スキースノボ正しいワックスのやり方→毛羽った時以外はブラシだけ

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こんにちは、20年以上スノーボードやっている元イントラの、らくスノです。

まず結論からいえば、基本はブラッシングだけでOK。毛羽立ちや汚れが目立つときだけワックスを塗ります。

国際大会のサポートをしているチューンナップショップのオーナーに聞いたので間違いないです。

多くのスキーヤー・スノーボーダーがワックスを塗りすぎていると思います。

私の知り合いのプロ、イントラなんかに聞いても、毎日ワックスしてないという方が多いです。

今回は正しいワックスの塗り方とブラッシングの方法について解説します。

スキー・スノボにワックスを塗布する4つの意味

まずはスキー・スノボにワックスを塗布する4つの意味についてお話します。

  • 毛羽をとる
  • 雪面への抵抗を減らす
  • 汚れをとる
  • ソールの保護

ワックスには滑走パフォーマンスを上げる以外にも塗布する意味があるんです。

毛羽(けば)をとる

スキー・スノボは滑走するうちに毛羽立ってきます。

新品で購入したセーターが、着ているうちに毛玉ができてくるイメージですね。

毛羽を取ってあげないと雪面との間に抵抗が生まれ、滑りにくくなってしまいます。

毛羽はワックスして硬め、スクレーピング(ワックスを削る)・ブラッシングすることで取り除くことができるんです。

スノーボードのソールは毛羽立ちやすいポリエチレンでできています。

エクストルードやシンタード・グラファイトというのは製法・混合物の違いで、素材が異なるわけではありません。

雪面への抵抗を減らす

そもそもスキー・スノボが滑る理由はよくわかっていません。

  • 水潤滑説…摩擦によって生じる水分が潤滑油の役割を果たし、滑るようになる。
  • 固体潤滑説…ソールをツルツルにして抵抗を減らすことで、ボードが滑るようになる。

滑走に関する論文も読みましたが、「おそらく両方とも関係しているのではないか」という結論でした。

ただ、どちらにしろソールは極力ツルツルなほうが滑ることは確かです。

ワックスでソールの隙間を埋めて雪面との抵抗を減らすことで、スキー・スノーボードは滑るようになります。

汚れをとる

特に人口雪・春雪は土やリフトの潤滑油等…かなり汚れています。

ワックスを塗布すると汚れが浮き上がるので、スクレーピングやブラッシングで除去することができるのです。

ソールの保護

どれだけパウダースノーでも、雪面を滑走する以上ソールは少しづつ傷ついていきます。

ワックスをすると、ソールを保護することができるのです。

正しいホットワックスの塗り方8手順

正しいホットワックスの塗り方手順は以下のとおりです。

  1. ワックスに必要な道具を用意する
  2. リムーバーで汚れをとる
  3. 軽くブラッシング&スクレーピング
  4. ワックスをアイロンで溶かしながら生塗する
  5. ボード全体を温めるイメージで塗り広げる
  6. ワックスが冷えたらスクレーパーで削る
  7. ブラッシングする
  8. ワックスかすをとる

次項から順番にお話します。

ホットワックスに必要な道具を用意する

まずはホットワックスに必要な道具を用意します。

  1. アイロン
  2. 固形ワックス
  3. ブラシ(ボア・ナイロン&馬毛)
  4. タオル(キッチンペーパー)
  5. ワクシングペーパー
  6. ワックススタンド

ワックスセットは8,000円前後で購入できます。

リムーバーで汚れをとる

まずはリムーバーで汚れを取り除きます。

マイクロファイバータオルかキッチンペーパーにリムーバーを吹きかけ、拭き取るだけ。

ただし、一般のスキーヤー・スノーボーダーであれば、汚れはワックスで取り除いたほうが効率的。

リムーバーはシーズン終わりや汚れが極端に目立つときだけでOKです。

軽くブラッシング&スクレーピング

リムーバーが乾いたら、軽くブラッシング&スクレーピングしましょう。

ソールに入った細かい汚れや毛羽が取れると思います。

この作業1つ加えるだけで、ワックスがソールに入りやすくなります。

ちなみにブラシはボアorナイロンと馬毛を交互にかけても良いです。

ボア・ナイロンと馬毛の違い

ボア・ナイロンは太く硬い毛なので、表面上の汚れ・毛羽を取り除くことができます。

馬毛は細く柔らかいので、ソールの奥深くに入った細かい汚れ・毛羽を取り除くことができます。

ワックスをアイロンで溶かしながら生塗する

いよいよ固形ワックスを塗布していきます。

まずは固形ワックスをアイロンに当てて溶かしながら、少しづつ生塗りしていきます。

この時点で隙間なく塗る必要はありません。ボード全体が白くなればOK。

生塗りすることで最低限のワックスしか消費しないので、節約になるんですよね。

ポタポタ垂らすワックスの塗り方は非効率

そもそもワックスって、スポンジのようにソールへ浸透するわけではないんですよ。あくまでポリエチレン分子の隙間(ワックスポケット)に入るだけ。

だから本来は表面に薄く塗ればOK。

ポタポタ垂らすと大量のワックスを消費するうえに剥がしづらいので非効率です。

※時短のためにあえてやっているチューンナップショップもあります。

ボード全体を温めるイメージで塗り広げる

生塗り後は、アイロンを直接ソールに当ててワックスを入れていきましょう。

ワックスを塗るというより、板全体を温めるイメージです。

なぜなら、ワックスの本質は塗り広げることではなく、ワックスポケット(ポリエチレン分子の隙間)に入れることですからね。

熱でワックスポケットを広げないことには、ワックスが入っていきません。

たまにデッキ面を触って熱をチェックするといいですね。

アイロンの温度は100〜110℃を目安にする

 グリーンブルーバイオレットピンク
推奨雪温度-20℃-14℃-4℃0℃
推奨気温-20〜-10℃-12〜-3℃-4〜3℃0〜10℃
アイロン温度目安120〜130℃110〜120℃100〜110℃100〜110℃

ワックス慣れしてる人は煙が出るほどのMAX温度で素早く塗ることもありますが、慣れてない方は徐々に温度を上げていきましょう。

ワックスが溶ける温度は上記を参照ください。

ただし、グリーンはトップシーズンの道東くらいしか使わないので、基本は100〜110℃くらいでいいです。

またソールが焼き付いてしまうので、アイロンの動作を止めてはいけません。

ワクシングペーパーはできれば使った方がいい

ワクシングペーパーはチューンナップショップでも使ってないことがありますが、

  • ソールが傷つくのを防止することができる
  • 汚れが吸着する
  • 余分なワックスを吸うので剥がしやすい

上記の効果があるので、基本的には使用することをおすすめします。

※ワクシングペーパーの使用を推奨してないワックスもあります。

ワックスが冷えたらスクレーパーで削る

ソールが乾いたら(常温になったら)スクレーバーで削っていきます。

手前から奥へ押し進めるように削りましょう。

このときやってはいけないのが、写真のようにスクレーパーを手前に倒すこと。単純に板が傷ついてしまいます。

45度くらい奥に倒して削る意識をしてください。

また「テールからノーズ方向へ削らないと駄目だ」と思っている方もいますが、そこまで神経質になる必要はありません。

ブラッシングする

ボアorナイロンでブラッシングしてから、馬毛ブラシをかけます。ボアorナイロンと馬毛を交互にブラッシングしてもOK。

ボア、ナイロン、馬毛と3つ交互にブラッシングする方もいますが、個人的には労力に見合う明確な違いを感じなかったので、ボアorナイロンはどちらか1つで良いです。

ソールに傷がつくのでブロンズブラシは不要

チューンナップショップでも意見が別れているのですが、少なくとも一般スキーヤー・スノーボーダーがブロンズブラシをかける必要は無いと思います。

一般人がブロンズブラシを使うとソールを傷をつける恐れがあるうえに、筆者自身滑走パフォーマンスに明確な違いを感じたことがないからです。

ワックスかすをとる

本来は最後に800円くらいで売っているファイバーテックスで磨き上げます。

ただ、私自身そこまで効果の違いを感じなかったので、100均一に売ってるマイクロファイバータオルやキッチンペーパーでもOKです。

ファイバーテックスは洗って使い回しができるので、お金に余裕のある方は1枚買ってもいいですね。

ちなみにティッシュは破けやすく粉が多いのでNG。

効果がみえない工程はやらなくてもOK

チューンナップショップでさえ、ワックスの塗り方は様々。

  • ワクシングペーパー使用の有無
  • スクレーパーやブラシのかけ方
  • アンスタフィニッシュクロス(静電気除去シート)の使用の有無

一般のスキーヤー・スノーボーダーが迷うのも無理はありません。

筆者としては、ワックスに関して一つの結論を導き出しました。

それは、労力(ワクシング)に見合うだけの対価(滑走パフォーマンス)を得られるかどうかです。

ワクシングペーパーもアンスタフィニッシュクロスも、効果があると思えば使えばいいし、あまり違いを感じないならやらなくてOK。

そもそも大会等でコンマ1秒を争うなら別ですが、一般のスキーヤー・スノーボーダーが「そこまで滑走パフォーマンスが重要か?」と言われれば疑問です。

実際に滑走してみて違いを感じなければ、無駄だと思うワックス工程は飛ばしても良いでしょう。

雪温に合わせたワックスを塗布することが重要

ワックスの細かい工程よりも重要なのが、雪温に合わせたワックスを塗布することです。

パラフィンワックスは以下の効果があります。

  • 硬いワックスは低温下で結晶化した雪を弾いてくれる
  • 柔らかいワックスは撥水効果が高いので、溶けた湿雪を弾いてくれる

シーズン初めや春の水分を多く含んだ雪に対しては柔らかいワックス、トップシーズンのパウダースノーに対しては硬いワックスを入れる。

基本中の基本ですが、滑走パフォーマンスを上げるには一番効果的です。

滑走ワックスも労力に見合うだけの対価が得られるかどうかで判断

「滑走ワックスもしたほうが良いですか?」

私の結論は「労力(ワクシング)に見合う対価(滑走パフォーマンス)が得られると思うなら滑走ワックスしても良い」です。

まず大前提として、ほとんどのメーカーのワックスはベースだけでも走ります。

それでもさらなる滑走パフォーマンスを求めるなら、滑走ワックスをしても良いと思います。

ただし、当然ながらワックスの工程をもう一度繰り返すことになります。

筆者もここ数年滑走ワックスしてませんし、レジャーとしてスキー・スノーボードを楽しむだけなら不要かと思います。

おすすめのワックスメーカー3選

最後におすすめのワックスメーカーを紹介したいと思います。

結論から言えば、

  • 特にこだわりが無ければシェアナンバー1のガリウム
  • ガリウムよりお得なマツモトワックス
  • 競技者も使用するトップクオリティーのドミネーター

この特徴ある3メーカーから選んでおけば、まず間違いありません。

圧倒的人気!ガリウムワックス

ご覧の通り、ツイッターのアンケートでも大人気のガリウムワックス。

私のフォロワーさんはイントラさんや上級者が多いので、いかに信頼されているメーカーだということがわかりますね。

日本では圧倒的なシェア率をほこり、どこでも手に入りやすいのも魅力です。

ワックスは消耗品なので、足りなくなったときすぐ購入できるのはとても大事な要素です。

私自身ガリウムを使っているので、滑走パフォーマンスには太鼓判を押します。

とりあえず「ワックスのことがよくわからない」という方はガリウムを買っておきましょう。

ガリウムよりお得に買える!マツモトワックス

 ベースワックス滑走ワックス超滑走ワックス
マツモトワックス12.46円39.60円50.00円
ガリウム13.20円39.60円77.00円

※すべて定価ベース(税込)、グラム換算。

ガリウムほどではありませんが、マツモトワックスもかなり人気のメーカー。

マツモトワックスの魅力は定価ベースでガリウムより安いことです。

1グラムでは微々たる数字ですが、消耗品だから少しでも節約できるのはありがたい。

また、ベースワックスはガリウムより細かい温度設定が可能なので、より雪温に合わせたワクシングができます。

値段が安いとはいえ、プロライダーも使用するほど信頼のおけるメーカーです。

トップアスリートも愛用!ドミネーターワックス

レース、フリースタイル等…競技スタイル問わずトップアスリートも愛用するワックスがドミネーターです。

静電気軽減や汚れが付きにくくなるグラファイトを配合したり、花粉・黄砂・塩分・火山灰の影響まで考慮して作られたワックスはまさに一級品。

価格は高いですが、一度使うともう他のメーカーには戻れないようです。

究極の滑走パフォーマンスを求めるなら、ドミネーターをチェックしてみてください。

まとめ

そもそもなぜ人によって塗り方が違うかといえば、ワックスは手段であって目的ではないからです。

  • レースに出場する
  • 検定を受ける
  • レジャーとしてスキー・スノボを楽しむ

人によって求める滑走パフォーマンスは違います。

レースに出場する方とレジャーで滑る方で、ワックスの塗り方に違いがあって当然です。

だから、実際に滑ってみて労力(ワクシング)に見合った対価(滑走パフォーマンス)を得られなければ、どんどん工程を削ってもOKだと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。