こんにちは、20年以上スノーボードやっている元インストラクターの、らくスノです。
気温が高い早期オープンや春のゲレンデは、普通に雨が降ります。
雨の日のゲレンデは、
- ウェアが濡れて重くなる
- 視界が悪い
- 雪がシャーベット状で滑りづらい
- 濡れると寒い
などデメリットが多いです。
だからしっかり雨対策しないと、とてもスキー・スノーボードを滑るどころではなくなります。
今回は雨の日にスキー・スノボする4つの注意点と、快適に滑るための対策についてお話したいと思います。
この記事を最後まで読めば、雨の日でもトラブルなくスキー・スノボを楽しむことができますよ。
目次
雨の日にスキー・スノボする4つの注意点と対策
スキー場や気温にもよりますが、早期オープンなら12月中旬まで、春スキー・スノボなら3月頃から雨が降ります。
雨の日のゲレンデは降雪時とは勝手が異なるので、しっかり対策をしていくことをおすすめします。
- ウェアが濡れて重くなる
- 視界が悪い
- 雪がシャーベット状で滑りづらい
- 濡れると寒い
次項から注意点と対策について詳しくお話します。
ウェアが濡れて重くなる時の対策
スキー・スノボウェアの生地が雨水を吸って重くなります。
ゴアテックスなどの防水透湿素材であればインナーまで濡れることはないですが、結局外側の生地が濡れてびしょびしょに…
では、具体的にどのような対策を取ればいいのでしょうか?
次項から順番に解説します。
レインウェアを着る
雨の日は保温性の高いスキー・スノボウェアより薄手のレインウェアがおすすめです。
生地が薄いので雨を吸って重くなることもなく、インナーや中間着の着脱で体温の調整も容易です。
そもそも人工雪とか春雪って汚れやすいじゃないですか。筆者は10万円超えのノースフェイスのゴアテックスウェアを持ってますが、汚したくないのでワークマンのレインウェア着てます(笑)
スキー・スノボ用のレインウェアを購入する際は、4つポイントがあります。
- ワンサイズ大きいものをチョイス
- ポンチョは風で煽られるのでNG
- 耐水圧をチェック(耐水圧10,000mm以上あれば十分)
- 透湿性をチェック(透湿性2,000g/㎡以上あればGOOD)
ちなみにワークマンのレインウェアは4,900円(税込)で耐水圧20,000mm、透湿性3,000g/㎡ありました。コスパ最強です。
ワークマンのレインウェアをゲレンデで使った感想については、以下の記事も参照ください。
→ワークマンのレインウェアでスキー・スノボできるか試してみた!
スノボは立ったままビンディングを装着する
雨が降っている状態で雪上に座ると、パンツがびしょびしょになります。
だからスノボのビンディングは立ったまま装着することをおすすめします。
とはいえ「立ったままビンディングを装着するのは難しい…」なんて方も多いですよね。
実は立ったままビンディングを装着するのは、驚くほど簡単なんですよ。滑走レベルに関係なく誰でもできます。
説明すると長くなるので、詳しくは別記事をご覧ください。
→これだけは知っておこう!スノーボードのバインディング装着方法
ウェアに防水スプレーを散布する
雨予報なら絶対に防水スプレーをしたほうがいいです。
耐水圧45,000mm以上のゴアテックスウェアでも、生地自体は濡れて重くなりますからね。
ただし、防水スプレーを塗布する際は注意が必要です。
- シリコンスプレーではなくフッ素スプレーを使用する
- 効果を高めるため防水スプレーする前に洗濯をする
- 滑走直前に防水スプレーをしない
ちなみに筆者はいろいろな防水スプレーを比較しましたが、アメダスが一番でした。
- 国内ブランドという安心感
- 防水機能が長持ち
- コスパが良い
- ほぼすべての素材に使える
- Amazonレビューがずば抜けて良い
とりあえず以下で比較記事も書いてますが、読むのが面倒という方はアメダス買えば大丈夫です。絶対に損はしません。
→元イントラがおすすめするスキー・スノボウェア用防水スプレーは?→アメダス一択!
ゴンドラ・フード付きリフトがあるゲレンデに行く
行き先を変更できるのであれば、ゴンドラまたはフード付きのリフトを備えたスキー場を選びましょう。
滑走中はともかく、リフト乗車中も雨に当たっているのはかなりしんどいです。
それにゴンドラやフード付きリフトなら、乗車中にタオルで身体を拭いたりゴーグルの曇りを取り除くこともできます。
視界が悪い時の対策
雨の日は視界が悪いうえに、ゴーグルに水滴が付着して前が見えづらくなります。
この状態で滑ると、他の滑走者との接触や滑落の危険があります。
まずは安全に滑走できるスピード、他者との距離を意識しましょう。
ゴーグルクロスでこまめに拭いて視界を確保する
雨の日のゴーグルの視界は、いわばワイパーを使わずに車を運転しているようなもの。
水滴がついた状態では5m先も見えないので、衝突や滑落の危険があります。
そんなときはゴーグルクロスを持参しましょう。
リフト乗車時などにこまめに拭けば、視界をクリアに確保することができます。
ゴーグルが曇らないように対策する
そもそもゴーグルが曇る原因は3つあります。
- 汗・雪などの水分がゴーグル内に侵入している
- ゴーグルの隙間やフェイスマスクから吐息が侵入している
- ゴーグルの曇り止めコーティングが剥がれている
視界が悪い以上、ゴーグルが曇らないように対策するのが安全に滑走するベストな方法です。
曇り止めスプレーなども併用して、安全に滑走できる対策をしましょう。
ゴーグルの曇り対策については以下の記事にまとめています。
→これで解決!ゲレンデでゴーグルが曇る3つの原因と対策を教えます
ストップ雪で滑りづらい時の対策
雨の日はいわゆるシャバ雪状態で滑りづらいです。
またノーズ(板の先頭)が雪面に刺さりやすく、転倒や板が折れる危険もあります。
滑りが悪くなったらブラッシングとスクレーピング
ただでさえ人口雪や春のシャバ雪は滑りません。そのうえ雨が降ると、さらにソールが走らなくなるのです。
よく駐車場でスプレーワックスやリキッドワックスを塗っている方もいますが、正直スキー場で塗ってもワックスが浸透していかないんですよね。
そもそも春雪や人口雪が滑らない理由は、板のワックスポケットに入った汚れなんですよ。
だから汚れの上からワックスを塗布しても滑らないのは、誰でも理解できますよね。
そこでおすすめなのがブラッシングとスクレーピングです。プロや日本代表もサポートするチューンショップのオーナーも推奨してました。
実際筆者も昼休憩の時にボードをブラッシング&スクレーピングしてますが、かなり滑走性能が戻ります。
スプレーやリキッドワックスを買うより遥かに簡単でお金もかからないので、ぜひ騙されたと思って試してみてください。
セットバックを入れる、テール荷重で滑る(スノボ)
これは技術的な問題なので、中上級者の方限定の話ですが…
雪面の状況を見て、セットバックを入れたりテール荷重で滑るとノーズが刺さりづらくなります。
セットバックとは板の重心を後方にずらすセッティングのこと。
セッティング方法については以下の記事も参照ください。
→スノボのセットバックって何?→重心を後ろにずらすことで浮力やコントロール性能UP!
濡れて寒い時の対策
注射する時、消毒のアルコールが冷たく感じますよね。これは蒸発熱と呼ばれ、液体が気体になるときに熱を奪ってしまう現象です。
雨で身体が濡れると蒸発熱に近い現象が発生し、底冷えの原因になります。
そんなときは以下の方法を試してみてください。
次項から詳しく説明します。
防寒ゴム手袋を使用する
雨が降っていると、さすがのゴアテックスグローブもびしょびしょになります。
濡れてると指がはめづらいばかりか、手がかじかむ原因になることも…
そんな時におすすめなのが、防水防寒ゴム手袋。
「たしかに濡れないだろうけど、ゴム手袋って…」なんて思ったそこのあなた!
実はテムレスというブランドは、雪山に特化したゴム手袋を発売してます。
防水性はもちろん透湿性も高く、裏側がボアになっていて暖かい。
お値段も2,000円前後とリーズナブルなので、雨のスキー場ではマストアイテムです!
→スキー・スノボ用ゴム手袋!?絶対濡れないテムレスの防水防寒グローブ使ってみた
ブーツには防水スプレー
融雪しやすい早期オープンや春のゲレンデでは、雨の日以外でもブーツがびしょびしょになりますよね。
そんなときにおすすめなのが、ブーツの防水スプレー。
写真をご覧いただければ、防水スプレーの効果は一目瞭然ですね。
【GIF】
また防水だけでなく、汚れを弾く効果も期待できます。
早期オープンや春のゲレンデは土・油が付着しやすいですが、水をかけるだけでさっと汚れを落とすことができます。
筆者がおすすめしているのが防水スプレーはクレップです。洗浄剤付きなのでブーツのケアもバッチリです。
以下レビューも書きましたが、読むのが面倒ならとりあえずクレップ買っておけば間違いありません。
→ブーツを買ったら防水スプレーしよう!古いブーツの撥水能力がUPする方法も伝授します
防水ソックスを使用する
主にトレイルランナーや釣り人の間で話題になっている防水ソックス。最近スキー・スノーボードで使用する方も増えています。
特にデックスシェルの防水ソックスはすごいです。だって、靴下だけで海や川の中を歩いても、足がまったく濡れてないんですから。
ブーツソックスやビニールを被せている人もいますが、はっきり言ってゴアつくし蒸れるんですよね(笑)
防水ソックスなら透湿性はしっかり確保されています。
ブーツではなくソックスで防水するというスタイル。スキー・スノボ用靴下も販売しているので試してみてはいかがでしょうか。
傘の代わりになる防水ハットがおすすめ
雨の日に滑るなら、水が染み込みやすいニット帽よりヘルメットやハットがおすすめ。
特にハットは傘の役割を果たすので、滑走中も雨粒を弾いてくれます。
ゴアテックスでもいいのですが、個人的にはワークマンのハットがおすすめ。
撥水サファリハットは980円とリーズナブルで、しかも乾きやすい。
アゴひも付きで、滑走中に外れることもありません。
雨が降っても息苦しくない防水フェイスマスク
雨の日に滑走すると、顔に雨粒が当たって痛いんですよね…それに、雨が口に入って息苦しいこともあります。
そんな時におすすめなのが、防水フェイスマスク!
防寒対策はもちろん、顔面の保護にもなります。
ハンドタオルを持参する
リフト乗車時や休憩中にこまめにタオルで身体を拭きましょう。
雨を拭き取るだけで、体温が奪われることを防ぎます。
できるだけ雨を避けたいときは標高の高いゲレンデを選ぶ
雨予報でもスキー・スノボがしたいときは、できるだけ標高の高いゲレンデに行きましょう。
天気予報はふもとの市町村を基準にしていることが多いので、標高の高い山へ行けば雨が雪に変わっていることもあります。
■標高の高いスキー場
- 志賀高原(横手山・渋峠) 2,307m
- チャオ御岳 2,190m
- アサマ2000パーク 2,050m
- 丸沼高原 2,000m
- Mt.乗鞍 2,000m
- 万座温泉 1,994m
- 湯の丸 1,965m
- 竜王 1,930m
スキー場の正確な天気を知る方法はライブカメラやX(旧ツイッター)
ゲレンデの天気は「〇〇スキー場 天気」等で検索するのが一番手っ取り早いです。
当日の天気は、ライブカメラやX(旧ツイッター)で調べることができます。
出発前にXで行き先を変更してもいいですね。
初心者同士のスキー・スノボ旅行で雨予報なら延期や予定変更も検討
初心者の方がスキー・スノボを滑るなら晴れか曇りの日がおすすめです。
止まっている時間が長い初心者の方が雨の日に滑るのは、寒くて辛いと思います。
初心者同士のスキー・スノボ旅行で雨予報なら、延期を検討するのもいいでしょう。
まとめ
雨はスキー・スノボをやるには一番過酷なコンディションです。
しっかり前準備しておかないと、1時間で心が折れます(笑)
でも、ちょっと工夫するだけで、雨のスキー場でも快適に過ごすことができます。
ぜひ今回の記事を参考に雨対策をしてください。きっと楽しいスキー・スノボになるはずです。