こんにちは、20年以上スノーボード滑っている元イントラの、らくスノです。
- SNSではバートンのブーツが評判なので、ネットで購入する予定です!
- 柔らかいブーツがグラトリ向きなんですよね?
- グラトリ用に軽いブーツを探しています!
上記はすべて間違い。
なんの知識もなくグラトリ用ブーツを購入すると、絶対に足の痛みやかかと浮きに悩むことになります。
今回は正しいグラトリ用ブーツ選び方を解説します。
この記事を最後まで読めば、自分にピッタリのグラトリブーツを手に入れて、120%のレスポンスを発揮することができるようになります。
目次
グラトリ用ブーツの選び方9つのポイント
グラトリブーツの選ぶ時に重要な9つのポイントがあります。
- グラトリブーツは試着してから購入
- 自分の目指すべきスタイルを考えておく
- 試着したいモデルを選んでおく
- ブーツのフレックスを選ぶ
- ブーツの締め方を選ぶ
- フィット感をチェック
- 可動域をチェック
- ホールド感をチェック
- 反応をチェック(中・上級者向け)
次項から順番に解説します。
グラトリ用ブーツは必ず試着してから購入
大前提として、グラトリ用ブーツは必ず試着してから購入しましょう。
なぜなら人の足型は千差万別、たとえ同じサイズでも形が異なるからです。
くれぐれもインターネットやYou Tubeの評判のみで選ばないようにしてください。
同じサイズでも足型は千差万別
「同じ靴サイズの友達もそのモデルのブーツ履いてるし…」
たとえ同じ靴サイズでも、人によって甲高だったり扁平だったりしますよね。
特に海外ブランドは甲高幅狭に作られているので、人によってはまったく合わないこともあります。
だから最終的にその人に合っているかどうかは、履いてみるしかないのです。
ボードやビンディングと違い、評判の良いブーツが自分にとってベストな選択肢とは限りません。
あなたに合うブーツが、すなわちベストなブーツ。
特にグラトリやるんだったら、ブーツが合ってないのは致命的です。
どこで購入するにしても、失敗したくなかったら必ず一度試着してくださいね。
自分の目指すべきスタイルを考えておく
一口にグラトリと言っても高回転系、乗り系、ラントリ系…様々なトリック・スタイルがあります。
あらかじめ自分が目指すスタイルを考えておかないと、このあとのブーツ選びもスムーズにいきません。
たとえば車を選ぶ時も一緒です。
近所への買い物へ使うのか、レジャーで使うのか、荷物の運搬で使うのか…あらかじめ用途が決まってないと選びようがありませんよね。
あらかじめyoutubeのプロライダーの動画などをチェックして、どのようなスタイルを目指したいのか確認しておきましょう。
そもそもどんな技があるか分からないという方は、以下の記事も参照ください。
→グラトリの技ってどんな種類があるの?カテゴリー別にyoutube動画まとめてみた!
試着したいモデルを選んでおく
あらかじめ試着したいモデルを2〜3つチョイスしておきましょう。
なぜなら店員さんはお店にあるブーツしかおすすめしないからです。
そのお店にあるブーツしか試着できないと、それだけ選択肢が狭まってしまいます。
また、必ず複数のブーツブランドを履き比べるようにしましょう。
スノーボードブーツは複数のブランド・モデルを比較することで、フィット感、ホールド感、可動域が感覚で分かってくるようになります。
おすすめのブーツに関しては以下の記事を参照ください。
→プロライダーやショップ店長に聞いた!グラトリにおすすめのブーツ10選
ブーツのフレックスを選ぶ
グラトリするうえで大事なのがブーツの硬さ(フレックス)ですが、グラトリ用は通常のブーツ選びと勝手が異なります。
一般的には初心者は柔らかいブーツ、上級者は硬いブーツというのがセオリーです。
しかし、グラトリ用ブーツの場合、自分が目指すスタイルでフレックスが決まります。
ブーツの硬さとスタイル
ソフト | 低回転、乗り系、低速グラトリなど |
ミディアム | 万能に遊びたい |
ハード | 540以上の高回転、ラントリなど |
たとえばハードフレックスのブーツだと、体をひねったり曲げたりといったスタイルの出し方は不得手です。
まぁ中にはソフトフレックスで720メイクする猛者もいますが(笑)
グラトリ用ブーツは、目指すスタイルを基準にブーツのフレックスを選ぶことをおすすめします。
ブーツの締め方を選ぶ
ボア | シューレス | スピードレーシング | |
脱着が早い | ◎ | ○ | △ |
締め分けができる | △ | ○ | ◎ |
緩みにくい | ◎ | ○ | △ |
ひもの強度 | △ | △ | ◎ |
さて、いよいよここからブーツ選びが始まります。まずはブーツの締め方です。
ブーツには3タイプの締め方があります。
締め方次第で使用感も変わるので、メリット・デメリットをしっかり理解しましょう。
モデルによっては締め方別に2種類以上販売していることもあるので、好みでチョイスしてもいいですね。
ボア(ダイヤル)タイプ
出典:バートン
今主流になりつつあるのが、ダイヤルを回すだけで素早く簡単に締め上げることができるボアタイプ。
ボアタイプの特徴は、ダイヤルを回すだけで簡単に締め具合が調整できることです。
しかも緩みにくいので、一度締め上げれば1日中快適に滑ることができます。
ただし、「足首・甲はきつく、スネは緩く」といった部位別の締め分けができないので、可動域を微調整したい方には向きません。
またダイヤルを強く回しすぎると、ワイヤーが切れることがあります。(実際筆者も切れたことがあります。)
スピードレーシングタイプ
出典:バートン
ひもを引っ張るだけで、簡単に締め上げることができるタイプ。
ボアタイプほどではないですが、かなり脱着も早いです。
ある程度締め分けもできますし、バランス型と言えるでしょう。
ただし、ヒモが絡まると解くのが面倒ですね。
また、ボアタイプ同様強く引っ張りすぎると、ひもが切れたり金具が壊れることがあります。
シューレスタイプ
出典:バートン
昔ながらのひもタイプ。
何と言っても一番のメリットは、部分ごとに締め分けが可能なことです。
- ラントリするときは足首を緩めてエッジを立てやすくする
- 高回転を練習するときは全体的に強く締める
- 絞ってスタイル出したいから、甲以外はすべて緩める
- 怪我をしているからスネは緩める
- 骨が当たって擦れるから足首だけ緩める
…等々、スタイルや足の状態に合わせて自在な締め分けができます。
ただし、履くのに時間がかかるうえ、女性の方はキツく締め上げるのが大変ですね。
また緩みやすいので、定期的に締め上げなければなりません。
マルチシューレスタイプは良いとこ取りブーツ
出典:ディーラックス
最近はそれぞれのメリット・デメリットを補ったマルチシューレスタイプのラインナップも増えてます。
たとえばディーラックスブーツは、モデルによってシューレス、BOA、ベルクロの3つで調整が可能です。
- BOAで全体を素早く締め上げることができる
- シューレスで締め具合が微調整ができる
- ベルクロで可動域が簡単に調整可能
どちらのメリットも享受したい方は、マルチシューレスブーツも検討してみましょう。
フィット感をチェックする
試着するモデルが決まったら、実際に履いてみましょう。
まずは全体的なフィット感を確認します。
- つま先は当たってないか(つま先がギリギリつかないくらいがベスト)
- 足の幅は狭くないか
- くるぶしに圧迫感はないか
- 足の甲は痛くないか
「初心者なので、許容範囲がわかりません…」
いえいえ、履き比べていけば、初心者の方でもブーツの合う合わないが分かってきます。
最低3モデル以上履き比べてチェックしてみましょう。
ちなみに右足左足でも足型は異なります。
片足のフィット感が良くても、念の為両足履いてチェックことをおすすめします。
可動域をチェックする
フィット感が良かったモデルは、可動域をチェックしてみましょう。
自分が日頃練習しているトリックをイメージしながら、その場で足を踏み込んで、フレックスをチェックします。
基本的には
- 柔らかいブーツ…乗り系、低速グラトリ
- 硬いブーツ…高回転系、高速グラトリ
というのがセオリーです。
もちろん上級者になれば、フレックスの向き不向きを技術でカバーすることもできますが、最初は上記を意識しながら選んでください。
締め具合でも可動域を調整できる
足首のフィット感は、ブーツの締め具合でも調整できます。
たとえばすね部分はゆるく、甲部分を強く締め上げれば、乗り系グラトリで絞ったり曲げたりといったスタイルが出しやすくなります。
ただし、必ずシューレスやダブルBOAなど締め分けができるモデルを選びましょう。
ホールド感をチェックする
さて、踏み込んだのはいいけど「かかとが浮く」「足の甲やつま先がガバガバ」なんてこともあります。
「初心者だからホールド感なんて分からないんだけど…」
ご安心ください。前項でお話した通り、ブーツは相対評価です。
色々なモデルのブーツを履き比べていけば、必ず「このブーツ、ホールド感が他モデルより全然良い!」というのが、感覚で分かるようになります。
ホールド感はヒールポケットが一番重要
私が試着するときに一番チェックしているのがヒールポケット。インナーブーツのアキレス腱を包み込むような凹凸ですね。
グラトリするときにかかとが浮くのは致命的。だからこそ、ヒールポケットのフィット感は一番重要なんです。
人間の骨格上、アキレス腱を押さえれば絶対にかかとは浮きません。
特にヒールポケットのサポート力をメインにブーツを選ぶと絶対に失敗しないです。
反応をチェック(中・上級者向け)
最後は中上級者向け。ブーツの反応を確認してみましょう。
一般的には、
- ソフトフレックス…足への負担は少ないけど、反応が遅い
- ハードフレックス…足への負担は大きいけど、反応が早い
というのがセオリーですが、実はカフや足裏でも反応速度は変わってきます。
カフの形状で変わる!足首の自由度と操作性
実はグラトリ上級者ほどチェックしている部分があります。それがカフの形状です。
※カフとはブーツの足首部分のこと。
同じフレックスでもカフの形状で操作性は変わります。
カフ形状はグラトリの精度に大きく影響するので、購入前にチェックしましょう。
完全分離型カフはスタイルが出しやすい
反応こそ劣るものの、可動域を広く取れるのが分離型カフの特徴です。
サーフィンのように「足裏の荷重で操作しよう」というコンセプトで作られています。
グラトリではスタイルを出しやすく、カービング・ラントリではポジションを取りやすい。
柔軟性が高いブーツといえるでしょう。
ハイブリッド型カフはバランスが良い
カフが完全に分離してはいないが、ゴムや柔軟性のある生地などで可動域が保たれたモデル。
可動域と反応のバランスが取れたブーツです。
一体型は反応が良い
カフが完全に一体化したモデルです。
足の可動域は限られますが、反応は抜群。
どちらかといえば、高回転やラントリ志向の方におすすめのブーツですね。
ソールの硬さで変わる反応
ソールのフレックスもブランドやモデルによって全然違います。
当然乗り心地に影響するので、中上級者ほどチェックすべきですね。
チェック方法は親指でグッと押してみるだけです。
- 外側(写真黄色部分)が硬い…反応は早いが足への負担が大きい
- 外側が柔らかい…乗り系グラトリがやりやすいが反応が遅い
- 内側(写真紫色部分)が硬い…足裏感覚は良いが足に負担がかかる
- 内側(写真紫色部分)が柔らかい…クッション性は良いが足裏感覚が悪い
スタイルや好みでも変わってくるので、どちらが良い・悪いということはありません。
ソールのフレックスも複数のモデルを触ってチェックしてみてください。
ボード・ビンディングとブーツのフレックス(硬さ)には相性がある
ボード・ビンディングとブーツのフレックス(硬さ)にも相性があるのをご存知でしょうか。
【ボード・ビンディングとブーツの相性】
硬いブーツ | 柔らかいブーツ | |
硬いボード・バイン | ◎ | ✖ |
柔らかいボード・バイン | ○ | ◎ |
セオリーで言えば硬いボード・ビンディングと柔らかいブーツの組み合わせはNG。
それこそ、スポーツカーに軽自動車のエンジン載せるようなもの。
グラトリをメインとするなら、フレックスの相性にも注意しましょう。
ビンディングとブーツの相性・サイズ違いに注意
ビンディングとブーツには少なからず相性があります。
最近は「ブランド違いでまったく合わない」ということは減りましたが、それでも中にはヒールカップに隙間ができたり、かかと・つま先が大きくはみ出してしまうことも…
特にメーカーごとのS・M・Lのサイズは要注意。
同じサイズのブーツを購入しても、ブランドが変わるとバインディングに入らないなんてトラブルがあります。
相性・サイズが気になるなら、ご自身が使っているバインディングを直接お店に持参して、購入予定のブーツと合わせてみましょう。
グラトリにおすすめのブーツモデル
自分に合っていないブーツを履いていると、いつまで経っても上達は望めません。
私はプログラトリライダー、ショップ店長、A級インストラクターなど、業界トップの知人・友人がたくさんおります。
そんなグラトリ・ラントリ界のトッププレイヤーの評判を元におすすめモデルをピックアップしてみました。
下の記事を読めば、あなたにピッタリのグラトリブーツが見つかります!
→プロライダーやショップ店長に聞いた!グラトリにおすすめのブーツ10選
まとめ
板、ブーツ、ビンディングの3点の中で、もっとも重要なのがブーツです。
なぜなら唯一体に触れるギアだから。
正直板とビンディングはちょっとくらい間違えて選んでも、逆に新しい発見があって面白かったりします。
でも、グラトリに使うブーツだけは合わないものを選んでしまうと、パフォーマンスの低下どころか痛みで滑るのもいやになってしまいます。
この記事をスクショして、その場でチェックしても構いません。
ご自身にぴったりフィットしたグラトリ用ブーツを購入して、楽しいシーズンにしてくださいね!
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