こんにちは、元スノーボードインストラクターの、らくスノです。
「バインディングの取り付けって難しそう…」そう思っている方も多いのではないでしょうか。
でも、付け外しできないと板の変形、サビの原因になることも…また、セッティングの変更ができないので、上達の妨げにもなります。
ご安心ください、実はとっても簡単なんですよ!
今回はバインディングの付け方を日本一分かりやすく解説したいと思います。
この記事を最後まで読めば、初心者の方でも簡単にバインディングの取り付けができるようになります。
- 1 スノボのバインディングとは→ブーツと板をつなぐギアのこと
- 2 バインディングを付け外ししない3つのデメリット
- 3 取り付け時間はどのくらい?→慣れれば5分で終わるよ!
- 4 バインディングの付け方3ステップ!道具はプラスドライバーだけ
- 5 ①取り付ける位置を決める
- 6 ②ベースプレートを開き、取り付け角度(アングル)を決める
- 7 ③取り付けとセンターリングの調整
- 8 バートンは規格が異なるので、他ブランドと互換性がない場合がある
- 9 ビンディング本体の調整方法
- 10 ビンディングの外し方→つけっぱなしはNG
- 11 ビンディングが外れない時の対処法
- 12 ビンディングの定期的なメンテナンスと点検ポイント
- 13 おすすめのスノーボードビンディング特集
- 14 まとめ
スノボのバインディングとは→ブーツと板をつなぐギアのこと

スノボのバインディングとは、板とブーツをつなぐギアのこと。
バインがあることで、パワーが板に伝達して、ターンやトリックができるようになります。逆にバインディングがないとターンすることさえできません。
つまりスノーボードをするうえで欠かせないアイテムというわけです。
バインディングを付け外ししない3つのデメリット

バインディングを付け外ししないと3つのデメリットがあります。
■セッティングができない
たとえば初めて運転する車だったら、乗りやすいようにシートやミラーを調整しますよね。バインディングも一緒です。
「付け外しができない=調整できない」と同意義なので、スノーボードがコントロールしづらい。つまり、上達が遅れるということです。
■ネジ穴が錆びる
ネジ穴が錆びてバインが外れなくなります。無理やり外すことはできますが、今度はネジ穴がなめて緩みやすくなることも…
当然ながら、滑走中にネジが外れたらとても危険です。
■板が変形する
板が常にネジで引っ張られている状態なので、変形の原因になります。板が変形すると滑走性や強度が落ちるなどの弊害があります。
取り付け時間はどのくらい?→慣れれば5分で終わるよ!
「でもバインディングの付け外しは面倒…」なんて思った方も多いと想います。でも、ご安心ください!
取り付け自体は、慣れれは5分で終わります。まぁネジを8本締めるだけですからね。
むしろ取り付け角度やスタンス幅(足の開き具合)を決めるほうが時間がかかります。まぁそういったセッティングもスノーボードの楽しいところなんですが(笑)
とはいえ、最初はプラス方向マイナス方向が分からなかったり、ディスクの縦軸と横軸で迷ったりすると思います。
次項からは具体的なバインディングの付け方について、つまずきやすい部分も写真付きで丁寧に解説します。
バインディングの付け方3ステップ!道具はプラスドライバーだけ

用意する道具はプラスドライバーだけ。
取り付ける手順は以下のとおりです。
- 取り付ける位置を決める
- 取り付け角度(アングル)を決める
- 取り付けとセンターリングの調整
専門用語には補足を付けてますのでご安心ください!次項から順番に説明していきます。
①取り付ける位置を決める

まずは取り付けるネジ穴の位置を決めます。
でも、いきなり位置を決めると言われても、どこに取り付ければいいか分かりませんよね。
安心してください、だいたいの板には推奨の取り付け位置がプリントされています。(写真参照)とりあえず何も分からないという方は、推奨の位置に取り付ければ問題ありません。
もしプリントされていない場合は、真ん中に取付ればOKです。
スタンス幅早見表作りました
身長 | スタンス幅の基準値 |
---|---|
160cm未満 | 48cm |
160cm〜 | 50cm |
165cm〜 | 52cm |
170cm〜 | 54cm |
175cm以上 | 56cm |
「いやいや、ちゃんと自分に合った位置にセットしたい!」
よく「スタンスは肩幅を基準に!」なんて言われますが、計測位置で誤差が出やすいですし、一人だと測ることができませんよね。
ご安心ください、わざわざ肩幅を測らなくても上記の表を目安にすればOKです。上の表は日本のプロライダーやイントラさんの平均値から算出してます。

計測位置はビンディングのディスクの中心が起点となります。
足幅の計測方法については以下の記事で詳しく解説してますので、しっかりセッティングしたい方は合わせて参照ください。
→スノボ初心者でも簡単!バインディングのスタンス幅と角度の決め方
②ベースプレートを開き、取り付け角度(アングル)を決める

ベースプレート(足置き)を開き、取り付ける角度(アングル)を決めます。
向かって左側がマイナス方向、右側がプラス方向です。バートンのESTというバインディング以外は、3度づつの調整となります。
取り付け角度は滑り方によって変わる
左足 | 右足 | |
---|---|---|
初心者 | 15~21度 | 9~ー6度 |
グラトリ・パーク | 9~18度 | 0~ー15度 |
カービング・ラントリ | 24~36度 | 9~27度 |
オールラウンド(フリーライド) | 18~24度 | 3~ー6度 |
パウダーラン | 15~36度 | 6~ー6度 |
取り付け角度は、ご自身が志向するスタイルによって変わります。各スタイルのおすすめ角度は上記を参照ください。
ビンディングの角度は3種に大別される

スノーボードの角度は大きく分けて、前ふりスタンス、ナチュラススタンス、ダッグスタンスの3種類があります。
まず普通に滑るだけだったら、自然に正面を向けるナチュラルスタンスがおすすめです。
高速で鋭いターンをしたいなら両足が進行方向の前振りスタンス。
トリック志向なら逆足でもメインと同じように滑れるダックスタンスが良いでしょう。
スノボの角度についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参照ください。
→スノボ初心者でも簡単!バインディングのスタンス幅と角度の決め方
センターディスクは縦向き、横向きどちらでもOK

バインディングのセンターディスク(真ん中の円の部品)をよーく見ると、縦軸と横軸にそれぞれ矢印があります。
どっちに向けるのが正しいのでしょうか?
実はどちらも正しいのです。
縦軸と横軸、両方取り付けることができる理由は、バインディングの位置を微調整するためです。
縦にセンターディスクを配置すれば縦軸に、横に配置すれば横軸の微調整が可能です。
よくわからないという方は、とりあえず縦軸にすればOK!
※ビンディングのセンターリングについては後述します。
③取り付けとセンターリングの調整

板の取り付け位置と角度が決まったら、実際に設置してセンターリングを調整してみましょう。
ブーツが板の中心に来るようにセットすることをセンターリングといいます。
ディスクにネジを入れる穴がいくつかあると思います。とりあえずすべて真ん中のネジ穴に通してください。
ネジは対角の順に締め上げていくと(左上を締め上げたら、次に右下を締め上げる順番)、緩みなく設置することができます。
ただし、ネジをあまり強く締め上げると外れなくなったり、変形の原因になります。過度に締め上げる必要はありません、軽く左右に揺らしてグラつかなければOKです。
ブーツが板の中心に設置されていればセンターリングはOK!

バインディングにブーツをセットして、横から見た時にブーツが板の中心に乗っていればセンターリングはOK!
この時注意したいのが、バインディングではなく、ブーツが板の中心になるよう調整することです。
ブーツが前に出すぎている場合

設置した時ブーツが前に出すぎている場合は、ネジを上のビス穴にいれます。
ブーツが後ろに出過ぎている場合

ブーツが後ろに出過ぎている場合は、ネジを下のビス穴にいれます。
ちなみに間違っているyoutube動画やサイト多いのですが、実は「ブーツのセンター=重心」ではないんですよね。
この話は長くなるので別記事にしました。さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参照ください。
→劇的にコントロールしやすくなる!スノーボードのセンターリング調整方法
板からブーツがはみ出るドラグに注意

ちなみにブーツのつま先やかかとは、2cm程度なら板からはみ出していても滑走に影響ありません。基本ははみ出すものですから安心して下さい。
ただし「がっつりカービングをやりたい」という方は、ブーツが雪面に当たるドラグに注意しなければなりません。
詳しくは以下で解説してますので、気になる方は合わせて参照ください。
→スノーボード板のワイド(横幅)からブーツがはみ出ても良いの?ドラグの疑問にお答えします!
左右のバインディングの見分け方はラチェット(留め具)で判断

バインディングの左右はラチェット(留め具)で分かります。写真のように、ラチェット(留め具)が左右それぞれ外側になります。

また、バインディングの裏などに表記がありますので、不安な方はそちらも参照ください。
ディレクショナルボードは前後に注意

ディレクショナルボードとは、ビス穴からの長さがノーズ(前)とテール(後)で違う板のこと。
フリースタイル競技でよく使用されるツインボードは、前後対称なのでどちらが前でも構いません。
しかし、ディレクショナルボード(ディレクショナルツインも含む)は前後が非対称です。
一番外側のビス穴から板の先端までが長いほうがノーズ(先頭)ですので、取り付ける際は注意しましょう。
自分の板がディレクショナルボードかどうか分からない場合は、メジャーで前後の長さを測ってみてください。
滑走中のネジの緩みが気になる方はスノーボード用ボルトがおすすめ
滑走中ネジの緩みが気になる方も多いと思います。でも、あまり強く締めすぎるとソール面が変形したり、外れなくなることも…
そんな方におすすめなのが、スノーボード用ネジ。ネジが戻らない構造なので、どれだけ滑っても締め直しが必要ありません。
ちなみに筆者も10年以上愛用しています。
なお国産ボードと海外産ボードではビスのサイズが異なります。
国産は15mm、海外産は16mmが多いですが、念のため購入前に今のビンディングのビスの長さを測って置くことをおすすめします。
バートンは規格が異なるので、他ブランドと互換性がない場合がある

実は世界最大のスノーボードブランドであるバートンは、Channelという独自のジョイント規格を採用してます。
現行モデルなら他ブランドでも取り付け可能なことが多いですが、中古・型落ち品は設置できない場合もあります。
バートンのビンディング、またはボードの互換性が気になる方は、以下の記事も参照ください。
→バートンの板に他社ビンディングは設置できる?他ブランドの板とバートンビンディングの互換性は?
ビンディング本体の調整方法

今回は設置方法について解説してきましたが、実はビンディング本体もいろいろ調整ができます。
バインディング本体のセッティングが合っていないと、コントロールしづらかったり上達の妨げになることも…
せっかく実力があるのに、セッティングのせいでうまく乗れないのはもったいないですよね。
詳しくは下の記事にまとめてますので、ビンディングの調整も挑戦してみましょう。
→劇的に滑りやすくなる!?誰でもできるスノーボードのセッティング方法教えます
ビンディングの外し方→つけっぱなしはNG

続いてはバインディングの外し方について解説していきます。
まず大前提として、ビンディングは定期的に外してください。なぜならビンディングをつけっぱなしにしておくと、ネジが錆びて外れなくなるからです。
「どうせ外さないから錆びてもOK」という方もいるかもしれませんが、あまりに長期間つけっぱなしにしておくと板が変形してきます。
変形すると滑走への影響はもちろん、中古で販売する時に不利になるのは言うまでもありません。
本来ならスノボへ行く毎にできるのがベストですが、面倒ならせめてシーズン終わりには外しましょう。
バインディングを外すのに必要な道具はマイナスドライバーだけ

用意する道具はマイナスドライバーだけです。ベースプレート(足を置くクッション部分)をペラッとめくってください。
あとはネジを外すだけ!板から外したネジは紛失しやすので、バインディングのネジ穴につけたままベースプレートを閉じてください。
スタンスや角度をメモしてビンディングに挟んでおく
をメモして挟んでおくと再度取り付けるとき便利-533x400.jpg)
次回スノーボードへ行くまでに期間がある場合は、ビンディングのスタンスや角度(アングル)をメモして挟んでおくと再度取り付けるとき便利です。
※サビの原因になるので、濡れている場合はしっかり乾燥させてからケースに入れましょう。
ビンディングが外れない時の対処法

「角度を変えようと思ったら、ビンディングが外れない…」
ビンディングのネジが外れない原因は錆びてしまっている可能性が高いです。
かといって力任せに回し続けると、ネジ山がナメてしまい(平になってしまう)余計外れにくくなります。
そんなときは以下の方法を順番に試してみましょう。
- ♯3のマイナスドライバーを使う
- サビ取りスプレー(潤滑油)をネジ穴に散布
- ショックドライバーを使う
- 購入したお店、メンテナンスショップに持参
♯3のマイナスドライバーを使う
そもそもビンディングのネジ山とマイナスドライバーのサイズが合ってないと、取り外しづらいです。
スノーボードのビンディングネジは♯3というサイズのマイナスドライバーを使って外しましょう。
サビ取りスプレー(潤滑油)をネジ穴に散布
♯3のマイナスドライバーを使っても外れないときは、サビ取りスプレー(潤滑油)をネジ穴に向けて散布してください。
しばらく放置したあと、ゆっくり左に回してみましょう。
サビ取りスプレーはホームセンターなどで1,000円前後で購入できます。
ショックドライバーを使う
サビ取りスプレーを使っても外れないときは、ショックドライバーを使います。
ネジ穴にドライバーをセットし、トンカチで叩くと衝撃で外れる仕組みです。
ホームセンターなどで1,500円前後で売ってます。
購入したお店、メンテナンスショップに持参
ショックドライバーを使えば、ほとんどのネジは外れると思います。
それでも外れないときは購入店やメンテナンスショップに持参するしかありません。
ビンディングの定期的なメンテナンスと点検ポイント

メンテナンスと言っても、基本は板から外してしっかり乾かすだけです。また、ストラップ部分などネジが緩みやすい箇所は定期的に締め直します。
ビンディングが完全に乾いたら、屋内保管します。よく車内や屋外のガレージ・物置に放置する方がいますが、ビンディングは高温多湿に弱いのでNGです。
寿命と交換時期の目安→10年前後
ビンディングの寿命は10年を目安にしてください。もちろん乱暴な使い方をしなければ10年以上使えます。
しかし、製造物責任(PL)法では、損害賠償請求権は「その 製造業者等が当該製造物を引き渡した時から十年を経過した時」に消滅します。
つまりメーカー側としては「販売から10年以上経った製品は保証できない」ということになります。そりゃプラスチックや接着剤が何十年ももつわけないですからね。
実際中古価格も10年を境にガクンと下がります。だから、買い替えは10年を目安とすると良いでしょう。
おすすめのスノーボードビンディング特集
以下の記事では筆者の友人のイントラやショップ店長から聞いた、おすすめのビンディングブランドやおすすめモデルを紹介してます。
レベル別にピックアップしているので、スノボ初心者の方から上級者の方まで役立つ内容になっています。
ビンディングをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。
→元スノボイントラが厳選!カービングガチ勢におすすめのビンディング10選
→グラトリにおすすめのビンディング→329人に聞いたらフラックス、バートン、ユニオンでした
まとめ
初心者の友人がスノーボード一式買ったとき、バインディングの設置までお店にお願いしました。
後日その板のセッティングを見た私はびっくりしました。
なぜなら、バインが左右反対に取り付けられていたからです(笑)
自分でセッティングできるようになれば、こういったトラブルも未然に防ぐことができます。
最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れたらあっという間に取り付けできるようになりますよ。
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