日本一わかりやすい!スノーボード板の形状をくわしく解説します

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こんにちは、20年以上スノーボードやっている元インストラクターの、らくスノです。

  • スノーボードの板ってどんな形状があるの?
  • ツインとディレクショナルの違いが分かりません…
  • キャンバーとかダブルキャンバーってなんのことですか?

いざボードを買おうと思って楽天・アマゾンの販売サイトを見ても、専門用語ばかりでよく意味がわかりませんよね。

種類や形状・スペックをよく理解しないまま購入してしまうと、上手く乗れなかったり、上達の妨げになることも…

今回はスノーボードの形状の違いを、初心者の方にも分かるように専門用語抜きで解説したいと思います。

この記事を最後まで読めば、プロ並みの目利きになることができますよ!

スノーボード板の形状・スペックの違い

スノーボード板は形状・スペックによって使用用途や乗り心地が異なります。

たとえば会社への通勤で使うのに、大型トラック買わないですよね。

スノーボード板も一緒。

前項で説明した滑走スタイルや、自分のレベルに合わせたボードを選ぶ必要があります。

ではスノーボード板の形状やスペックには、どのような違いがあるのでしょうか?

まるで何かの呪文のようですが(笑)安心してください!

次項から専門用語抜きでわかりやすく説明させていただきます。

ディレクショナルとツインの違い

さっそく聞きなれない言葉が出てきましたね、ディレクショナルとツイン。

図のように、ボードの中心から左右対称ならツインボード、ノーズ(先頭)が長いならディレクショナルボードとなります。

ではなぜ、ディレクショナルとツインという2種のボードが存在するのでしょうか?

それは、操作性や使用用途が異なるからです。

ディレクショナルボード

ディレクショナルボードを横からみると、イラストのような状態になっています。

実はスノーボードはその構造上、重心が後方にあったほうがコントロールしやすいのです。

だから初心者やカービング志向の方はディレクショナルボードを好む傾向にあります。

ツインボード

ツインボードは重心が板の中心になります。

操作性こそディレクショナルボードに劣るものの、左右どちらの足を先頭にしても同じ乗り心地で滑ることができます。

ハーフパイプやキッカー(ジャンプ台)、グラトリ・ジブなどフリースタイル志向の方は、スイッチスタンス(逆足)で滑る場合が多いので、ツインボードをチョイスすることが多いです。

ディレクショナルツイン

ディレクショナルとツインを合わせた「ディレクショナルツイン」というボードも存在します。

重心が少し後方になった板です。

ツインボードとディレクショナルボードの良いとこ取りなので、フリースタイルを楽しみつつターンもばっちり決めたいボーダーさんにピッタリ!

メーカーホームページや楽天・アマゾンの販売サイトに記載があるので、ご自身のレベルや趣味嗜好に合わせて選んでみてください。

 

なお、ツインボードでもセットバックという調整をすれば、ディレクショナルボードのような乗り心地にすることが可能です。

詳しく知りたい方は、下記の記事を参照ください。

スノボ初心者でも簡単!バインディングのスタンス幅と角度、セットバックの決め方

キャンバー、可変キャンバー、フラット、ロッカー、ダブルキャンバーの違い

さて、次は形状の違いについて解説します。

キャンバーやロッカーというのは、写真のように板を真横から見た時の形状の違いです。

各メーカー呼び名の違いはあるものの、おおむね6種に大別されます。

まずは、それぞれの特徴を表にしてみました。

ターン オーリー 逆エッジ 乗りやすさ
キャンバー
可変キャンバー
ロッカー
ダブルロッカー
フラット
ダブルキャンバー

実際は板の硬さ・長さ等で乗り心地は変わるのであくまでイメージですが、なんとなく想像できたかと思います。

次項から形状別の乗り心地の違いについて解説させていただきます。

キャンバー

キャンバーボードの特徴は、グリップの良さと高い反発力です。

図のように、雪面に対して2箇所しか接していないので、自身の体重がすべて2点に集中します。(実際はたわみますので、2点だけしか接してないというのはイメージです。)

野球やサッカーのスパイクをイメージすると分かりやすいですね。

雪面をしっかり捉え、高速時や荒れたコースでも安定して滑ることができます。

【GIF】

またキャンバー形状はオーリー・ノーリーでより高く飛ぶことができるのです。

GIFを見れば一目瞭然、中心のアーチがバネの役割を果たします。

しかし、メリットばかりではありません。

点で支えているうえに板がたわんでも接雪長(雪に接している面積)が広いので、他の形状に比べ逆エッジのリスクが格段に高いです。

※接雪長が広いと、グリップ力が増す反面、逆エッジのリスクは高まります。

また、アーチ部分のバネを使ってジャンプするには、ある程度練習が必要。

かなり技術を要求される形状ですので、キャンバーは中上級者向けの板と言えるでしょう。

【最新版】カービングからグラトリまで!ハイキャンバーボードおすすめモデル

ローキャンバーとは

キャンバーの反りを小さくすることで、より乗りやすくしたキャンバー形状のことです。

後述するフラットやWキャンバーに近い乗り心地になるので、純粋なキャンバーよりもデメリットは減ります。(メリットも減りますが…)

可変キャンバー

近年トレンドになっているのが可変キャンバー形状です。

ブランドによって、ハイブリットキャンバー、フラットキャンバー、バリアブルキャンバーなど様々な呼び名がありますね。

可変キャンバーはその名の通り、通常はキャンバー形状ですが、踏み込んで板がたわむとノーズ(先頭)・テール(後方)がせり上がり可変します。

この可変する形状により、キャンバーのようなグリップ・反発力を保ちつつ、操作性が格段に向上しました。

ターンのしやすさから、入門〜上級者モデルまで多くの板に採用されている形状です。

【最新版】元イントラが厳選!おすすめのハイブリッドキャンバーボード11選

ロッカー

ロッカーとは板がV字の形状をしているボードのことを指します。

ロッカーボードの特徴は、逆エッジしづらく浮力があるということ。

また左右どちらかに荷重すると片足が浮きプレストリックなども簡単にできるので、初心者・初級者の方におすすめの形状です。

しかし、ロッカーボードも良いことばかりではありません。

雪面へのグリップ力が圧倒的に弱く、高速時にふらついたりターンが安定しません。

またキャンバー形状のようなアーチがないので反発が弱く、オーリーしても高さを出すことは難しいです。

近年はグリップ力・反発力が弱いことから純粋なロッカーボードは少なくなり、浅いアーチのダブルキャンバー形状が主流となっています。

※ダブルキャンバーについては後述します。

パウダーロッカー形状とは

深雪に特化した、船底のようにノーズ(先頭)が長いパウダーロッカーという形状もあります。

ダブルロッカー

ロッカーボードの弱点であるグリップ力・反発力を高めたのがダブルロッカー形状です。

逆アーチを2つ設けることでグリップ力・反発力がUP。

さらに踏み込んだ時に接雪長が短くなるので、ターン導入がしやすく逆エッジのリスクも低減されます。

とはいえ、キャンバーやダブルキャンバーに比べると、安定感に欠けるのはたしかです。

中低速域でのグラトリやジブにおすすめの形状と言えるでしょう。

フラット

フラットはその名の通り、横から見た時に反りがない形状のボードを指します。

フラットボードは飛び抜けた特徴はないものの、全てにおいて万能です。

特にプレスやジブアイテムでのトリックを得意とします。

しかし、ロッカーボードと同じくアーチがないため、オーリー時に高さを出すことが難しいです。

また滑走スピードが早くなるほど安定感が失われていきます。

「ロッカー形状じゃグリップが物足りないけど、キャンバーは難しい…」なんて、初級者~中級者におすすめのボードと言えるでしょう。

ダブルキャンバー

ダブルキャンバーボードは、1枚のボードに2つのキャンバー(アーチ)があるボードを指します。

飛び抜けた特徴こそないものの、全てにおいて平均的な性能を有するボードです。

キャンバーボードよりも逆エッジのリスクは少なく、なおかつ3つの接雪点がターンにおいて高いグリップ力を発揮します。

また2つのアーチがバネの役割を果たすので、キャンバーボードほどでないにしろ、かなり高さのあるオーリーができます。

グラトリ、カービング、パーク等…色々なスタイルを楽しみたい方にピッタリの形状ですね。

ただし、飛び抜けた特徴がないので「カービングだけしか滑らない」「低速グラトリしかやらない」など、すでにスタイルが確立されている方には別の形状をおすすめします。

ダブルキャンバーは2種類ある

ロッカー項で紹介した通りダブルキャンバーには2種類あるので、購入時には注意してください。

アーチが浅いダブルキャンバーボードは、乗りやすい反面グリップ力や反発力が弱い。

アーチが深いダブルキャンバーは、乗りこなすのが難しいけどグリップ力・反発力が高い。

中低速グラトリやルーズに乗りたい方は浅いアーチ、ラントリやカービングもやりたい方は深いアーチのダブルキャンバーを選ぶようにしましょう。

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板の先端(ノーズ・テール)の形状

普通スノーボードの先端といったら半円型(ラウンド形状)ですよね。

でも、中には尖っていたり角ばっていたり、様々な形状のボードがあることに気づきます。

実はあえて先端を変形にしている理由は5つあるのです。

  • 軽量化
  • 浮力を得るため
  • 有効エッジを長くするため
  • ターンを円滑にするため
  • ただのお遊び

詳しくは下記の記事にまとめていますので、気になる方は合わせて参照ください。

スノーボードの板の先端(ノーズ・テール)っていろいろ形があるけどどんな意味があるの?

まとめ

形状の違いについてはいろいろなサイトに記載がありますが、

「なぜオーリーしやすいのか?」

「なぜ逆エッジしにくいのか?」

…など、理論的にまとめたものがなかったので記事にしてみました。

ぜひご自身のスタイルを元に、形状にとことんこだわってボードを探してみてください。

きっとあなたにピッタリの板に出会えるはず!

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4 件のコメント

  • いつも拝見させてもらってます。

    質問なのですが、去年からスノボ復帰してターンができ始めたレベルの初心者で今ライドのクルック(5年くらい型落ち)からアジェンダを買うか迷っているのですが、ハイブリッドロッカーは扱いにくいですか?

    • メンマ様

      コメントいただきありがとうございます。
      結論から言えば、アジェンダでぜんぜんOK、というかむしろおすすめです。
      もともとアジェンダ自体初心者の方向けに作られていますが、
      柔らかく適度に遊びがありながらもしっかりターンからグラトリまでできる板に仕上がってます。

      扱いにくいというより、むしろ扱いやすいです。
      ただし、ハイブリッドはバランス型。良くも悪くも特化したスペックがないのでその点は理解しておいたほうがいいかもですね(^^)

      • 返信ありがとうございます。感激です笑

        買うか迷ってましたが、背中を押してもらえました♪今から買ってきます!

        これからも更新を楽しみにしてます(^^)ありがとうございました!

        • こちらこそ、いつも応援していただきありがとうございます!
          お互い良いシーズンになると良いですね!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。