プロライダーが教える!高速カービングからつなぐラントリのコツ

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こんにちは、20年以上スノーボードやっている、らくスノです。

ここ数年、高速カービングにトリックを織り交ぜたグラトリの進化系ともいうべきスタイル(ラントリ)が流行してます。

でも、「カービングの勢いを失うことなくグラトリする」ってなかなか難しいですよね…

今回は高速カービングにグラトリを織り交ぜるスタイルで大注目の菅谷プロ(スプレッドスノーボード、SPバインディング)に、ラントリのコツについて教えてもらいました。

■この記事で分かること

  • カービングの勢いを失うことなくグラトリするテクニック
  • 内力と外力を使った180のコツ
  • カービング✕グラトリにおすすめのボード選びとセッティング

どれもスクールにでも入らないと聞けない話ばかりです。

この動画のようにラントリしたくないですか?

このテクニックを実践できれば、高速カービングからのグラトリはもちろん、540や720もメイクすることができるようになりますよ!

高速カービングからグラトリするコツは内力・外力を使い分けること

高速カービングとグラトリを織り交ぜるコツは、内力トリックと外力トリックを使い分けることです。

  • 内力トリック…自分の力だけを使ってできるトリック
  • 外力トリック…スピードを回転力などに変換するトリック

内力・外力を意識するだけで、スピード感のあるグラトリをすることができます。

内力トリックとは自分の力だけを使ってできる技のこと

内力トリックとは、自分の力だけを使ってできる技のこと。

オーリーや180など、停止した状態でもできるのが内力トリックの特徴です。

自分の力のみを使って板を回すので、高速時も低速時も一定のクオリティーを保ったまま技がうてます。

またスピードを動力に変換しないので、技をかけても減速しません。

デメリットはオーリーや180など自分の力の範囲でしかトリックできないことです。

540や720をメイクするなら、外力トリックを使う必要があります。

さらに内力トリックは自分の体を使って技をかけるので、空中の姿勢も制限される。

つまり、着地後のカービングに向けた動きが取りづらいということです。

外力トリックとは速度を動力に変換する技のこと

滑っている力を回転力などに変換するのが、外力トリックの特徴です。

メリットはとにかく動きの幅が広い。特に720など高難易度の技はスピードを動力に変換しないと回せませんからね。

また、自分の体を使わなくても技ができるので、トリック後のカービングを想定してあらかじめ空中でフォームを作っておくことも可能です。

デメリットはスピードを動力に変換するので、減速してしまうこと。

また、速度域によって動きを変えなければいけません。

たとえば同じノーリー180でも、低速域ではエッジを深く引っ掛けるが、高速域では浅く引っ掛けないと飛ばされます。

内力トリックと外力トリックの使い分け

では、内力トリックと外力トリックをどのように使い分ければよいのでしょうか。

  • 減速したくない時やカービングで速度を上げていきたい時は内力トリックを使う。
  • 逆にスピードが出すぎたり、減速してもいいような場面では外力トリックを使う。

スノーボードの速度域が1〜10まであるとすると、1から5にもっていくのは大変です。

逆に5から10にもっていくのは比較的早い。

だから1〜5の間は内力トリック、5〜10は外力トリックを使うと、減速無くスムーズなグラトリにつなげることができます。

内力トリックを使ってバックサイド180してみよう!

【GIF】

内力トリックを使ったバックサイド180は簡単です。

滑走中板をフラットにした状態で、後ろを向きながらジャンプすると足が追いついてきます。

慣れてきたらトゥ(つま先)エッジを使ってジャンプしてみましょう。

エッジtoエッジでジャンプできればターンからターンに繋げやすくなりますよ。

外力トリックなら踏み込むだけでノーリー180ができる

【GIF】

難しいのが外力トリックを使ったノーリー180。

最初は低速で構わないので前足のかかとに乗ってください。

そうすると自然に後ろ足が前に出てきます。

徐々に前足のかかとに乗る力を強めていけば、ジャンプしなくても板が勝手に跳ねてくれます。

板と体は常に平行のまま、内力トリックのように体を無理にひねる必要はありません。

外力トリックをマスターすれば回転数を上げることができる

【GIF】

前足のかかとを踏み込んで後ろ足を出した時点で、すでにスピードが回転力に変換されているので、無理に回そうとする必要はありません。

「無理にジャンプしない=外力トリックを使う」ということですからね。

そして一定の段階まで来ると、板が自然に上がってきます。

慣れてきたら、跳ねてから板を引きつけてあげるとさらに高さが出る。

ポイントさえつかめば180から360、540、720と、徐々に回転数を上げることができるようになります。

カービングとグラトリを両立させるボード選びとセッティング

イメージ的にカービングとグラトリのボード選び・セッティングは相反するものだと思っている方も多いです。

■一般的なグラトリボードのセオリー

  • ボードは短め
  • 柔らかい
  • ツインボード
  • ダックスタンス

でも、カービングとグラトリを両立したいなら、あえてセオリーは無視しましょう。

私(菅谷プロ)の場合、基本的にカービングがやりやすいセッティングになっています。

■菅谷プロのボード選びとセッティング

  • ボードは長め
  • 硬い
  • セットバックを入れる(ディレクショナル)
  • 前ふり(前足27度、後ろ足18度)

セットバックを入れてアングルは前ふり、さらにプレートも入れてます。

ただし、フォワードリーンは足の屈伸が阻害されるので、あまり入れてません。

※セットバック、アングルの意味がわからない方は、下記の記事を参照ください。

スノボ初心者でも簡単!バインディングのスタンス幅と角度、セットバックの決め方

メインとスイッチで技のバリエーションが2倍になる

このボード選び・セッティングだと、カービングのやりやすさはもちろん、技のバリエーションも2倍になります。

まずセットバックを入れているので、ノーズ(先頭)が長くテール(後方)が短かい状態になる。

「テールが短い=短い板に乗っているのと同じ感覚」になるので、スイッチで滑った時にキック(板の先端)が近く引っ掛けやすい。

つまりキックからセンターへの重心の移動が少ないので、高回転のノーリーにつなげやすいんです。

逆にメインスタンスだとキックが遠いので引っ掛けにくいが、板がしなる量が多いので高さのあるノーリーができる。

グラトリメインの方はツイン設定が多いですが、私のセッティングだとメイン・スイッチで同じ技でも違う動きになります。

つまりメイン・スイッチで2つのバリエーションが楽しめるし、スタイルも出しやすい。

これがカービングとグラトリを両立させるセッティングの秘密です。

ライダープロフィール

今回教えてくれた菅谷佑之介プロはスプレッドスノーボード、SPバインディングのライダーです。

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インスタグラム

大人気!菅谷プロがプロデュースする、トーションを損なわないラントリプレート。

RECT DISC

撮影協力:神立スノーリゾート

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ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。