スノーボードの板ってどんな種類があるの?滑走スタイル別に解説!

こんにちは、20年以上スノーボードをやっている元インストラクターの、らくスノです。

スノーボードには、美しい弧を描くカービングターン、ふかふかの新雪を滑るパウダーラン、平らなバーンでトリックを繰り出すグラトリ(グランドトリック)など、本当に色々な滑り方(プレイスタイル)がありますよね。実は、スノーボードの板にはそれぞれのスタイルに特化した専用ボードが存在します。また、それらすべての滑走スタイルを1枚で万能にこなせる万能ボードも発売されています。

しかし、いざ自分に合ったマイボードを探そうとすると、以下のような疑問が湧いてきませんか?

  • 「グラトリ用の板とカービング用の板って、具体的に何が違うの?」
  • 「通販サイトによく書かれている、オールラウンドオールマウンテンって同じ意味じゃないの?」

カタカナの専門用語や似たような言葉が多くて、初心者の方は混乱してしまいますよね。そこで今回は、滑走スタイル別のスノーボード板の違いと特徴を、初心者の方にも100%分かるようにスッキリ解説します。

近年、各メーカーの公式サイトやYouTubeのギアレビューでも、自分の「やりたい滑り方」に合わせた板選びが最も重要視されています。この記事を最後まで読めば、専門用語の罠に惑わされることなく、自分が目指すスタイルに最高のパフォーマンスを発揮してくれる相棒(ボード)を迷わずに選べるようになりますよ!

元イントラでスノーボード専門ライター。数々の有名ライダーと取材経験あり。元々スロープスタイルの選手でしたが、 引退後はカービングやバックカントリーを中心にスノーボードを楽しんでいます。

スノーボード板は滑走スタイル別に6種類ある

スノーボードの板は、目的や滑り方に合わせて大きく分けて6種類に分類されます。

厳密にいえば、レース用の「アルペンボード」や、カービングとトリックを融合させた「ラントリ(ラン&トリック)ボード」といった特殊な板もありますが、挙げ出すときりがないので(笑)初心者の方はまず基本となる6種類さえ知っておけば間違いありません。

ネット通販の販売サイトやメーカーの最新カタログを見ると、それぞれの板に「オールラウンド」「グラトリ向き」「フリーライディング用」などの特徴が必ず記載されています。

最初は1枚の板で何でも練習することになりますが、ある程度滑れるようになってきたら、今度はご自身の目指す滑走スタイル(プレイスタイル)に合わせて最適な種類のボードを選ぶようにしましょう。板を変えるだけで滑りやすさが激変し、スノーボードが今よりも何倍も楽しくなりますよ!

あらゆるスタイルをバランスよく楽しめる!オールラウンドボード

パーク、グラトリ、ラントリなど、特定の滑り方に特化しているわけではないですが、ゲレンデ内のあらゆるスタイルをバランスよく楽しめるのがオールラウンドボードの特徴です。

まだ自分の滑りたい方向性が決まっていない初心者の方や、特に決まったこだわりスタイルがなければ、まずはこのオールラウンドボードを選びましょう。ゲレンデの圧雪バーンからちょっとしたキッカー(ジャンプ台)、地形遊びまで、どんな場面でも万能に1枚でこなせる安心感があります。

各メーカーの最新公式サイトや人気YouTubeチャンネルのバイヤーズガイドでも、「最初のマイボードには、基礎がすべて学べるオールラウンドモデルがベスト」と一貫して推奨されています。

ただし、一般的に「オールラウンド」として販売されている板は、どちらかといえばややトリック(ジャンプや板の回しやすさ)寄りの設計・形状(ツインチップなど)になっていることが多いです。

そのため、トリックにはあまり興味がなく、綺麗なターンを切る高速カービングや、ゲレンデの壁を使ったスムーズな滑走など、滑ること(フリーライド)をメインに楽しみたい方は、このあと紹介する「オールマウンテンボード」を選ぶのがおすすめです。

中低速域での操作性が抜群!グラトリ・ジブボード

グラトリ・ジブボードの最大の特徴は、板が非常に軽量で作られており、中低速域での操作性が抜群に優れている点です。

板の中心(センター)部分が柔らかく(ソフトフレックス)設計されているため、筋力に自信がない初心者でも簡単に板を真っ二つにしならせることができ、オーリー(ジャンプ)の際に板をパチンと力強く弾きやすい構造になっています。

低速でも逆エッジがかかりにくく、クルクルと板を回しやすい扱いやすさから、スノボ初心者の方が「初めて購入するマイボード」としても非常におすすめできる種類の板ですね。

ただし、軽さと柔らかさを追求している分、スピードを出した高速滑走時には足元が激しくバタついてしまうという明確な弱点があります。そのため、雪面を深く削るような本格的な高速カービングターンや、スピードに乗ったままトリックを繰り出すラントリ(ラン&トリック)は苦手分野となります。

グラトリ板の具体的な選び方の基準や、今シーズン売れ筋の人気おすすめモデルに関しては、ぜひ以下の関連記事でさらに詳しく解説していますのでチェックしてみてくださいね。

人気ライダーさん達に聞いた!おすすめのグラトリ板16選

高速域でも安定感抜群でキレのあるターンができる!カービングボード

カービングボードは有効エッジ(雪面に接するエッジの長さ)が長く設計されているため、雪面を深く切り裂くようなキレのある鋭いターンが可能です。

また、ハイスピードに耐えられるよう全体的に板のフレックス(硬さ)が硬めに作られています。そのため、スピードを出した高速滑走時や、夕方のガタガタに荒れたバーンでも、板がブレることなく圧倒的に安定して滑りきることができます。

YouTubeの滑走動画や公式サイトのテクノロジー紹介でも、美しいカービングの弧を描くための必須ギアとして、その安定感が実証されています。

ただし、メリットばかりではなく明確なデメリットもあります。

板自体が重くて硬いため、筋力や正しい荷重抜重のスキルがない初心者の方にはとにかく扱いづらく、思い通りに板を曲げられないことがあります。さらに、ノーズ(先端)の浮力が小さいため、新雪が積もったパウダーでの降雪時には板が雪に突き刺さってしまい、非常に滑りにくい(パウダーに弱い)という特徴もあります。

これらの特性から、カービングボードはどちらかといえばターンの基本をマスターした中・上級者向けの板と言えるでしょう。

なお、カービングに特化したモデルの中には、「ハンマーヘッド」と呼ばれる、ノーズとテールの先端が角ばって潰れたような独特の形状をしている板もあります。カービングボードが持つ圧倒的なターンのキレや、逆に初心者が知っておくべきデメリットについては、ぜひ以下の関連記事も合わせて参照してみてくださいね。

元イントラが厳選!カービングにおすすめの板13選

スイングウエイトが軽いので回しやすい!パークボード

パークボードは、板の前後(ノーズとテール)が左右対称の長さ・設計になっている「ツインボード(ツインチップ)」という形状をしており、レギュラー(左足前)でもフェイキー(右足前/スイッチ)でも、全く同じ乗り心地で滑ることができるのが特徴です。

ジャンプ台(キッカー)やハーフパイプにアプローチする際、あるいは着地(ランディング)の時に前後の向きが逆になっても違和感なくコントロールできます。

同じトリック用の板である「グラトリボード」と比較すると、板全体にしっかりとした「張り(硬さ・反発力)」を持たせて設計されています。そのため、ハーフパイプやキッカーの飛び出し(リップ抜け)で大きなパワーを生み出すことができ、ハイスピードでの着地の瞬間でも、板がヨレずにピタッと安定して支えてくれます。

各メーカーの公式サイトや、オリンピックなどのコンテストに出場するプロライダーのYouTube動画でも、パークボードの持つタフな反発力と安定感が大きくクローズアップされています。

ただし、空中戦やアイテムへの対応に特化したボードであるため、特有の弱点もあります。

有効エッジがそれほど長くなく、ノーズの浮力も小さいため、雪面を深く削るような本格的なカービングターンや、ふかふかの新雪を滑るパウダーランは苦手分野となります。フリーライディングよりも、フリースタイルな遊びを極めたい方に最適な1枚です。

パウダーでの浮遊感が気持ちいい!パウダーボード

パウダーボードは、ふかふかの新雪(パウダーゾーン)で沈まずに浮力を得るため、全体的にウエスト(板の幅)が太い形状をしています。

真上から見ると、ノーズ(先端)が大きく広がってテール(後方)がツバメの尾のように割れているなど、独特のシェイプをしているのが特徴です。この設計のおかげで、深い雪の上であっても沈み込むことなく、まるで水の上をサーフィンしているかのような抜群の浮遊感を得ることができます。

近年、海外のバックカントリー動画や各メーカーの公式サイトでも、極上の雪質を楽しむための大人向け贅沢ギアとしてパウダーボードが毎シーズン大注目されています。

ただし、新雪に特化している分、ゲレンデ内の硬い雪での滑走には不向きです。

全体的に太く作られたボードは重量があり、エッジの切り替えに力がいるため、綺麗に整備された圧雪バーンでの細かいコントロール性能やキレは劣ってしまいます。

そのため、「朝一はパウダーを滑りたいけれど、午後はピステン(圧雪)バーンも壁の地形も、1日中バランスよく欲張りに遊びたい!」という方は、次項で紹介する「オールマウンテンボード」を選ぶのが最もおすすめです。

オールマウンテンボード

オールマウンテンボードは、ゲレンデ内の沢地形や壁、バンクドスラロームのコースなど、自然の凹凸を利用した「地形遊び」で最高のパフォーマンスを発揮する板です。

ブランドやメーカーによっては「フリーライドボード」と呼ばれる場合もありますが、どちらもゲレンデ全体を縦横無尽に駆け巡るという点で、ほぼ同じコンセプト(用途)と考えて問題ありません。

この種類の板は、ハイスピードでの3次元的な地形の突入や、急激なG(重力)に耐えられるよう、フレックス(ボードの硬さ・しなり)が全体的に硬めに設定されていることが多いのが特徴です。

そのため、先ほど紹介した特化型の板にも負けないほど、ふかふかの新雪(パウダー)での高い浮力や、固い雪面での鋭いカービングターンでも抜群の高性能を発揮してくれます。

近年、世界的なバックカントリーや地形ブームを受けて、各メーカーの公式サイトでもフラッグシップモデル(最上位機種)としてオールマウンテンボードが多数ラインナップされています。YouTubeの試乗レビュー動画でも、「朝一の新雪から夕方の荒れた地形まで、これ1本で山全体を完全攻略できる」と目の肥えたプロライダーたちから圧倒的な支持を集めています。

まさに、「トリックよりも、とにかくスピードに乗って雪山を自由に滑り倒したい!」という大人スノーボーダーに最適な、究極の相棒と言えるでしょう。

まとめ

このようなスタイル別の解説をすると、読者の方から「じゃあ、カービングボードを買ったらグラトリは一切できないの?」「パウダーボードではカービングターンを楽しめないの?」といった質問をよくいただきます。

結論からお伝えすると、「道具の専門外のスタイルであっても、ぜんぜん問題なく滑る(遊ぶ)ことができます!」

スノーボードの板は、あくまでも「そのスタイルが一番やりやすいように設計されている」だけであり、他の滑り方を完全に禁止しているわけではありません。実際にYouTubeなどの動画を見ても、プロや上級者の中にはセオリーを完全にガン無視して、太いパウダーボードでキレキレのグラトリを披露したり、柔らかいグラトリ板で超高速カービングを決めたりしている人がたくさんいます(笑)。

ですから、あまり「この板はこれ専用だから…」とガチガチに考えすぎる必要はありません。

ただ、それは板の特性を自分の技術でカバーできる上級者だからこそ成せる業です。まだ技術が発展途中の段階であったり、特に強いこだわりがなければ、やはり最初にご紹介した「セオリー通りの組み合わせ」でボードを選ぶのが、上達への一番の近道であり最善の選択になります。

得意なギアを使うほうが、体への負担も少なく、面白いほど簡単に新しいトリックやターンが身につきますよ!

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らくスノさん
スノーボード歴22年の自称育メンボーダー。北海道出身の父の影響で小学生からスキーをはじめ、18歳でスノーボードに出会う。学生時代に留年してまで山にこもり大会などにも出場するが、就職を機に趣味となる。現在は娘も幼いためあまり滑りにはいけないが、いつか子どもとスノーボードに行くのが楽しみ。