スキー・スノボ盗難対策の救世主!?エアタグがGPS代わりになるかスキー場で実験してみた

※本ページは広告が含まれています。

こんにちは、20年以上スノーボードやっている元イントラの、らくスノです。

「スキー・スノボ盗難ってGPS付ければ解決しない?」

結論から言えば、現状スキー・スノボに取り付けることのできるGPSは存在しません

でも、GPSに替わる技術は存在します。それがスマートタグというわけです。

しかし、このスマートタグはGPSとくらべて制約が多いのも事実。

今回はスマートタグの代表格、アップルのエアタグをスキー場で使ってみました

この記事を最後まで読んでエアタグを使えば、スキー・スノボが盗難に遭う可能性が減少するかもしれませんよ!

※当コンテンツの商品はすべて自費で購入しております。メーカーから一切報酬を得ていません。評価・選定基準のガイドラインに関してはこちらを参照ください。

スキー・スノボ盗難対策としてのGPSは無い

現在スキー・スノボ盗難対策としてのGPSはありません。もちろん子どもの見守りや車両盗難対策としての携帯GPSはたくさん存在しますが、

  • そもそもGPS本体が大きすぎる
  • 月額料金がかかる
  • 本体料金が高い

上記の理由から、スキー・スノーボードで使うのは実質不可能です。でも、GPSのかわりになる存在として、スマートタグというアイテムがあります。

スマートタグは狭い範囲で使える小型GPS

スマートタグ(Bluetoothトラッカー)は、狭い範囲で使える小型GPSと思ってください。

■GPSとスマートタグの違い

  • GPS…人工衛星で位置を特定。
  • スマートタグ…有効範囲は約10〜120m。専用アプリで位置を特定。

主に忘れ物や落とし物を探すアイテムとして使われています。

アップルのエアタグなら全国のiPhoneが自動で板を探してくれる

スマートタグは有効範囲が狭いのが、盗難対策としては致命的欠点だったんですよね。

そんなスマートタグの有効活用に一石を投じたのがアップルのエアタグ。

なにしろ盗難に遭ったボードの半径10m以内にアップルユーザー(iPhone、iPad、MacBook)がいれば、世界中どこでも位置が特定できるのですから。

iPhoneは日本だけで数千万人のユーザーがいますからね。

エアタグ自体は盗難防止装置ではありませんが、現状もっともGPSに近い機能を有したスマートタグがエアタグというわけです。

エアタグはBluetoothではなく、より精度の高いUWB規格です。

エアタグ6つのメリット

エアタグを盗難対策に使うメリットは以下の通りです。

  • 付近にiPhoneユーザーがいれば位置を特定できる
  • 本体が小さい
  • 本体だけ購入すれば(定価4,980円)サブスク費用がかからない
  • 3時間経つと犯人のスマホに警告される
  • プライバシーが守られている
  • 電池が交換できる

スマートタグ(Bluetoothトラッカー)自体は各社から発売されていますが、盗難されたボード付近に共通のユーザーがいないと探し出すことができなかったんですね。

でも、圧倒的ユーザー数を誇るiPhoneなら、より盗難されたボードを探し出せる確率が高くなる。

さらにサブスク費用が一切かからないうえに、電池交換すれば壊れるまで使い続ける事ができます。

エアタグ6つのデメリット

エアタグのデメリットは以下のとおりです。

  • iPhoneユーザーしか使えない
  • 一定時間経つと犯人のスマホに通知される
  • 設置できる場所が限定的
  • エアタグを捨てられると効果なし
  • 近くにiPhoneユーザーがいないと場所を特定できない
  • 犯人が動いている時は正確な位置を特定できない

執筆時点でエアタグはiPhoneユーザーしか使えません。

また小さいとはいえ厚さがあるので、設置できるのはビンディングのベースプレート裏のみになるでしょう。

【2024.7追記】板に貼り付けるタイプのエアタグホルダーがついに発売されました!

その他のメリット・デメリットについては、検証結果をもとに説明させていただきます。

スキー場でエアタグが使えるかゲレンデで検証してみた

実際に丸沼高原スキー場でエアタグを使ってみました。

検証結果は以下のとおりです。

  • センターハウス付近ではしっかり位置を表示
  • 駐車場内でもiPhoneユーザーが通れば位置が分かる
  • タイムリーな位置情報は追えない
  • 30分以上他人のエアタグを所持していると通知される

順番に解説していきます。

エアタグ自体の設定は1分で完了します、簡単です。

センターハウス付近ではしっかり位置を表示

今は大体の人が滑走中もスマホを携帯しているので、センターハウス付近でもしっかり位置を表示してくれました。心配だった低温下での影響もなし。

ある程度位置が分かれば、音を鳴らしたり道案内機能を使うことで発見が容易になります。

ちなみにセンターハウス内でもちゃんと位置が確認できました。

駐車場内でもiPhoneユーザーが通れば位置が分かる

「人通りが多いセンターハウス付近はともかく、駐車場では難しいのではないか?」と思いましたがしっかり位置が表示されました。

ただし検証したのは週末だったので、スキーヤー・ボーダーが少ない平日や閑散期に使えるかどうかは未知数ですね。

タイムリーな位置情報は追えない

GPSのようにタイムリーな位置情報は表示されないので、持ち歩かれると分からないです。※位置情報の更新は数分〜数十分かかります。

30分以上他人のエアタグを所持していると通知される

ストーカー防止のため、30分以上他人のエアタグを所持していると「現在このエアタグの所持者はあなたの現在地を見ることができます」と犯人に通知されます。(犯人がiPhoneユーザーだった場合)

「これじゃ犯人にエアタグの存在がバレてしまうじゃない?」

そう思われるかもしれませんが、この機能は決してデメリットではないんですよね。

通知問題に関しては、次項で詳しく解説します。

検証結果から分かったスキー・スノボ盗難対策として使えるシーン

検証結果から分かった、エアタグが盗難対策として使えるシーンは以下のとおりです。

  • 犯人がスキー場内にいる
  • 犯人がボードを車中に保管している
  • 犯人がiPhoneユーザー
  • 友達と手分けしてエアタグの位置を捕捉
  • 場当たり的な犯行

順番に説明していきます。

犯人がスキー場内にいる場合

タイムリーに追跡することはできませんが、犯人がスキー場内にいて、ある程度位置が分かれば探し出せる可能性が高まります。

犯人がボードを車の中に放置している場合

位置さえ動かなければ、かなり正確な場所を特定できるので、犯人を見つけられる可能性が高まります。

犯人がiPhoneユーザーの場合

犯人が常に自分の位置を発信している状態ですからね(笑)仮にスキー場外にいても追跡できる可能性があります。

友達と手分けしてエアタグの位置を捕捉

犯人の探索と並行してiPhoneユーザーの友達に動き回ってもらえば、人がまばらでも犯人をトラッキング(位置の捕捉)できる可能性が高くなります。

犯人が場当たり的な犯行の場合

前述の通り、30分経過すると犯人のiPhoneに「現在このエアタグの所持者はあなたの現在地を見ることができます」と警告されます。※2

でも、よほど窃盗に慣れてなければ(特に場当たり的な犯行の場合)、こんな通知が来たらビビると思うんですよ。

まして、すべての犯人がエアタグの存在を知っているわけではないですから、「冷静にスマートタグを捨てる」なんて行為ができるでしょうか。

そうなると、恐れをなして元に戻す可能性も高まりますよね。

※2専用アプリをダウンロードすれば、アンドロイドでも通知が可能になります。

一番有効な防犯対策はワイヤーロック!おすすめはケーブル型

前述の通り、エアタグは完璧ではありません。

現状スキー・スノボ防犯用ロックとして一番有効なのはワイヤーロックです。とはいえ、ワイヤーロックも種類を選ばないと、抑止力にさえならないことも…

筆者が3種類の防犯ロックを購入して検証した結果は、以下のようになりました。

  • ワイヤーロック型は工具不要で簡単に破壊できる
  • コンパクトワイヤーケーブル型は強度が高く、持ち運びも便利
  • ワイヤーケーブル強化型は容易に破壊できないが携行に不便

これから購入するなら、コンパクトワイヤーケーブル型をおすすめします。検証の詳細を知りたい方は、以下の記事も参照ください。

【実験済み】切れないワイヤーロックのおすすめは?→ケーブル型

100均のロックはNG!定期的に油をさしておかないと外れなくなる

「100円均一にも自転車用のロックがあるけど、あれ流用できないの?」

結論から言えば、100円均一のロックはやめたほうがいいです。

たしかに安い割にはワイヤーの強度は高いんですが、鍵穴の作りが悪すぎる…鍵を挿入してもなかなか回らないんですよ(笑)

しまいには濡れると錆びて、鍵がまったく使い物にならなくなります。

筆者は自転車の鍵として100円均一のロックを使ってたんですが、2〜3日で鍵が取れなくなって焦りました。

たまたま家だったんでクレ556で外しましたが、ゲレンデだったらそうもいきませんからね。

スキー・スノボの盗難保険は2種類ある!でも全額は保証されないよ

「盗まれた時のために、盗難保険ってないんですか?」

スキー・スノーボードの盗難を金銭的に保証してくれる保険は2種類あります。

1つ目はレジャー保険。あくまで怪我や損害賠償に対する保証がメインですが、盗難特約が付帯されている保険もあります。

2つ目は携行品特約。クレジットカード、火災保険、自動車保険などには携行品特約と呼ばれる補償が付帯している場合があります。

要は2つともメインの保険のおまけですね。まずは保険の契約書の特約を確認してみましょう。

ただし、免責金額(自己負担しなければならない金額)が設定されているので、実質全額戻ってくることはありません。

やはり複数の防犯対策を実施して、盗まれないことが大事なんですね。

GPSだけでは完璧ではない!有効なのは複数の盗難対策を行なうこと

エアタグ自体は完璧な防犯対策ではありません。

しかし、仮にGPSやアラーム機能をつけても完璧に盗難を防ぐことは不可能でしょう。

スノーボードの何倍も強力なセキュリティーを施した高級車が盗難されている事実が、防犯の難しさを物語っています。

盗難対策はしょせんいたちごっこ、まして手慣れた窃盗犯からスノーボードを守ることは不可能です。

■スキー、スノーボードギアを守るための9つの対策

  1. 見える位置に置く
  2. リフトでしか行けない場所に置く
  3. 車に載せる
  4. ワイヤーロックをする
  5. シールを貼る
  6. 防犯シールを貼る
  7. 製造番号を控えておく
  8. 盗難保険に入る
  9. 携行品特約に加入してないか調べる

ご自身の大事な板を守るためにも、複数の盗難対策をして犯人に「この板は盗むのが面倒だ」と思わせることが重要です。

スキー場で板を盗まれた…盗難被害が増えている理由と防止対策とは

今後のアップデート次第で機能が変更する可能性があります

今回のエアタグの情報は執筆時点のものです。

今後のアップデート次第で機能が変更する場合もありますので、最新の情報はアップルホームページで確認してください。

アップル公式サイト

まとめ

今回の検証結果として、エアタグは「無いよりは見つかる可能性が高くなる」程度のものでした。

まぁそもそも防犯グッズではなく、忘れ物・遺失物対策ですからね…

とはいえ税込4,980円で購入できるなら、使ってみる価値は十分あると思います。

ただし、防犯対策は1つで完璧ということはありません。

複数の対策をして、窃盗犯に「このスノーボードは盗むと面倒だ」と思わせることが重要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。