こんにちは、20年以上スノーボードやっている元イントラの、らくスノです。
FNTC(読み方:エフエヌティーシー)はドイツ生まれのファナティックを日本にローカライズしたブランドです。
要は日本のグラトリ・ラントリシーンや雪質に特化したブランドがFNTCということになります。
そしてローカライズの中心となるのが、大人気You Tubeチャンネル「スノボー先生」で動画を配信しているタッキーさんです。
今回はファナティックとFNTCの違いやおすすめモデルについてお話したいと思います。
この記事を最後まで読めば、なぜFNTCがこれほど売れているかお分かりいただけると思いますよ。
目次
ファナティックとFNTCの違い→グラトリ・ラントリに特化している
ファナティックはオールマウンテンやパークボードを多数販売しているドイツの人気ブランドです。
もちろんグラトリができないことはないですが、そもそも日本のグラトリ・ラントリシーンなんて意識して作ってません。
サイドカーブやフレックス・トーションなど、グラトリ独特の刺し・弾き・乗りといった動きに対応しづらい。
その点、FNTCは日本におけるグラトリ・ラントリシーンの第一人者であるタッキーさん自身が開発に関わっているので、日本のスタイルにマッチした板に仕上がっているというわけです。
ファナティックとFNTCの違いは以下の通りです。
- オーリーゾーンが広く跳びやすい
- プレストリックが踏みやすい
- 脚力の弱い女性や運動が苦手な方でも乗れる
- 商品説明が丁寧なので購入してから後悔することがない
- カタログ表記が分かりやすい
次項から詳しく解説します。
オーリーゾーンが広く跳びやすい
FNTCがグラトリ・ラントリ向けに作られている具体例をお話しましょう。
ファナティックのボードはオーリーのタイミングがピンポイントなので、グラトラーには扱いづらいものでした。
しかし、FNTCはオーリーゾーンが広めに設定されているので、とにかく跳びやすい。
多少ボードを弾くタイミングがずれても、しっかり高さのあるオーリーができます。
プレストリックが踏みやすい
FNTCはグラトリ・ラントリ特化のフレックスバランスです。
センターは板をしならせやすいよう柔らかく、ノーズ・テールは板を曲げたときに安定感が出るよう硬めに設定。
さらにノーズ・テールのキック(反り上がり部分)を直線的にすることで、板が斜めになっても安定する形状になってます。
だからファナティックのボードに比べ、プレストリックが圧倒的にメイクしやすいのです。
脚力の弱い女性や運動が苦手な方でも乗れる板がFNTC
FNTCは初心者はもちろん、脚力の弱い女性や運動が苦手な方でも簡単にグラトリできるよう設計された板なんです。
ライダー目線ではなく、ひたすら初心者目線で作られたボード。
タッキーさんは日頃からグラトリレッスンしているので、初心者の方がどこでつまずくのか、どうすればやりやすくなるのか熟知しています。
その経験がFNTC開発に生かされているのです。
FNTCは商品説明が丁寧なので購入してから後悔することがない
もう一つ、FNTCとファナティックが決定的に違う点があります。それは商品説明がとにかく丁寧だということです。
タッキーさんは登録者数10万人超えの大人気You Tubeチャンネル「スノボー先生」で動画を配信してます。
そのチャンネルの発信力を活かし、FNTCのスペック説明や滑走動画を多数アップ。
ユーザーは「FNTCはこんな滑りができるんだ!」と納得して購入するから、悪い口コミが一切ないのです。
カタログ表記が分かりやすい
出典:FNTCホームページ
ユーザーに寄り添った商品説明はカタログにも現れています。なんとボード重量や推奨体重まで記載されているのです。
ここまで詳しく表記しているブランドはほとんどありません。初心者の方はそれだけでも購入時の不安が解消されますよね。
FNTCはデメリットもしっかり伝えてくれている
海外ブランドって情報が少ないので、デメリットがユーザーまで伝わって来ないんですよね。もちろんファナティックも例外ではありません。
その点FNTCはしっかりデメリットをユーザーに伝えている点も、人気を下支えしている理由の一つでしょう。
やっぱり良いことばかり言われると、かえって怪しいじゃないですか(笑)もちろんFNTCだって完璧な板では無いので、不向きなこともたくさんあります。
リスクを理解して購入できるのは、ファナティックとの大きな違いでしょう。
TNTは滑走性能が落ちる(低速に特化している)
グラトリ初心者にもやさしい低価格を実現するため、初心者モデルであるTNTは滑走面(ソール)のランクを落としています。
だから高速カービング時に思ったスピードが出せない懸念があります。
細身なのでドラグのリスクがある
一部モデルを除き基本は細身のシェイプなので、初心者の方にも扱いやすくなっています。しかし、足のサイズが大きいボーダーさんは足幅がはみ出すドラグのリスクがありますね。
高身長の方に合うラインナップがない(有効エッジが足りない)
原価を抑えるため、売れ筋のサイズしかラインナップしてません。高身長や体重が重い方は有効エッジが足りない懸念があるので注意してください。
折れやすいというウワサを聞くけど?→FNTCだから折れやすいということはない
ツイッターなどを見ると「TNTが折れた」というつぶやきを見ることがありますが、FNTCだから折れやすいということはないです。
■TNTが折れやすいと言われる理由
- トリックをするボーダーが多いので、通常滑走より負荷が加わりやすい
- 人気ボードゆえ良い噂も悪い噂も他ブランドより広まりやすい
- 人気のTNTは安価な芯材を使用しているので折れやすい
一番大きな問題は芯材だと思います。FNTCに限らず入門モデルは安価な芯材を使って原価を押さえているので、折れやすくはなります。
FNTCに限らず上級者は上位モデルに乗ろう!
たとえばグラトリにしても、初心者の方ってそこまで板をしならせることができないので、入門モデルの安価な芯材でも折れないんですよ。
逆に上手い人が入門モデルに乗ると、負荷がかかりすぎで折れやすいです。
事実バートンは高額なモデルほど、芯材を複雑に配置して強度を上げてます。
もし折れるリスクが心配な方は、このあと紹介するCATやSoTなど、より上位のモデルを選ぶことをおすすめします。
ファナティックとFNTCの共通点はハニカム構造
出典:FNTCホームページ
逆にファナティックとの共通点もあります。それはハニカム(蜂の巣)構造です。
ボードのノーズやテール・センターにハニカムコアを埋め込むことによって、
- 軽量化
- バタつきの防止
- 反発力
3つの効果が得られるようになりました。
また、ハニカム構造をはじめとする技術面や仕入れなど、親ブランドであるファナティックと共有しているので、高機能・低価格を実現しています。
FNTCのおすすめボードは?全7モデルの特徴を紹介します!
モデル | 定価 | 形状 | スタイル |
---|---|---|---|
TNT-R※ | 64,900円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | グラトリ |
TNT-C※ | 64,900円(税込) | ツイン/可変キャンバー | ラントリ |
TNT-L※ | 64,900円(税込) | ツイン/ローダブルキャンバー | オールラウンド |
CAT※ | 86,900円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | グラトリ |
SoT | 86,900円(税込) | ツイン/可変キャンバー | ラントリ |
CVT | 86,900円(税込) | ディレクショナル/キャンバー | カービング |
DCC | 90,200円(税込) | ディレクショナル/可変キャンバー | オールマウンテン |
FNTCは今季7モデルをラインナップしてます。しかし、全7モデルとはいえ「自分にはどれが合っているのか分からない…」という方も多いと思うんです。
この項では、各モデルの特徴やおすすめポイントをわかりやすくまとめてみました。
日本で一番売れているグラトリボード!TNTのラインナップは3種
まずは日本で一番売れているグラトリボード。FNTCを代表するモデルTNTを紹介します。
グラトリ(回転) | グラトリ(プレス) | カービング | 安定感 | |
TNT-R | ◎ | ◎ | △ | △ |
TNT-C | △ | △ | ◎ | ◎ |
TNT-L | ○ | ○ | ○ | ○ |
TNTは3種類のラインナップがあります。
- TNT-R…低速グラトリ向き
- TNT-C…カービング・ラントリ向き
- TNT-L…万能型
次項から詳しく解説します。
TNT-Rはグラトリがやりやすい
定価 | 64,900円(税込) |
形状 | ツイン/ダブルキャンバー |
フレックス | ソフト |
サイズ | 139〜160 |
Rはダブルキャンバーと呼ばれるシェイプで、引っ掛かりが少なくとにかく回しやすい。
しかもグラトリの天敵、逆エッジを軽減してくれる効果もあります。
特に低速域でのグラトリがメインのボーダーならRがおすすめです。
ただし、グリップ力はTNTのラインナップでは一番弱いので、カービングやラントリは不得意なボードです。
TNT-Cはカービング・ラントリに特化したボード
定価 | 64,900円(税込) |
形状 | ツイン/可変キャンバー |
フレックス | ソフト |
サイズ | 139〜160 |
TNTの人気が爆発したこともあり、さらにボーダー趣向に合わせてTNT-Cがラインナップに加わりました。
TNT-Cは既存のTNT-Rに比べカービングに特化した板になっています。
形状が可変キャンバーなのでRよりグリップ力が高く、どちらかといえばラントリ志向の方にぴったりですね。
カービングやリバースターンを織り交ぜながらのラントリ志向の方ならCで間違いありません。
TNT-Lは万能型のボード
定価 | 64,900円(税込) |
形状 | ツイン/ローダブルキャンバー |
フレックス | ソフト |
サイズ | 139〜160 |
23-24シーズンから新たにTNT-Lが仲間に加わりました。
TNT-Rよりアーチが深いローダブルキャンバーと呼ばれる形状は、グリップ力が高くカービングもバッチリ。
さらに回転系・プレス系のグラトリもやりやすい万能な板に仕上がっています。
「高速ラントリも低速グラトリも楽しみたい!」という欲張りなボーダーにピッタリの板です。
グラトリ中上級者におすすめの最強グラトリボード!CAT
定価 | 86,900円(税込) |
形状 | ツイン/ダブルキャンバー |
フレックス | ミドルソフト |
サイズ | 139〜150 |
「グラトリ中上級者」や「よりグラトリが上達したい」という方におすすめのボードがCATです。
ダブルキャンバーであるTNT-Rをベースに、より軽量で反発力が高いモデルに仕上がってます。
たしかにTNT-Rはコスパはいいのですが、360から540へステップアップというレベルになると、反発や重量に物足りなさを感じるんですよね。
CATは前述のハニカム構造をノーズ・テールに配置することで、スイングウエイトがめちゃくちゃ軽い。
さらにVの字にカーボンが配置されており、弾くとバネのような粘りのある反発が返ってくるので、オーリー・ノーリーが本当に気持ちいいんですよね。
ダブキャンでセンターフレックスも柔らかめなので、点乗り系の技も得意とする、まさに死角なしの最強グラトリボードです。
ターン性能特化のラントリボード!自在に動ける神板のSoT
定価 | 86,900円(税込) |
形状 | ツイン/可変キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 150,153 |
個人的に一番ストライクなモデルがSoTです。可変キャンバーで有効エッジが長く、より高速ランに特化したシェイプになってます。
一口にグラトリと言っても、中上級者へステップアップする段階で好みが分かれてくると思うんです。
とにかく中低速の高回転志向、スタイル重視の点乗り志向、そしてカービングを取り入れたラントリ志向。
SoTは張りのあるフレックスで高速でもバタつかず、なおかつFNTCの特徴である粘りのある反発が返ってくるので、ランからのトリックも安定します。
ただ、タッキーさんも動画で言ってますが、CATよりもさらに扱いは難しいです。だからこそ、乗りこなした時に究極のパフォーマンスを手に入れることができるんですね。
カービング・ラントリ志向の方は、この神板をぜひチェックしてみてください。
カービング特化の入門ボード!CVT
定価 | 86,900円(税込) |
形状 | ディレクショナル/キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 150〜159 |
FNTC唯一のカービング特化ボードがCVTです。とはいえガチガチのカービングボードではなく、初心者の方でも楽しめるシェイプに仕上がっています。
フルキャンバーで有効エッジが長く、他のFNTCのボードより圧倒的に強いグリップ力があります。また、FNTCの中では太めのシェイプなのでドラグも予防できる。
さらにノーズからテールにかけてハニカムストリンガーが配置されているので、振動吸収性や安定感が大幅に増しています。ハニカムって中が空洞なので、衝撃吸収性が高いんですよ。
なにより10万円超えが普通のカービングボードの中で、この値段はかなりお買い得ですよね!
パウダーもいけるオールマウンテンボード!DCC
定価 | 90,200円(税込) |
形状 | ディレクショナル/可変キャンバー |
フレックス | ミドル |
サイズ | 153〜162 |
FNTCの最上位モデルであり、究極のオールマウンテンボードがDCCです。
見た目はパウダーボードっぽいですが、カービング主体のボーダーにもおすすめできるほど高速域の安定感も抜群。
安定感の秘密は、極太のワイドシェイプ。さらにテールにかけて細くなるテーパード形状なので、ターンインがスムーズなんですよ。
ペンシルノーズはパウダーでの浮力も高く、ゲレンデの端パウはもちろん、本格的なバックカントリーにも耐えられるクオリティーです。
見た目は鈍重そうに見えますが、センターは柔らかめなので、想像の何倍も軽快に滑ることができます。
カービング、地形、パウダー志向の方にピッタリの一枚です。
人気ライダーさん達に聞いた!おすすめのグラトリボード16選
ブランド/モデル | 定価 | 形状 | フレックス |
---|---|---|---|
スプレッド/LTA-F※ | 109,780円(税込) | ツイン/キャンバー | ミドルソフト |
スプレッド/AX-F※ | 96,800円(税込) | ツイン/キャンバー | ミドルソフト |
ナンバー/V | 88,000円(税込) | ツイン/キャンバー | ミドルソフト |
GT/XENO | 88,000円(税込) | ツイン/ローキャンバー | ソフトミドル |
クロージャ/WORM※ | 96,800円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | ソフト |
ライス28/GT2※ | 88,000円(税込) | ツイン/Wキャンバー | ソフト |
011/X FLY SPIN※ | 107,800円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | ミドル |
011/DOUBLE FLY※ | 107,800円(税込) | ツイン/キャンバー | ソフト |
TRQ/ディアブロ※ | 108,900円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | ミドルソフト |
ヨネックス/アクセ※ | 97,900円(税込) | ツイン/可変キャンバー | ミドルソフト |
スプレッド/RD | 96,800円(税込) | ツイン/キャンバー | ミドル |
FNTC/TNT※ | 64,900円(税込) | ツイン/RLダブキャン、Cキャンバー | ミドルソフト |
GT/ゲイン | 64,900円(税込) | ツイン/可変キャンバー | ソフト |
K2/ジオメトリック | 66,000円(税込) | ツイン/可変キャンバー | ミドルソフト |
TRQ/スナップマジック | 70,400円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | ミドルソフト |
アンガード/ライラック※ | 68,200円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | ソフト |
先日神立で行われた試乗会に取材してまいりました。
人気のスプレッドはもちろん、GT、クロージャ、FNTCなど…人気ライダーさんに聞いたおすすめのグラトリボードを取材したので、気になる方は合わせて参照ください。
まとめ
モデル | 定価 | 形状 | スタイル |
---|---|---|---|
TNT-R※ | 64,900円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | グラトリ |
TNT-C※ | 64,900円(税込) | ツイン/可変キャンバー | ラントリ |
TNT-L※ | 64,900円(税込) | ツイン/ローダブルキャンバー | オールラウンド |
CAT※ | 86,900円(税込) | ツイン/ダブルキャンバー | グラトリ |
SoT | 86,900円(税込) | ツイン/可変キャンバー | ラントリ |
CVT | 86,900円(税込) | ディレクショナル/キャンバー | カービング |
DCC | 90,200円(税込) | ディレクショナル/可変キャンバー | オールマウンテン |
FNTCはファナティックをローカライズしたブランドなので、圧倒的におすすめなんです。
そもそも欧米は雪質も違えば、グラトリ・ラントリ文化も熟成してません。だから、日本のシーンに特化したFNTCを選ぶべきなんですね。
しかもタッキーさんはYou Tubeでどんな人に向いてるか明示してくれてます。
ぜひ動画を見て、ご自身が納得したうえで購入いただければと思います。