ上記の基準を参考にしてください。

なお、おすすめのパウダーボードについては関連記事も参照ください。

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ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。